歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ラ・ベネシアーナ『モンテベルディ/マドリガーレ集第6巻』

2008年05月10日 | CD モンテベルディ
Monteverdi
Sesto Libro dei Madrigali - 1614
La Venexiana
Claudio Cavina
GCD 920926

2004年録音。71分47秒。GLOSSA。しなやかで正攻法。堂々としていて、かつニュアンスに富んでいる。聴きごたえのあるいい演奏だと思います。歌のメンバーは、Rossana Bertimi、Nadia Ragni、Angela Bucci、Claudio Cavina、Giuseppe Maletto、Sandro Naglia、Daniele Carnovich。

わたしモンテベルディのマドリガーレもかなりの数のCD持ってるんですよ。ルーリー&コンソート・オブ・ミュージックのはほとんどあるし、アレッサンドリーニ&コンチェルト・イタリアーノ、カビーナ&ラ・ベネシアーナのも、リリースされたものすべてではないけれどそれぞれかなり揃えてます。さらに第8巻の全曲盤に関しては、ルーリー、アレッサンドリーニ、カビーナの3種に加えてヤーコプスのも買っちゃった。このなかで、カビーナ&ラ・ベネシアーナはついにマドリガーレ全集を完結させたそうですよ。しかしカビーナのは第8巻がいま一つ決定打に欠けるものだったんで、わたしとしてはこのカビーナの全集が出てもそれで一件落着、って感じはないなあ。モンテベルディのマドリガーレの世界というのはじつに豊かな実りの園なので、ひとりの指揮者ないし団体ではすべてを表現し尽くせないんだ、と思うことにしましょ。

で、この第6巻のCDですが、歌ごころとアンサンブルの技術とが高いレベルで一体となっている。こういうのは聴いていてあこがれてしまいますね。「ああこんなふうに歌いたいっ」っていう。第6巻はいよいよバロック様式に本格的に足を踏み入れたマドリガーレ集で、後半のところどころ、独唱や2声部3声部の重唱が入ってきます。アンサンブル力のみならず個々の歌い手の声そのものの魅力が問われるわけですが、そこはそれ、今のイタリア古楽を代表する歌い手たちが集まってるわけで、みごとな美声で歌いあげてくれます。

冒頭の「アリアンナの嘆き」もいいですが、個人的に、後半の「哀れなアルチェオ」がまたいいなあ。昔、わたしが初めて聞いたモンテベルディのマドリガーレがたしかこの「哀れなアルチェオ」で、コルボの指揮だったんですよ。それをFMで聴きました。コルボから何世代かを経て、モンテベルディのマドリガーレ演奏はここまで来た。(いやまあコルボはいまだに現役で、それはそれでスゴいことですが…。)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿