脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

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痛いロスト2ポイント -大体大vs阪南大-

2011年09月23日 | 脚で語る大学サッカー
 関西学生リーグの後期日程がいよいよ開幕。京都府立山城運動公園太陽が丘球技場Bでは、1部の2試合が行われ、第1試合で6位・大体大と7位・阪南大が対戦。阪南大前半先制して優位に試合を進めるものの、追加点が遠く、後半のアディショナルタイム終了間際に同点弾を被弾。1-1の引き分けに終わった。大体大と阪南大の勝点差は変わらず4ポイントのまま。

 

 秋晴れの太陽が丘球技場B。陽射しこそ強いものの風が強く、心地よい清涼感に満たされる。まさに秋のサッカー日和といった天候だったが、試合は熱かった。
 阪南大、大体大共に天皇杯出場を果たした関西勢を代表する2チーム。大体大は3年ぶりの総理大臣杯制覇で、大学枠での出場となったが、厚別での1回戦では北教大岩見沢校に総理大臣杯まさかの敗退。総理大臣杯のリベンジをとられる形になった。一方の阪南大もこの大体大との決勝となった関西選手権を制し、総理大臣杯に出場。初戦で敗れたが、優勝を果たした大阪府選手権経由で天皇杯にチャレンジ。1回戦ではJFLの強豪・SAGAWA SHIGA FCに敗戦と、双方1回戦で姿を消すことになったが、前後期のインターバルでどちらも共に結果を残したといえる。その両校が後期最初の試合で顔を合わせることになった。
 大体大は山田、山口という1年生コンビが先発に顔を揃え、ベンチにも坂本、藤山、泉谷と1年生が3人もスタンバイ。明らかに今後のチームも見据えたメンバー構成を垣間見せた。対する阪南大は、先日C大阪入団が内定した井上(4年)を軸に、GKには原田(2年)が入り、CBには永井(2年)ではなく二見(2年)が岩本(4年)をコンビを組む。前線では可児(2年)と中村(4年)のコンビ。そして、ベンチには神門(3年)が入った。

 試合は、前半から阪南大が効果的に攻撃を展開。井上から泉澤(2年)、中村にボールを繋ぎ、大体大ゴールに迫る。対する大体大も前線の山本(2年)を中心に、左MFの田上(3年)とで積極的なドリブル突破を見せる。しかし、前半こそ何度かチャンスを作るがなかなかエリア内でシュートを打たせてもらえず。対して、この日は阪南大の左サイドで泉澤が切れのあるプレーを見せており、40分にはその泉澤のシュートで阪南大が先制して前半を折り返すこととなった。

 
 阪南大ゴールに迫る大体大・山本。
 二見に倒されたこの場面は惜しくもPK獲得ならず…

 
 阪南大の選手に囲まれながらも突破を試みる田上。
 何度も左サイドからチャンスを作る。

 後半に入っても阪南大のペースは変わらず。左から飯尾(3年)のオーバーラップ、中村の突破、井上のセットプレー、泉澤のドリブルなどでチャンスを作る。49分には、飯尾の折り返しから泉澤がシュートを合わせるが、相手GKのセーブに遭う。65分にも井上が抜け出してニアからシュートを放つが惜しくも右に外れ、追加点が遠い。
 対して1点を追いかける大体大も64分にFW脇(3年)、FW泉谷を合わせて投入。同点のチャンスを窺う。88分には、脇が相手DFの裏に抜け出してGKと1対1の決定機を迎えるがこれを決められず。アディショナルタイムに入り、敗戦濃厚かと思われたその3分だった。馬場(3年)のFKにファーで頭で合わせたのは松竹(4年)。起死回生のゴールで大体大が1-1に追いついて試合を終えた。

 
 効果的な攻め上がりに定評がある阪南大・飯尾。
 この試合でも随所に持ち味を披露。

 
 C大阪入団が決まった関西屈指のプレーメイカー井上。
 負傷で出遅れたが、後期の巻き返しには欠かせない選手。

 
 先制点を決めた泉澤。
 今季はイタリア遠征メンバーにも選出され、切れ味見せる。

 

 
 アディショナルタイム3分の同点ヘッド。
 松竹が逃さなかった。

 前半こそ仕掛ける場面が目立っていた大体大が、次第に淡泊になり、阪南大のペースにハマりすぎていた印象があったが、最後の最後でチャンスを見逃さなかった。松竹のヘッドは集中力の勝利ともいえる流れ。このリーグ戦のインターバルで様々な経験を積んだ大体大の成長の証か。新しい選手も起用しながら、後期の戦いぶりが注目できる。また、追加点が最後まで遠かった阪南大は痛い引き分け。ほぼ勝利を掴んでいただけにこの2ポイントロストは、後期の巻き返しを左右してきそうだ。次節は、大体大が不調の立命大と、そして阪南大は好調の関学大を相手にする。