歌わない時間

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ヘレベッヘ『パーセル_メアリー女王の葬送音楽』

2011年05月03日 | CD パーセル
Henry Purcell
FUNERAL SENTENCES
Bonner, Kwella, Wessel, Agnew, Kendall, Kooy
Collegium Vocale
Philippe Herreweghe
HMC 901462

1993年録音。67分41秒。HMF。全体に華やかなところは華やかさをたもちつつ、たおやかな手つきで入念に仕上げられたパーセルになっています。ベルギーの合唱団なので英語の発音がどうなのか、それだけが懸念要素だった。じっさいに聴いてみると英語の発音も難はありません。

1〈Rejoice in the Lord always〉Z.49
2〈Remember not, Lord, our offences〉Z.50
3〈Blow up the trumpet in Sion〉Z.10
4〈Hear my prayer, O Lord〉Z.15
5〈My heart is inditing〉Z.30
6〈Funeral Sentences〉(Z.860, 27, 17, 58c)
7〈O Lord God of hosts〉Z.37
8〈Te Deum〉Z.232

このうち、1、2、4、5がシャンティクリア盤と競合。1、2については、シャンティクリア盤でも冒頭にこの順序で収録されています。また2、3、4、6がオックスフォード・カメラータと競合。

とても軽い響きの音づくりで、ところどころ軽すぎる、とも思いますが──たとえば〈Rejoice in the Lord always〉や〈Blow up the trumpet in Sion〉のはじめのほう──、反面、その〈Blow up the trumpet in Sion〉の終結部や〈Hear my prayer, O Lord〉での精緻繊細さは特筆すべきで、やはり、ほかでは聴けないパーセルだと申せましょう。〈Funeral Sentences〉はガーディナーをはじめとしていろんな指揮者のものを聴きましたが、この曲もヘレベッヘの指揮は独特。表情のつけかたが濃いわけではなくむしろ薄塗りなのに、この指揮者ならではと感じられるていねいな音づくりがいかにもパーセルにふさわしい。

最後に〈Te Deum〉を収録していますが〈Jubilate〉を欠くのはやはり残念。ヘレベッヘの判断で削ったのかしら。

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