朝日カルチャーセンター☆ブログ

関西4教室(中之島・京都・川西・くずは)の最新情報をお届けします!

カルチャーの現場から #18「京都御所」

2024年06月16日 10時01分40秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。
先日、「美の粋 京都の御所と離宮」講座を行いました。
オンラインでご受講なさる方も多く、全国からお申し込みをいただきました。

冒頭から圧巻でした。
最初の建物・紫宸殿では、即位の礼の解説とともに、高御座(たかみくら)と御帳台(みちょうだい)の姿が映されます。




そしてその階(きざはし)も。


「撮影は、光にこだわった」との説明が、実感とともに心に残ります。
高御座内にある御座(ぎょざ)の螺鈿の美しさも、見事に写真から見て取れました(別写真です)。
藤原道長と花山天皇の幼い頃のエピソードにも驚きました。

ゆっくりと、じっくりと、京都御所を撮影秘話とともに味わいました。
普段見られない場所も、「これだけ美しいのに、見られる人が限られるのはもったいないから」と、たっぷりと。

こっそりお伝えしますと、教室受講では講座終了後も、「もう一度なぞりましょう」と、美の空間を改めて堪能しました。
受講なさった方々も前方に集まり、教室の灯りをすべて消して。

多くの方にご受講いただいたこの講座。
次回は「京都の離宮」がテーマです。
秋に、川西教室で行う予定です。もちろん、オンライン受講を併設します。
候補写真も出そろいました。これから宮内庁へ申請します。
手続きがすべて完了したら、川西教室のホームページでお知らせします。
ぜひ、お楽しみになさっていてください。

朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座をたくさんご用意しています。
中之島京都くずは川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
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カルチャーの現場から #17「京都の御所と離宮」

2024年06月09日 22時22分29秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。

先日、中之島教室で、「もっと京都 ー知るほど楽しい千年のみやこー」講座を行いました。
6月のテーマは「京都の御所と離宮」。
この講座の特徴であるたっぷりの写真で、あたかも京都の町を歩くようにご紹介。
そして今回ももちろん、京都のよもやまこぼれ話、さらに「通」おすすめのおいしいもの情報もふんだんにお届けしました。

「知識が違うと、見方が変わる。見方が変わると、見え方が違う」。
講師の、その言葉通り、京都御所、京都仙洞御所、京都大宮御所、修学院離宮、桂離宮それぞれに、歴史、背景、立地、特徴、見どころなどについて、軽やかで楽しい解説を聴いた後は、視点も視線も、そしてお腹のすかせ方さえ変わります。
京都散歩がもっと楽しく、京都がもっと好きになる講座。
半年間限定の特別講座でしたので、次回(7/16)が最終回です。
テーマは「祇園祭」。
講座に加えて、朝日新聞京都総局からの山鉾巡行見学(7/24)がついたコースもご用意しました。
ご予定やご関心に合わせて、お好きなコースをお選びください。

※「講座<中之島教室受講>のみ」はこちら
 「講座<オンライン受講>のみ」はこちら
 「講座<中之島教室受講>+朝日新聞京都総局からの山鉾巡行見学」はこちら
 「講座<オンライン受講>+朝日新聞京都総局からの山鉾巡行見学」はこちら



京都の御所と離宮では、もう一つ。特別な講座を企画しました。
ふだんは見ることができない場所を、朝日新聞社が1年間かけて特別取材した写真をもとに、その内部の様子やしつらえをご紹介する「美の粋 京都の御所と離宮」講座です。
日本の技術と美の粋が集まる特別な空間を、たっぷりの写真とともにご紹介します。
3回限定講座の第1回目は、「京都御所」(6/15)。
「妖怪」も登場します!
すでに多くの方にお申し込みいただいています。よろしければぜひ、こちらをご参照ください。





朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座をたくさんご用意しています。
中之島京都くずは川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
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カルチャーの現場から #16「ノンフィクション」

2024年06月03日 09時47分57秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。

「カルチャーの現場から」コラムの第12回第13回でお伝えしました、乗京真知・朝日新聞記者の著書『中村哲さん殺害事件 実行犯の「遺言」』が、令和6年度講談社本田靖春ノンフィクション賞の最終候補作品にノミネートされました。

講座も、書籍も、まさに迫真。
むべなるかな、と思います。

乗京さんの「迫真 国際ルポルタージュの軌跡」講義は、6月5日にも行います。
テーマは「金正男氏暗殺事件」。
緻密な取材を積み上げて、ひもとき、たどりつく真相。
その取材の過程を、惜しげもなく披露します。
オンラインは講座後1週間、お好きなときに何度でもご視聴いただけます。
よろしければぜひ、ご受講ください(こちら)。


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岩崎書店から『犬のふくびき』を出版されました!

2024年05月31日 17時08分30秒 | 中之島教室
こんにちは、中之島教室です

「よろず文章塾<実戦>A」講座の木内さんが
岩崎書店から『犬のふくびき』を出版されました!

ある日、孝太が公園に行く途中で出会った知らない男の子。
茶色いTシャツ、つんつんの茶色いかみの毛のその子は、なんと……!?


本の詳細
『犬のふくびき』(作:木内南緒/絵:よしむらめぐ)
2024年3月31日出版
対象年齢:小学校低学年
ISBN:9784265840465
判型・ページ数:A5・80ページ
定価:1,320円(本体1,200円+税)


岩崎書店をはじめ、WEBからもお求めいただけます。
岩崎書店の紹介ページはこちら(岩崎書店公式HP)



「よろず文章塾<実戦>」は第1・3木曜、Aクラスは午前、Bクラスは午後に開催しています。
合評を中心に、一人ひとりの目標に合わせて個別指導しています。講座受講者の入賞実績も多数!
実践クラスを受講するには、<基礎編>(6カ月コース)の受講が必要です。<基礎編>講座は現在、募集していません。
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カルチャーの現場から #15「浦嶋伝承」

2024年05月27日 07時36分54秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。

先日、「創祀1200年 浦嶋神社の社宝 ー書紀が記した浦嶋伝承ー」講座を行いました。

「実在した」浦嶋太郎(浦嶋子)とは。
 ”閻魔に仕えた”とされる平安時代の官僚・小野篁、将軍・足利尊氏との関係とはーーー。

古墳時代後期から飛鳥時代までの丹後丹波の状況をひもとき、令和6年度春季非公開文化財特別公開で展示されている「浦嶋明神縁起絵巻」(室町時代・重要文化財)の各場面から浦嶋子が生きる理想の世界を解説。
宮嶋淑久・浦嶋神社宮司の軽妙な語り口で楽しく進んだ講座は、北海道から九州まで幅広い地域の方にご受講いただきました。

そして昨日、その浦嶋神社(京都府与謝郡伊根町)を訪問してきました。
浦嶋明神縁起絵巻はもちろん、玉手箱(亀甲紋玉櫛笥・室町時代)も、足利尊氏が献上した品々やその箱書も。
他にも、様々な社宝。
鮮やかで、華やかで、その貴重さ・重みを実感しました。

伊根町には、浦嶋子の両親を祀った神社がありました。
そのすぐそばの海辺では、浦嶋子が帰ってくるときの目印になるように、かがり火を焚いていたそうです。
その浜から見る景色は見事でした。
美しい海と島。
そして、天気がよい日には、その先に白山が見えるそうです。
千年前の人たちは、海越しに見える美しい山々を「常世の国」と思ってたのかもしれない。
地元の方に、そう教えていただきました。

浦嶋子の弟たちの屋敷跡にも、石碑がありました。
浦嶋子が龍宮から帰郷した穴、とされる「龍穴」に手を差し入れると、想像を超える冷気に驚きました。
夏には子どもたちが、この穴のまわりで涼んでいる、というほほえましいお話もお聞きしました。
そして玉手箱を開けたときの白煙が立ち上った道筋がそのまま滝になった、とされる布引滝にも登ってきました。
多くの方に、安全にお越しいただけるように、と、地元の方々が手弁当で広げている山道です。

伊根町には、浦嶋館も、舟屋もあります。
見どころがたくさんの、浦嶋子の町。
みなさんもぜひ、訪問してみられてください。
浦嶋神社の令和6年度春季非公開文化財特別公開は、6月16日まで(土・日のみ)です。
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カルチャーの現場から #14「ロマネスク」

2024年05月19日 07時06分35秒 | カルチャーの現場から
「さあ、旅の続きへ」。
美術史家・池田健二先生の、軽やかで、楽しく、さわやかな解説で、ロマネスク講座は進行します。

主に12世紀の教会建築様式、ロマネスク。
それはデザイン、建築技術、彫刻技術、そして空間設計それぞれの美しさの粋が集まっていて、さらに教会ごとに多様に広がっています。




池田先生の講座は、写真が豊富で、先生の詳しい解説とともに、現地を旅しているように進みます。
建築様式のみならず、教会の歴史や背景、鐘塔、後陣、外壁装飾、扉の意味、柱頭彫刻、石組、石のマークの意味、洗礼槽、彫刻の下地にある聖書の場面、教会の戒律--なども丁寧にひもとき、その言葉ごとに理解も深まっていきます。
「さあ、次はいよいよ回廊です」。
先生の言葉に、思わず声が出てしまうほど、うれしくなりました。
講座を聴く前は、「回廊」という言葉に、こんなに反応することなど、思ってもみませんでした。

中之島教室の講座「ロマネスクの大地 ~北から南へ」では、ヨーロッパを縦断し、ロマネスク建築を一つひとつ、たっぷりの写真と、豊富な解説とともに見ていきます。
北欧から南下。5月の講座は、プロヴァンスのロマネスク教会をじっくりと堪能しました。
次回は、7月12日。アルザスとスイスのロマネスクを訪ねます(こちら)。
そして9月はスペインへ。
カタルーニャのロマネスクを巡ります(こちら)。

中之島の講座は、二本建て(3時間45分。途中、休憩を含みます)で行っています。
たっぷりのロマネスクに浸ると、趣味に「ロマネスク」と加えたくなるかもしれません。
おすすめの講座。
さあ、旅の続きへ。あなたも。

朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座をたくさんご用意しています。
中之島京都くずは川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
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カルチャーの現場から #13「理不尽に抗う」

2024年05月16日 09時48分17秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。

前回の「カルチャーの現場から」の投稿に、大きな反響をいただきました。
実際に、講座内容も迫力ある、すばらしいものでしたので、その概要を報告します。

「迫真 国際ルポルタージュの軌跡 #中村哲さん殺害事件」講座。
 講師は、朝日新聞記者(現・福井総局長)の乗京真知さんです。

講座が始まる前、乗京さんと、講座の流れを打ち合わせました。
多くのご質問・幅広いご関心に応えるため、「講義後の質問時間を長めにとりたい」とお願いしたとき。乗京さんは、(「講座後」ではなく)「講座中に、複数入れてもいいですか」。
受講される方の理解に合わせて講座を進めるため、関心に合わせてその後の講座を広げるため、です。
「取材力は人間力」との言葉をよく聞きましたが、これだけの取材力の背景にある乗京さんの人間力を実感しました。
実際、講座中に多くの質問が続き、熱を帯びた講座になりました。

講座では、冒頭に「読者のみなさまの名代として、現場に立つ」「歴史を刻む覚悟を持って、調べを尽くす」という乗京さんの取材の軸を開示。
その軸に沿って、今回の国際事件の取材・真相がひもとかれます。

まず、事件の概要を説明。
ここでアフガニスタンという国の実際、事件現場の地理的意義も解説されます。

いよいよ、乗京さんの取材が始まります。
乗京さんがどこでどう取材したか。
現場でどう考えたのか。
一つひとつの説明に、聴いているわれわれも、まるで取材チームの一員として取材報告を受けているような臨場感でした。

「証言」を得る。
それを支える「物証」をさがし、つかむ。
そうするとさらに「証言」を。
「この数珠つなぎだ」と、説明なさいました。

「証言」をポテトチップスに、「物証」をチョコレートに例え、「ポテトチップスを食べると、チョコレートが食べたくなる。そしてまたポテトチップスが。この二回目のポテトチップスは最初とは別の味がする」。
この連続でファクトを積み上げ、取材方針を定め、ときには構え直して、真相に近づいていく。

その「数珠」の途中で、「ドクター・ナカムラを殺してしまった、と話している男がいる」との情報をつかみます。
そのときの感想として、<やった!>ではなく、<やれやれ>だったそうです。
情報をつかんだ以上、しっかり取材する。しかし、それは「フェイクであること」を確認する作業になるーー。そういう経験を重ねてこられたからです。

「そもそも実在する人物なのか」というところからスタートします。
取材を重ね、物証も押さえていく「数珠つなぎ」が始まります。
そして、「その人物が死んだ」との情報が。
その人物について、取材は進んでいます。
それらの事実を踏まえた、疑問が生まれます。
「そもそも捜査当局は、逮捕する気があったのか」。

そこからの講座は、まさに迫真。
アフガニスタンとその人物が所属する組織の関係。
アフガニスタン当局とパキスタン当局そして、その組織の結びつき。
そして共犯者の特定に向けた取材。
いよいよ事件の核心に入ります。
なぜ、中村哲さんは殺害されたのか。
なぜ、この時期だったのか。

丁寧な取材のなか、事件が予見されていたこともつかみます。
「遺族」について話す乗京さんの言葉が、熱を帯びます。
「原因究明は再発を防ぐ原点」。

そして静かに、講座が終わりました。
講座終了後もしばらく、席を立つ人はいませんでした。
一人ひとりの質問に、乗京さんは丁寧に答えてくれました。

受講くださった方々のご依頼を受けて、乗京さんが著書にサインしてくださいました。
そのときに記した言葉が「理不尽に抗う」。
本取材において意識なさった言葉、とのことでした。

乗京さんは6月5日にも、「迫真 国際ルポルタージュの軌跡」講座を行ってくださいます。
6月のテーマは、「金正男氏暗殺事件」。

金正恩・朝鮮労働党総書記の異母兄である金正男氏が、マレーシア・クアラルンプール国際空港で猛毒のVXを顔に塗りつけられて殺害。
この事件も、未解決のままです。
なぜ逮捕できないのか。
「真犯人」は誰なのか。
政府間での威厳をかけた綱引きの内容そして結果は。

「迫真、国際ルポルタージュの軌跡」講座の最終回です。
よろしければぜひ、お聴きください。

朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座がたくさんご用意しています。
中之島京都くずは川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。

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カルチャーの現場から #12「真実へ」

2024年05月10日 10時41分00秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。

すごい資料が届きました。
記者が、緻密な取材を一つひとつ積み上げて、真実にたどりつく過程を、惜しげもなく紹介する内容です。
その迫力に圧倒されました。
まるで映画を観ているようです。

その資料とは、5月14日に中之島教室で行う「迫真 国際ルポルタージュの軌跡 #中村哲さん殺害事件」 の講座で投影するファイルです。

アフガニスタンで凶弾に倒れた、医師・中村哲さん。
その真犯人、真相を追ったルポルタージュ講座です。

「歴史を刻む覚悟を持って、調べを尽くす」
「読者のみなさまの名代として、現場に立つ」

その言葉をどう実践していったか。
きめ細かな取材の流れを紹介します。
どこに着目し、どう取材したか。
新たなファクトをつかみ、それをもとにどう動いていったのか。

手に汗をにぎる展開です。
そして、世界が注目する国際重大事件の主犯格を特定し、世界に先駆けて報道。
その後も、国をまたいだ取材は続きます。
「調べを尽くす」。

「原因究明は、再発防止の原点」との思いで、困難な取材も一歩、一歩重ねていきます。
第二の中村さん、第二の遺児を生まないために。

国際ジャーナリストによる貴重で詳細な報告です。
ぜひ、お聴きください。



他にも、魅力的な講座がたくさんあります。
朝日カルチャーセンター関西4教室(中之島京都くずは川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
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カルチャーの現場から #11 「質問」

2024年04月24日 20時57分23秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。

先日、「中原中也が詠んでいた短歌 -詩人になる前の日々をひもとく-」講座を行いました。
詩人としての基礎を作った、中也の文学黎明期の歌人としての活動を掘り下げる講座です。
中也が詠んだ全116首も、資料としてお配りしました。

中也の歌、ご存じない方もいらっしゃると思います。
2首、ご紹介しますね。

猫を抱き ややに久しく撫でやりぬ すべての自信 滅び行きし日

夏の日は 偉人のごとくはでやかに 今年もきしか 空に大地に



この講座は、山口市にある中原中也記念館から中継しました。
中也の短歌との出会い、歌集まで作った歌人としての活動、歌会での奇行、そして16歳で詩と出会って以降、短歌を発表しなかった理由ーーー。

一通り講義を行った後の質疑の時間。
短歌を発表しなくなった理由部分について、受講生の方からご質問をいただきました。

中也は、短歌から詩に軸を置き変える理由について、「繰り返し」が「容れられる余地」と説明しています。
(その表現方法を「ゆたりゆたり」と呼んでいます)
その説明は中也自身によるものなのですが、いただいたご質問は、「晩年の短歌で『ゆたりゆたり』が実現しているのでは」というものでした。

詩の「ゆたりゆたり」は、みなさんもご存じのこの詩がよくわかります。

汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる

汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の皮裘
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
(略)

晩年の歌を見てみましょう。

小田の水 沈む夕陽にきららめく きららめきつゝ 沈みゆくなり

確かに、「繰り返し」が効果的に使われています。
そこから講座では、さまざまに意見が重なります。
30歳の中也は16歳のときより表現力が高まり、短歌でも「ゆたりゆたり」を用いることができるようになっていた。
もう少し生きていれば、短歌を発表していたかもしれない(残念ながら、その年に中也は亡くなります)ーーーーーー。

「質問は未来を切りひらく」と言いますが、講座でのご質問が、中也研究の新たな道を開いた、といえるそうです。
みなさんの意見を聞きながら、自分も興奮しながら進行していました。
講座はライブ。そう実感します。

その中也の講座を、6月に行うことが決まりました。
今度は、文学少年が詩人になっていく過程を追います。
100年前の中也。京都の中也をひもときます。
講座タイトルは「ノート1924 -100年前の中也の息吹-」です。

当時のノートとして唯一現存する「ノート1924」。
そこに少し丸みを帯びた、伸びやかな字体で記された、中也の生の言葉たち。
100年前の中也の息づかいを感じながら、詩人として羽ばたいていく中也の歩みをお楽しみください。
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カルチャーの現場から #10 「日本の宝」

2024年04月19日 08時31分53秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。
いよいよ週末の日曜日(4/21)に、「いま見ておきたい、知っておきたい日本の宝」講座を行います。

ふだんは公開されていない秘仏秘宝を、期間限定で特別に公開する「京都非公開文化財特別公開」。
唯一無二の文化財を保護・補修するための取り組み。今年で60年になります。

本講座では、次はいつ見ることができるかわからない宝たちの物語を一挙ご紹介します。
その投影資料が届きました。



美しさに、見とれてしまいました。
この春の特別公開は15寺社。
それぞれが大切に守ってきた寺宝、社宝で、それぞれに物語がありました。
日本の歴史と、美の伝統を実感します。

京都非公開文化財特別公開では、「創祀1200年 浦嶋神社の社宝 -書紀が記した浦嶋伝承-」講座も行います(5/22)。

日本書紀に遺された浦島太郎と乙姫の物語はどんな内容だったのか。
そして社宝の玉手箱(亀甲紋玉櫛笥)は、どんなかたちをしているのか。
千年の時を超えた歴史ロマン。
こちらもとても楽しみな講座です。

京都非公開文化財特別公開にお越しになる方も、お越しになれない方も、これらの希少な宝たちの物語をぜひ、ご堪能ください。

他にも、魅力的な講座がたくさんあります。
朝日カルチャーセンター関西4教室(中之島京都くずは川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
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