8/15(土)、ユッキーさんのアラームが4時に鳴り、起床。
すると布団に入ったままのYちゃんが「きょう私行かない。」というではありませんか。
ユッキーさんが「えっ・・・。」と絶句。
思えばきのう室堂から玉殿岩屋、そこから一の越山荘と、
ドンジリをかなり離れて歩いていたので、あれ?やけに遅いなぁーと思っていました。
本人曰く高度障害の症状が出ていたそうで、今朝も頭痛が治まらないというのです。
そして寝不足で富山入りしたのに、翌日登るか登らないか悩みぬいて
ちっとも寝られなかったと。
Yちゃんとは同じユッキーさんガイドの雪山入門ツアーで初めてご一緒しましたが、
その時も2日目の朝、ザックは山小屋に置いて、眺望のいいところまで歩いて、
また戻ってきましょうというのに、
「私、行かないで山小屋で本読んでます。」と、待っていたのでした。
そんな脱力系山ガールのYちゃんが、自らユッキーさんにリクエストして
ツアー企画を通したほど登りたかった立山三山。それを突如断念。
突発的に私とユッキーさんの2人で歩くことになってしまいました。
Yちゃんには申し訳ないですが、気心知れたユッキーさんとマンツーマンとは、なんと贅沢!
結局Yちゃんとは、この日の宿「雷鳥荘」で待ち合わせすることに。
きのう来た道を戻り、室堂からは観光客も歩く遊歩道なので、危険個所はありません。
しばらく一の越山荘でゆっくりしてから向かいますとYちゃん。
そんなYちゃんを残し、2人で出発することにしました。
ちなみに一の越山荘の入口にはこんな注意書きが貼ってありました。
決して無策な置き去りじゃありません。本人合意の上ですからーーー。
一の越山荘を出ると、遠くの山々までよく見えるほど、お天気が回復。
険しい岩場で、いったいどこが登山道?という感じでしたが、
ユッキーさんの後についてゆっくり登って行きます。
途中少し広い平らな場所があったので、一息入れました。
みくりが池や地獄谷から吹き出ているガスまで良く見えました。
そしてみくりが池の下側、ガクッと落ちている断崖がきのう行った玉殿岩屋です。
見上げると、雄山神社社務所が見えました。
いつの間にか、ご来光は既に上っていました。遠くの雲海が美しい。
そして雄山山頂に着きました。
三角点、ありますねぇー。
いやいや、まだ高いところがありますよ。
あの社殿の前に立っている方は・・・。
昨日ユッキーさんが、お祓いがあるので時間があったらやりましょうと。
いつも大勢の参加者をガイドしているので、受けたくてもできなかったそうで・・・。
社務所にお願いすると1人500円でした。
鳥居をくぐり、ゆっくり一番上にある社殿に向かってくださいと言われ、
ザックを社務所前に置き、階段をゆっくり登ります。
するとそこにはお若い神主さんが・・・。
気さくに2ショットにも応じてくださいました。
社殿の前には玉砂利が敷きつめてあり、正座だと痛いので、どんな座り方でも構いませんと。
ユッキーさんと2人で体育座りです。
式典は太鼓で始まり、祝詞を上げ、頭を下げた私達にお祓い棒をサッサとふり、
最後にお神酒をいただきました。
朝早くて頭がよく回ってなかったのか、一気に飲むんですか、分けて飲むんですか?
などとバカなことを聞いてしまいました。
三三九度じゃないのに・・・。
そして杯の中のお神酒は分けるほどの量もないほど少なかったです。
祝詞の中に「よじのぼりたるまめびとがぁー・・・」というくだりがあったので、
終わってから質問すると、
「まめびと」というのは「豆人」ではなく、「まじめな人」という意味だそうです。
そして雄山3,003mの測量地点は社殿前にあるこの岩で測られたそうです。
社殿脇にはちゃんと標識がありました。
皆様、下の社務所で満足してはいけませんよ。ここまで登ってこないと。
お祓いでいただいたお札や鈴をさっそくザックに付けました。
同じような登山者がいたので、このお祓いはなかなか人気のようです。
雄山の次はいよいよお隣の大汝山へ。
振り返ると、お祓いを受けた社殿が小さくなっていました。
大汝山はものの20分で着きました。
山頂標識は左右にお花が描かれ、これも映画「春を背負って」効果でしょうか。
見えてきました!その映画の舞台「大汝休憩所」です。
近付くにつれ、聞こえてくる笛の音は「Let It Be」。
わかり難いのですが、画像左端にいる方が吹いていたのです。
朝食はここで食べる予定でしたので、さっそく中へ。
映画の中ではここが「菫小屋」という山小屋の設定でした。
ちゃんとその看板が置いてありました。
中はガラーンとして、誰もいません。頼もうー!
少ししてようやく小屋番さんが入ってきました。
あらら、なんと笛吹いてた人じゃないですかぁー。いないわけだょ。
メニューには大汝定食やらカレーがあったのですが、ご飯を炊いてないというので
残るメニューは「大汝うどん」しかありません。じゃあそれにしましょと注文。
できあがったうどんはキャベツや切干大根、沢庵などが入っていて一風変わったうどんでした。
壁には「春を背負って」の出演者サイン入りポスターや、撮影風景写真が飾ってありました。
松山ケンイチくんのサイン横には役名の「長嶺亨」と記載あり。
撮影に使用したためか、トイレが新しくメチャきれいでした。
大汝休憩所を後にすると、小屋番さんが壁に布団を干していました。
ここは屋根に干して欲しかった・・・。
映画の中では山小屋で働く蒼井優ちゃんが、屋根の上にたくさんの布団を干すシーンがあるんです。
大汝山の次は富士の折立へ。
映画の中で松山ケンイチくんと蒼井優ちゃんがここの場所いいねぇーと
岩と岩の間から絶景が見えるポイントがあるのですが、それってもしかしてあそこ?
とユッキーさんと登って行きました。
映画の場面と比較すると岩が低過ぎて、どうやらここではないようでしたが、
とりあえず写真に残してきました。
山頂まではまだ登らなくてはいけなかったのですが、なにせ登山道がなく
ルートを見つけるのが大変。
この富士の折立は山頂まで行く登山者はほとんどいませんでした。
みな巻き道を通過するだけなんです。
山頂を見上げると岩場の険しさに怖くなるほどで、ここから巻き道に引き返しました。
富士の折立を下っていると、残雪のクラノスケカールが見えてきました。
お次の真砂岳は「真砂岳」という標識がなかったので、いったいどこが山頂やら?
こんな石碑があったので、多分ここかも?
それにしても「山」って・・・。わかってるっちゅーの!
こちらからも「玉殿岩屋」がある絶壁がよく見えます。
右上にあるのは室堂山荘と立山室堂です。
別山に到着!
目の前には剱岳。
別山前にザックを置いて、北峰まで歩くと、より剱岳が近くなりました。
ユッキーさんはこのツアーの後、プライベートで剱岳のギザギザ「八峰主稜」を登るそうで、間近で見られてよかったぁーと。
さすがです。
別山から下る前に、剱御前小屋の前でお昼休憩。
一の越山荘で作ってもらったお弁当を外でいただきます。
途中Yちゃんからメールが入り、無事雷鳥荘に着いたとのこと。よかったぁー。
剱御前小屋を後にし雷鳥沢へ下ります。
立山にもお花がいっぱい。
エゾシオガマ
ミヤマリンドウ
シロバナタテヤマリンドウ
小高い丘の上に建つ、本日のお宿「雷鳥荘」が見えてきました。
最後にテント場から延々登らないといけません。
下山途中、ユッキーさんが雷鳥を発見。
こんな草むらにいるのによく見つけたものです。
ずっと待っていても、これ以上出てきてくれませんでした。
雷鳥沢のテント場が近付いてきました。
川の水はとてもきれいでした。
あまりに冷たそうで、さすがに足を浸けるのは止めときました。
この橋を渡り、
さあラストの登り、行くよ~~~!
登って登って、やっとこ「雷鳥荘」に着きましたぁー。
Yちゃんとも合流。
喫茶室で新感覚かき氷をいただきました。
氷のサクサク感がなく、モッチリ感がして、私はあんまり好きじゃないなぁー。
ユッキーさんとYちゃんはクリームソーダ。
お部屋は私達以外に女性3人組と同室となり、布団を6枚敷くと結構キツキツでした。
喫茶室のお隣には談話室がありました。
立山信仰なのに、チベット仏教の経典が書かれている祈祷旗、タルチョが飾ってありました。
ここで偶然隣に座った韓国人添乗員さんとおしゃべり。
韓国から15名ほどの登山客がツアーで訪れていました。
添乗員さんはめちゃくちゃ日本語が上手でした。
雷鳥荘は温泉が引いてあり、もちろん体を洗うこともできます。
浴槽前の大きな窓から山々を見たかったのに、すっかりガスってしまい、何も見えず・・・。
夕食はすごく期待していたんですが、1皿1皿のおかずの量も少なく、うーんという感じ。
このところいろんな山小屋に泊まっているので、これくらいじゃあね。
きょうはしょっぱなから驚かされましたが、ユッキーさんがプライベートガイドとなる機会に恵まれました。
Yちゃんは登れなくて残念でしたが、来年は体調万全で、ぜひ今回のコースを歩いて欲しいです。