歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

デ・ラビリント『ジョスカン_ミサ・パンジェ・リングァ』

2009年12月21日 | CD ジョスカン
Josquin
- Circumdederunt me -
Missa Pange lingua
Stabat Mater
De Labyrintho
Walter Testolin
CD EL 052317

2001年録音。66分16秒。E Lucevan Le Stelle。『ミサ・パンジェ・リングァ』のほか、ジョスカンのモテット〈神がこの世を愛したまいしごとくSic Deus dilexit mundum〉〈御顔を覆われた方Qui velarus facie fuisti〉〈輝ける天が命じたHuc me sydero〉〈めでたし、まことの御体Ave verum〉〈悲しみの聖母Stabat mater〉〈水のニンフNimphes nappés〉を収録。

『ミサ・パンジェ・リングァ』はタリス・スコラーズ、マルセル・ペレス、ア・セイ・ボーチと聴いてきたからこれが4枚目になります。それぞれにいいところがあって、極めて高いレベルで競い合っている。けっこうなことですよ。

デ・ラビリントは上から2・3・3・3。ここのソプラノってこんな声だったかしらん。女の子みたいなあどけない声なんですよ。天使が地声で?歌ってる感じ。いや下手くそって意味ぢゃないです。ちょっと舌足らずなんぢゃないかと思う箇所はあるけど声楽のテクニックは問題ない。その個性的なソプラノと下3声が華やかに釣り合っている。

『ミサ・パンジェ・リングァ』はもちろん全曲、はじめからおしまいまでいいんですが、個人的にはBenedictusでテナーとバスの2声で歌うところがとても好きです。あれを歌ったことのある人なら分かってくれると思う。たった2声であんなに充実した音楽になっちゃう不思議。

〈Stabat mater〉はこの前ヘレベッヘのを聴いたばかりですが、ヘレベッヘのがファン・アイクふうのジョスカンなのに対してこのデ・ラビリントのはボッティチェリふう。終わり近くの変拍子のところも、よりドラマティックに音楽が揺れる。

このCDも買ってすぐ聴いたときは今ひとつな気がしたけど、久しぶりに取り出して聴いたら思いのほかの名演だった。ただ録音は残響多すぎなんぢゃないかと思います。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿