こんにちは!中之島教室「週末に楽しむ絵画」教室の石橋先生から、関西水彩画会の
ご報告をいただきました早速ご紹介します
関西水彩画会といえば、高度な写実中心の絵が主体ですが、現代アートを掲げる
「週末に楽しむ絵画」教室から6名の方が出品。
そこで全員が受賞並びに賞候補と賞絡みの快挙を成し遂げました
絵は、ある光景をトリミングして、そこに想いを盛り込み、想いを託していきます。
その構え方にはいろいろあります。私たちの場合は、絵の中に開拓力を持つこと、
時代に対する問題意識をもつことを重点に、その基本を自分の視点に求めます。
どういう視点で時代やテーマを見るか、これがコアとなって問題を切り取り、
絵を構成し組み立ていくからです。
そうすれば必ず存在感のある絵になります。こうした努力がいままさに花開こうとしています。
皆さんの作品は以下の通りです。
会員 天野紀美恵さん 刻 (P100号)
授業の一環として街中抽象を求めて京橋・OBPへとカメラウオッチングしました。
すぐに見つけたのがこのマンションの側壁。ガスメーターや配管が日々の
幸せメロディを奏でています。トリミングして整理すると、澄ましてよそ行きの表情に。
そこで子供が落書きを入れました。するとどうでしょう。
あの賑やかなメロディが再び聞こえ始めたのです。
こうした日常生活の中にある抽象の美とすぐ手元にある
素朴な美の組み合わせの妙に楽しさを見つけ、提案しました。
会員 飯田哲子さん 刻は流れて(S100号変)
瀬戸内海に浮かぶ犬島、そこには遠く明治時代に建造された銅精錬所跡があります。
間もなく大正時代に閉鎖、その後、再稼働されないまま当時の姿で残されて、
今はユニークな美術館として新しい役割を担っています。
工場部分は古いレンガの塊。しかし、石畳の石は稼働期間が短かったせいか
擦り減らぬまま。よく見るとそこにはかつての工場群を映し出しているようです。
何か壇ノ浦に消えた平家物語の一節が口ずさまれるようです。
会員 市川順子さん 刻(F100号) 会員努力賞
先日、人口知能がプロ棋士を破ったという報道と、人工知能が書いた小説が星新一賞一次選考を
通ったという報道がありました。
かように半導体のキャパは確実にスピードアップし、人口知能が人間の脳を
越える時代が近づいています。
マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏など、多くの人たちは、ワンダフルと手放しで称讃する
うちはいいが、やがて人口知能にすべて任せ、人間の知能や思考の停止という問題に
直面することになりかねないと、強く警告を発しています。
こうした文明社会のありようを問いかけた作品です。
ちなみに、同様の作品で昨年の全関西美術展で第2席を受賞され、同展の審査に当たられた
関西水彩画会の先生からこの関水展表彰式において顕彰されましたこと、付記します。
会員 井上京子さん 想(ダフネ) (P100号)
愛の神エロースから「相手を恋する金の矢」を射られたアポロン、「求愛を疎む鉛の矢」を
射られたダフネ。
西欧ではこのギリシャ神話は絵画や彫刻の恰好の題材として取り上げられてきました。
絵はアポロンに応えることができず、「せめて私の聖樹に」と願うアポロンの気持ちに添い、
月桂樹に変身していくダフネ。バックはあの阪神淡路大震災で瓦解したアポロン石膏像の破片です。
ボロボロになってもなお、追いかけたい思いとダフネの苦しみを昇華させていく想いに赤い花を添えました。
一般 津村康予さん 想う1(M100号変) 大阪市長賞
新聞紙2枚を合わせた大きさで描く等身大の女性像が大好きで、前を向いて逞しく生きる
女性の表現には・・・と、いろいろと研究を重ねてきました。
当たり前のバックでは難しいと、ラッカーうすめ液で広告をこすり、溶け出したインクで
面白く造形し、そのコピーを貼ったのが右の赤い裸婦。左は昨年、京都で開催された
W・ケントリッジの辞書に描かれたドローイングに刺激を受けて辞書ならぬ新聞紙に
上から白をぶっかけたものに描きました。用紙を床に置いての描きっぷりは力強く見事なものです。
会友 三浦 繁さん ジオラマ(F100号) 会友努力賞
このジオラマというタイトルは作り物の意。
制作の意図は「昼は顔をそむけるような汚い川面が、夕闇・夜の訪れとともに一変して美しいネオンに
彩られた川面に豹変する。一過性の日常であるにも拘らず時間の経過とともに現実としての錯覚、重みを
日常的に映しこんで行く」と・・・。
道頓堀の川面に昼夜繰り返されるうわべだけの街の華やぎをマグリットのゴルコンダに倣って
描いたとのこと。
ゴルコンダは無数の男性が山高帽といった同じスタイルで宙に浮いている絵ですが、
ここでは道頓堀の代名詞・グリコ1粒100m。このディペイズマン描法は、
栄光の歴史を刻み映してきた川面の悲壮な叫びを強烈にあらわしています。
プロムナードを歩く二人。絵が大きく立ち上がって来たようです。
同展は大阪市立美術館で、3月16日(水)~21日(月)まで開催されました。
(文責:石橋新司)
「週末に楽しむ絵画」教室は毎週金曜18時から開催!
石橋先生の指導のもと、クラスの仲間で切磋琢磨し、独創的な作品を創りあげていく講座です。
数々の展覧会で入選・受賞されている受講者も
見学もできますので、お気軽にお問い合わせください
中之島教室 06-6222-5222
インターネットからのお申し込みはこちら(クレジット決済のみです)
ご報告をいただきました早速ご紹介します
関西水彩画会といえば、高度な写実中心の絵が主体ですが、現代アートを掲げる
「週末に楽しむ絵画」教室から6名の方が出品。
そこで全員が受賞並びに賞候補と賞絡みの快挙を成し遂げました
絵は、ある光景をトリミングして、そこに想いを盛り込み、想いを託していきます。
その構え方にはいろいろあります。私たちの場合は、絵の中に開拓力を持つこと、
時代に対する問題意識をもつことを重点に、その基本を自分の視点に求めます。
どういう視点で時代やテーマを見るか、これがコアとなって問題を切り取り、
絵を構成し組み立ていくからです。
そうすれば必ず存在感のある絵になります。こうした努力がいままさに花開こうとしています。
皆さんの作品は以下の通りです。
会員 天野紀美恵さん 刻 (P100号)
授業の一環として街中抽象を求めて京橋・OBPへとカメラウオッチングしました。
すぐに見つけたのがこのマンションの側壁。ガスメーターや配管が日々の
幸せメロディを奏でています。トリミングして整理すると、澄ましてよそ行きの表情に。
そこで子供が落書きを入れました。するとどうでしょう。
あの賑やかなメロディが再び聞こえ始めたのです。
こうした日常生活の中にある抽象の美とすぐ手元にある
素朴な美の組み合わせの妙に楽しさを見つけ、提案しました。
会員 飯田哲子さん 刻は流れて(S100号変)
瀬戸内海に浮かぶ犬島、そこには遠く明治時代に建造された銅精錬所跡があります。
間もなく大正時代に閉鎖、その後、再稼働されないまま当時の姿で残されて、
今はユニークな美術館として新しい役割を担っています。
工場部分は古いレンガの塊。しかし、石畳の石は稼働期間が短かったせいか
擦り減らぬまま。よく見るとそこにはかつての工場群を映し出しているようです。
何か壇ノ浦に消えた平家物語の一節が口ずさまれるようです。
会員 市川順子さん 刻(F100号) 会員努力賞
先日、人口知能がプロ棋士を破ったという報道と、人工知能が書いた小説が星新一賞一次選考を
通ったという報道がありました。
かように半導体のキャパは確実にスピードアップし、人口知能が人間の脳を
越える時代が近づいています。
マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏など、多くの人たちは、ワンダフルと手放しで称讃する
うちはいいが、やがて人口知能にすべて任せ、人間の知能や思考の停止という問題に
直面することになりかねないと、強く警告を発しています。
こうした文明社会のありようを問いかけた作品です。
ちなみに、同様の作品で昨年の全関西美術展で第2席を受賞され、同展の審査に当たられた
関西水彩画会の先生からこの関水展表彰式において顕彰されましたこと、付記します。
会員 井上京子さん 想(ダフネ) (P100号)
愛の神エロースから「相手を恋する金の矢」を射られたアポロン、「求愛を疎む鉛の矢」を
射られたダフネ。
西欧ではこのギリシャ神話は絵画や彫刻の恰好の題材として取り上げられてきました。
絵はアポロンに応えることができず、「せめて私の聖樹に」と願うアポロンの気持ちに添い、
月桂樹に変身していくダフネ。バックはあの阪神淡路大震災で瓦解したアポロン石膏像の破片です。
ボロボロになってもなお、追いかけたい思いとダフネの苦しみを昇華させていく想いに赤い花を添えました。
一般 津村康予さん 想う1(M100号変) 大阪市長賞
新聞紙2枚を合わせた大きさで描く等身大の女性像が大好きで、前を向いて逞しく生きる
女性の表現には・・・と、いろいろと研究を重ねてきました。
当たり前のバックでは難しいと、ラッカーうすめ液で広告をこすり、溶け出したインクで
面白く造形し、そのコピーを貼ったのが右の赤い裸婦。左は昨年、京都で開催された
W・ケントリッジの辞書に描かれたドローイングに刺激を受けて辞書ならぬ新聞紙に
上から白をぶっかけたものに描きました。用紙を床に置いての描きっぷりは力強く見事なものです。
会友 三浦 繁さん ジオラマ(F100号) 会友努力賞
このジオラマというタイトルは作り物の意。
制作の意図は「昼は顔をそむけるような汚い川面が、夕闇・夜の訪れとともに一変して美しいネオンに
彩られた川面に豹変する。一過性の日常であるにも拘らず時間の経過とともに現実としての錯覚、重みを
日常的に映しこんで行く」と・・・。
道頓堀の川面に昼夜繰り返されるうわべだけの街の華やぎをマグリットのゴルコンダに倣って
描いたとのこと。
ゴルコンダは無数の男性が山高帽といった同じスタイルで宙に浮いている絵ですが、
ここでは道頓堀の代名詞・グリコ1粒100m。このディペイズマン描法は、
栄光の歴史を刻み映してきた川面の悲壮な叫びを強烈にあらわしています。
プロムナードを歩く二人。絵が大きく立ち上がって来たようです。
同展は大阪市立美術館で、3月16日(水)~21日(月)まで開催されました。
(文責:石橋新司)
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