読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「ソープオペラ」に嵌った女性が巻き起こす悲喜劇を描く、「ベティ・サイズモア」

2007-11-23 03:08:34 | 映画;洋画
(アメリカ/2000年)
原題:Nurse Betty
監督:ニール・ラビュート
脚本:ジョン・リチャーズ、ジェームズ・フラムバーグ
音楽:ロルフ・ケント
撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ
出演:レニー・ゼルウィガー、モーガン・フリーマン、クリス・ロック、グレッグ・キニア、アーロン・エッカート、クリスピン・グローヴァー、アリソン・ジャネイ

まず、「ソープオペラ」という言葉を覚えました。いわゆる「昼メロ」を米国ではこう呼ぶそうです。「石鹸洗剤メーカーがスポンサーに就く事が多い為、米国では『soap opera』と称される。これは、主婦に商品を売りたい石鹸洗剤メーカーの意向とも言われるが、アメリカにおける初期のソープオペラに石鹸会社の話があったのが本当の理由である。日本では、「愛の劇場」(以前は花王 愛の劇場)に花王が就き、P&Gが「ドラマ30」と、その裏番組である東海テレビの昼ドラマの筆頭スポンサーを共に務めている」。

次に、「ベティ・サイズモア」というタイトルが気になりました。「サイズモア」に特に意味があるのかと思いましたが、そういう訳ではないようで、単なる主人公の名前。アメリカ映画には主人公の名前をタイトルにした映画が多いそうです。「ドン・キホーテ」や「ロビンソン・クルーソー」以来の文学的伝統なんだそうです。本作の場合は、原題「Nurse Betty」を米国流に逆訳(?)したものです。

最後に、この映画のラストにサラッと流れるテロップが粋です。
She appears in 63 episodes and then takes a holiday in Rome. She is planning on pursuing a nursing degree.

「『超』」整理法」で有名な現・早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の野口悠紀雄さんがどこかで、マイケル・クライトンの著作で気に入っているのは、最後の最後までフィクションに徹することだとおっしゃっていたような記憶があります。

「その後、ベティ・サイズモアは63本の作品に出演。今は、本物のローマで休日を取っている。彼女は、看護学位を履修している」と流れます。「え?」、この話、実話だったの?と思わせます。思わず、ネットで調べましたが、どこにもそんな記述はありません。「やられた!」と思いました。アメリカではきっと、この最後のテロップで観客が大笑いするか、拍手するんでしょうね。

さて、コメディなのかファンタジーなのか、はたまたシリアスなのか、ミステリーなのか、こんな不思議な作品を撮ったのは、インディーズで鳴らしたいうニール・ラビュート監督。

ニール・ラビュート(Neil LaBute, 1963年-)は、「アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト出身の映画監督・脚本家である。カンザス大学、ニューヨーク大学などで映画制作・脚本を学ぶ。その後、舞台の脚本家としてキャリアをスタートした。アーロン・エッカートをよく起用するが、大学時代に出会った友人同士だという」。
役者陣の方は、レニー・ゼルウィガーは3/22付けの記事「ザ・エージェント」(1996)、モーガン・フリーマンは、11/1付けの「ミリオンダラー・ベイビー」(2004)で取り上げましたので、ここでは割愛します。

個人的には、「ギフト」(2000)、「unknown アンノウン」(2006)でのグレッグ・キニアが好きです。

グレッグ・キニア(Greg Kinnear,1963年6月17日-)は、「アメリカ合衆国インディアナ州出身の俳優である。父親の仕事の都合で各地を転々とし、アリゾナ大学でジャーナリズムを学んだ。卒業後にテレビ界に入り、司会者として人気を博した。映画デビューは1996年。『恋愛小説家』(1997年)でアカデミー賞助演男優賞とゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされた」。

まだ、観ていませんが、「サンキュー・スモーキング」(2005)で注目しているのが、アーロン・エッカートです。こちらもまだ観ていませんが、本作のニール・ラビュート監督の「僕らのセックス、隣の愛人」(1998)、「抱擁」(2002)に出演しています。

アーロン・エッカート(Aaron Eckhart, 1968年3月12日-)は、「アメリカ合衆国出身の俳優である。ニール・ラビュート作品の常連。カリフォルニアで生まれ、シドニー、イングランドなどで育つ。高校卒業後にサーフィンのためにハワイに滞在した後、ブリガムヤング大学で映画を学び、1994年に卒業している」。

<アーロン・エッカート – Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%88

「セレブリティ」(1998年)、「アメリカン・ビューティー」(1999)にも出演していたというアリソン・ジャーニー。本作のプロデューサー役では存在感がありました。

アリソン・ジャニー(Allison Janney, 1960年11月19日-)は、「アメリカ合衆国オハイオ州出身の女優である。父親はジャズ・ミュージシャン。2人の兄弟もミュージシャンである。大学卒業後にニューヨークやロンドンで演技を学んだ。テレビシリーズ『ザ・ホワイトハウス』にCJ・クレッグ報道官役でレギュラー出演しており、通算4度のエミー賞を受賞している」。


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