歌わない時間

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マーロウ『パーセル/王立礼拝堂のためのアンセム集』

2008年05月18日 | CD パーセル
Purcell
Anthems for the Chapel Royal
Choir of Trinity College, Cambridge
Richard Marlow
74321 16849 2

1987年録音。62分37秒。CONIFER CLASSICS。パーセルのアンセム。なによりもこのCDは雰囲気がいいですよ。パブリック・スクールの礼拝堂で歌われる本場もんのパーセル、って感じです。ただし技術的にはちょっと詰めが甘いかなと思うところもあります。初っぱな、バスのパートソロから始まるんですが、いきなり音がバラけそうで先行き不安を感じさせられる。でも技術的にハッキリ「こらまづいやろ」と思わせられるのはそこくらい。あとはもう雰囲気のよさで最後まで聴き通してしまいます。はじめのところだけ録り直しゃよかったのに。

バース・アンセムも歌っているのでところどころboySやboyAのソロがあるんですが、そこも力まずふわりと歌えています。テクニックの面でも指揮者の解釈の面でも取り立ててどこがどうすごいとか言うべきことはないんですが、パーセルを日ごろから歌い慣れてるんだろうなあというのはひしひしと伝わってきますね。そしてなんといいますかね、自国のすぐれた作曲家であるパーセルに対する心からの敬愛というか、そんなものも聴き取れる気がします。

今からだいたい20年くらい前に買いました。外付けで日本語解説の冊子がつけられた国内盤仕様のものを買ったような憶えがうっすらあるんですけど、今わたしの手もとには日本語解説はないです。なんども引越ししたんで、どっか行っちゃったんでしょう。20年前というと、まだインターネットでCDが買えるような時代ぢゃなかったです。当時わたしは広島にいて、パルコの上のタワーや紙屋町のHMVに行ってもパーセルのCDは少なかったです。"Man that is born of a woman"のCDがずっとほしくて、でもガーディナーのは入手しがたい状況で、そこにこれが出て、「ほんとは少年合唱はそんなに好きぢゃないんだが、仕方ねえなあ」などと思いながら買ったんだろうと思います。

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