歌わない時間

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『妖精の女王』とパートリッジ

2009年04月01日 | 音楽について
久しぶりにハリー・クリストファーズの指揮した『妖精の女王』を聴いてすっかり感心しているところです。わたしはこの曲はこの演奏とガーディナーのとアーノンクールのを持ってるんですが、このザ・シクスティーンのがいちばん安心して聴けます。

このクリストファーズ盤にはエインズリーとパートリッジ、テナーのソリストがふたり使われているんですが、パートリッジが歌うのはAct4だけで、あとはぜんぶエインズリーが担当しています。そのAct4もエインズリーとパートリッジがいっしょに歌う曲はないので、つまるところ、全曲エインズリーがひとりで歌ってもよかったんですよ。もしかしたら、Act4を録音していたときにエインズリーが歌えない事情ができて、それでイアン・パートリッジが呼ばれたのかも。というのも、Act4には、一曲、Ct/CtまたはCt/TまたはT/Tで歌う二重唱の曲がありまして、それをこの演奏では合唱団のふたりのテナーに歌わせているんですよ。テナーのソリストをふたり使っておきながら、ここだけ合唱団の人に歌わせているので、ちょっと変だなあと思います。

そのイアン・パートリッジなんですが、この人、1970年にブリテン指揮で録音された『妖精の女王』にも加わっていたそうです。ザ・シクスティーンのは90年代の前半ですから、20年以上前ですわな。そのブリテン盤にはほかにノーマ・バロウズ、ジェームズ・ボウマン、チャールズ・ブレットも参加していたそうですよ。