歌わない時間

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マロン『シャルパンティエ_ノエルとクリスマス・モテット』

2009年12月19日 | CD バロック
Marc-Antoine Charpentier
Noël and Christmas Motets
Aradia Ensemble
Kevin Mallon
8.554514

1999年録音。70分09秒。NAXOS。カナダのアンサンブルによるマルカントワーヌ・シャルパンティエ。すでに高い評価を得ているCDですが、やっぱいいですよーこれは。冒頭、ソプラノのソロが無伴奏で、3拍子の素朴をきわめたノエルを歌い出す。ここからもう引き込まれる。シャルパンティエをはじめて聴く人に特にお勧め。マロン指揮アラディア・アンサンブルの演奏は清新ですがすがしく、くりかえし聴き込むに足る演奏。

『真夜中のミサ』H.9からのノエル"A minuit fut fait un réveil"から始まって、器楽によるノエルを織り込みながら、小振りな編成によるクリスマスの歌がつぎつぎと歌われていく。独唱があったり、器楽合奏があったり、オルガン独奏をしみじみ聴かせてくれたりもして、けっこう多彩。最後に、これこそシャルパンティエの美質そのもの、みたいななんとも愛らしいオラトリオ《In nativitatem Domini Nostri Jesu Christi》H.414が情感たっぷりに歌われる。H.414はクリスティのもあって、それはわたしが最初に買ったシャルパンティエだったんですが、このアラディア・アンサンブルのもクリスマスの澄みきった喜びに満ちています。クリスティのシャルパンティエを聞き慣れた耳には、もうすこしコクがあれば、とも思うけど、しかしこれはこれで立派です。

編成はごく内輪なもので、合唱は4・4・3・2でこの中からソロも出て歌います。vnが2、va・vc・violoneが各1、それにオルガン、リコーダー2、そしてパーカッションが1。指揮のケビン・マロンはバイオリンを弾きながら。

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