歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

タリス・スコラーズ『ジョスカン_ミサ・デ・ベアタ・ビルジネ/ミサ・アベ・マリス・ステッラ』

2013年05月31日 | CD ジョスカン
Josquin
Missa De beata virgine
Missa Ave maris stella
The Tallis Scholars
Peter Phillips
CDGIM 044

2011年録音。75分53秒。Gimell。タリス・スコラーズによる5枚目のジョスカン。いつものようにピュアで無色透明。全曲、たゆみのないしっかりとした歌唱で歌い切ってます。でもタリス・スコラーズのジョスカンてことで勢い込んで聴くと、肩透かしにあうかもよ。ひと言で言ってしまえば「ふつうに巧い演奏」。

すっきりと端正ではあって、これから両曲を初めて聴く人にはいいかもしれない。しかしこんなに聴きやすくていいんだろうか。よくも悪くも聴き手を圧倒したあの、『ミサ・パンジェ・リングァ』のタリス・スコラーズにしては、ちょっとおとなしすぎるんぢゃないかしらん。彼らのジョスカンも一作ごとに変化を見せつつ今日に到ったとはいえ、彼らならではの、もっと訴えかけの強いジョスカンを聴かせてほしかった。正直、わたしはちょっと拍子抜けしました。

メンバーは以前とは様変わりしています。見覚えのある名前はジャネット・コックスウェルJanet Coxwell、キャロライン・トレバーCaroline Trevor、ドナルド・グレイグDonald Greig、スティーブン・チャールズワースStephen Charlesworthくらい。しかしグループとしての声質の変化は、(わたしにとっては)特に言い立てるほどではありませんでした。相変わらず、あんな調子です。

何しろ無色透明な演奏なので、合唱団の音取りには最適。この2曲はア・セイ・ボーチの録音もあるので、聴き比べたい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿