歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

阿修羅と松林図

2010年08月25日 | メモいろいろ
ゆうべのラジオ深夜便一時台の、山下裕二さんと石澤典夫さんの話が面白かった。山下裕二さんは美術史の研究者で室町美術が専門。以前から名前は知ってる人だけどこの人の本を買って読んだことはまだない。石澤さんが司会をしていたころに日曜美術館に山下さんが出演した縁があるようでした。石澤さんは展覧会で山下さんをよく見かけるそうで、それはつまり石澤さんもプロの山下さんなみに展覧会に行ってるってことだよな。すごいな。

日本美術にも世間の関心が向くようになって、最近では興福寺の阿修羅像とか等伯の松林図屏風とかが大都市で展覧会に出ると、三十分とか一時間とか列を作って待たないと見られないくらいだそうですね。これはちょっといきすぎだ、と山下さんは言っていた。そうね。絵は静かなところで見ないとね。山下さんも同様の経験を語っていたけれど、わたしもつい十年ちょっと?前、まだ今みたいに日本美術ブームが過熱する前に、上野の国立博物館(の常設展示)で松林図屏風を見ましたが、ほかには立ちどまる人もほとんどいなくて、じっくり見られました。それから興福寺の阿修羅のほうは@niftyのFSXLTYのオフ会で見たんでしたよ(遠い目)。そりゃ興福寺のほうは観光地なので人は多かったけど、でも阿修羅くんは、オフ会に参加してくれたほかの人たちと静かに話をしながらわりとゆっくり見られたと思うなあ。

ブームで、展覧会にはたくさんの人が来るようになったけれど、でもかんじんの絵を見てる時間よりも案内文解説文が書いてあるボードを見てる時間のほうが長い人が多い、とか。

山下さんは、戦前の日本画家でありアートディレクター?でもあった小村雪岱がいいですよ、と話の最後に語っていた。この雪岱という人のことを、つい先日たまたま見た「なんでも鑑定団」ではじめて知ったところです。

夜中一時過ぎから一時間ちかくの話を聞いて寝たので、今朝起きるのがつらかった。