歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ア・セイ・ボーチ『ジョスカン/ミサ・パンジェ・リングァ』

2009年02月19日 | CD ジョスカン
Josquin Desprez
Missa Pange Lingua & Motets
Maîtrise des Pays de Loire
A Sei Voci
Bernard Fabre-Garrus
E 8639

1999年録音。69分22秒。ASTRÉE/naïve。ア・セイ・ボーチがロワール県のchoir-school(合唱学校?)の生徒たちと協演した《ミサ・パンジェ・リングァ》。合唱技術の粋を尽くしたタリス・スコラーズ、また鮮鋭な声が個性的なペレス指揮のもの、それぞれ聞き逃せませんが、このア・セイ・ボーチのものはより日常的な雰囲気のなかにジョスカンの音の世界を淡い色合いで描き出そうとしています。パステル・カラーのジョスカン。

とにかく旋律線がやわらかい。タリス・スコラーズのもペレスのも音がくっきりしすぎていて耳が疲れるようなところあるでしょ。ここにはそれがありません。ほんとに聴きやすい。そして聴きやすいだけぢゃなくて、CD1枚聴き終わると、ああいいジョスカンだったなあとちゃんと満足させてくれる。これは素晴らしいことですよ。

若い子たちを使っているとはいえ、イギリスの聖歌隊の演奏にままあるような甘さはまったく感じさせません。むしろこのCDは、若い声のソプラノが演奏全体を良いほうにリードしているように思えます。実を言いますと、テナー、バスのパートで、ちょっと不用意なナマな発声の箇所がほんの少しあって、合唱歌いにとってはそっちのほうが気になります。

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