歌わない時間

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PHILIPSと古楽

2013年11月25日 | 音楽について
しかしわたしにとってのPHILIPSというと、なんといってもCDの会社なのでした。なにしろわたしが初めて買ったCDが、PHILIPSの、例の赤いラインの入った、ガーディナーの『メサイア』だったのですからね。まさかPHILIPSというレーベルそのものがこの世から消滅しちゃおうとは、思いもよりませんでした。

今にして思うと、クラシックの大レーベルとしては、PHILIPSは古楽にはそう積極的ではありませんでしたね。ガーディナーはいたけど、よそのレーベルとの掛け持ちだったもんね。PHILIPS専属の古楽の人というと、ブリュッヘン&18世紀オーケストラくらい? ああ、レオンハルトも晩年、PHILIPSにいましたけどね。

でもなにしろわたしはガーディナーの『メサイア』という強烈な出会い方をしたもので、PHILIPSへの好感度は高かったです。その後ガーディナーがPHILIPSからリリースしたヘンデルは結局ぜんぶ聴いたですよ。ガーディナーとカークビー唯一の協演盤(『バッハ_カンタータ第51番』)もPHILIPSで、これも、いまだに愛聴しています。

そういえばタリス・スコラーズの録音に、PHILIPSのプロデューサーや技術者がかんでいたんでしたよね。そのタリス・スコラーズの指揮者もフィリップスだけど、要注意。綴りが違うのよ。家電や音楽の会社だったフィリップスは「PHILIPS」。「P-H-I-L-I-P-S」。いっぽう、タリス・スコラーズの指揮者のピーター・フィリップスは、「Peter PHILLIPS」。「P-H-I-L-L-I-P-S」。「L」が重なっています。ピーター・フィリップスは、「L」が一つ足りないメールをしょっちゅう送りつけられて、うんざりしていることだろう。かわいそうになあ。

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