大佐渡スカイラインを気持ちよく下り、左折して京町通りへ。
通りの真ん中辺りに出て、緩い上り坂を進んで行くと、
目的地の旧相川拘置支所がありました。
蔦が絡まる鉄格子の低い出入口をくぐり、建物の中に入ってみましょう。
内部は無料で一般公開されています。
1972年まで使用され、国の登録有形文化財です。
現存する木造拘置所としては全国的にも珍しいそうで、まず右脇に面会室。
所長室を通り過ぎ、新入り調査という部屋もありました。
長い廊下を進み左に曲がると、そこは居房棟でした。
収容定員18名。
こじんまりとした中、独居房もあり。
こちらは9番の独居房。
3畳ほどの広さに定員1名。
女性や少年が収監されていたそうで、右奥のトイレには衝立、
入口にはカーテンが設置されるなど、他の房と一部設備が変更され配慮したものとなっています。
他の房はトイレが丸見えでしたから。
居房棟手前の入浴場。
通常は左側の浴槽に浸かり、右側の浴槽は上がり湯や洗面のみ。
体を入れることはできなかったそうです。
入浴は1週間に2回、時間は15分間と定められ、手前の脱衣場で職員が監視を行っていたそうです。
この隣に炊事・倉庫棟がありました。
自由見学に訪れている人もちらほら。
少し早いけれど、そろそろお昼にしましょう。
京町通りで行きたいお店を見つけたんです。
坂を下り、狭い路地に入り、あった!
古民家空間 京町亭。
オープンの11時半には少し早いけれど、開いてます!
よかったぁ~。
古民家を改装した店内。
既にお客さんが数組。
お好きな席へどうぞと言われ、窓辺のカウンター席へ。
だって目の前にはこんな素敵な風景が広がっているんですもん。
いいお天気なので海の色が映え、見ているだけで癒されます。
佐渡の魚介ペペロンチーノスパゲッティをオーダー。
窓の向こうは魚介のふるさとの海が。
席の近くに、佐渡金山の当日チケットを提示するとお得なサービスが受けられます!のチラシが。
さっそくチケットを見せ、アンケートを記入。
小さめながら、ミントゼリーが乗ったババロアが出てきました。
チケットを捨てずにいてよかったぁー。
それでは戻るとしますか。
まずはホテルがある街の中心部に向かいましょう。
京町通りは佐渡奉行所と金山を結ぶメインストリート。
町のシンボル「時鐘楼」
「宵乃舞」とは、6月初旬、「相川音頭」で踊り流す、京町通りを象徴するイベントだそうです。
既にぼんぼりが飾られていますが、ちょっと来るのが早かった。
さあ下京町から中京町、上京町へと坂道を上りますよ。
ひたすらまっすぐ上がって行くと、下り階段になっちゃった。
どこかで道を間違えた?
少し戻ったところにいたおじさん2人組に道を尋ねると、丁寧に教えてくれて、無事中山トンネルに着きました。
帰りもトンネル内では広い方の歩道を走り、海岸線に出ました。
行きは気付かなかったけれど「いごねり専門店 早助屋」を見つけました。
きのう釜めしセットに付いてきたあの「いごねり」です。
100年前の味を追求して50年。
ていかろりいしてますか?って全部ひらがなで書いてある。
いごねり屋さんってあるんですねぇー。
いごねりの正体はいったいなんだろう?
きょうのマンホールは色付きです。
きのうと同じ松と菊で、あら、魚がいませんね。
走っていて、コンビニはめったに出てきません。
きのうは1店も見つけられませんでしたが、きょうはこちらが2店目のローソン。
佐渡島のコンビニはローソンしかないようです。
そしてそのローソンの看板の色なんですが、青は青でも紺なのよ。
これがすごく違和感で、・・・ってワタスだけ?
家の近所のローソンは、も少し水色っぽい青なんだよな。
ちょっと画像じゃわかり難いかもしれませんが。
どうやら景観を守るために色を変更したそうなんです。
でもこちらのローソン、中心部の車がバンバン通るメイン通りにあり、
景観も何もないだろうというエリアでしたけど。
これから佐渡島を訪れる方、どこにでもすぐコンビニがあると思ったら大間違いですぞ。
ホテル前まで戻ってきました。
ここから車が少ない田んぼの中の「朱鷺の道」へ。
農耕車優先ですか。
ここを通ろうと決めていたので、おとといホテルまで送っていただいたタクシードライバーさんに
田んぼアートは今何かやってますかね?と聞いたところ、田植えしたばかりで、まだ伸びてないからねと。
確かに。・・・バカな質問しちゃいました。
見頃は7月上旬から下旬にかけてだそうで、今年も絵が浮き上がってくる予定。
おととい縦走した山並みがバッチリ見えています。
きょうも絶好の登山日和ですね。
朱鷺の道から徐々に北に向かい、ついに加茂湖の南端へ。
山から見下ろしていたあの加茂湖にやってきましたよ。
湖岸にはサイクリングロードが整備されているというので、最後にここを走りたかったんです。
周囲約17kmにおよぶ新潟県最大の湖の東側半分を走ります。
元来は淡水でしたが、明治期に湖水の氾濫を防ぐために開削し、海とつながり汽水湖となったそうです。
汽水湖って言葉、初めて知りました。
海水と淡水が混じり合っている湖沼のことですか。
もうあと少しでゴールなので、湖岸のガードレールに三脚を巻き付け、自撮りしてみました。
正確には飛び乗ったところでシャッターが切れちゃいましたが。
あら、こんな舟屋が湖岸に並んでいます。
これはいったい?
もう少し先にあったのがこちら。
牡蠣殻の山。
調べてみると、昭和7年からカキの養殖が始まったそうな。
湖岸のお家は牡蠣小屋でした。
汽水湖という利点で1年で食べられる大きさになるそうです。
海洋に比べ比較的安定した自然環境であるということ。
山からの栄養分豊富な川水が流れ込むこと。
プランクトンが多い海水が混ざり合うこと。
これらのおかげで牡蠣がすくすく成長するんだそうです。
佐渡島の牡蠣シーズンは10月下旬から5月のGW付近まで。
あちゃー、わずかに来るのが遅かった・・・。
特に水温が低い1月後半~3月が最も美味しい時期だそうな。
牡蠣大好きなので、また訪れる機会があるならその時期を狙いたいですね。
道なりに進むとサイクリングロードが途切れ、車道に出ました。
そのまま走るとゴールの両津港に着きました。
行きも撮影したおけさ人形。
ちょうどロードバイクの男性が駐輪していたので、記念に撮ってもらいました。
もうちょっと脇をしめればよかったな。
山も自転車もがんばりました!
もしかしたら1本早いジェットホイルに乗れる?とターミナルに行くも満席で残念。
初日にお昼を食べた「maSanicoffee」でひと息入れましょう。
アイスコーヒーとバニラアイスを注文。
わぁ、アイスにトキクッキーが乗ってます。
そういえば天然のトキも見られなかったし、トキの森公園にも行きませんでした。
両津港近くのSADO OUTDOOR BASEまで走り、レンタル自転車を返却。
届いていたザックに全ての荷物を納め、重いザックを担ぎます。
念願の縦走もお天気に恵まれ、自転車では多くの観光スポットを回ることができました。
お世話になった佐渡生まれ佐渡育ちのスタッフIさんに、満喫できました!とお礼。
それでは両津港ターミナルに向かいましょう。
時間はたっぷりあるので、土産物屋さんをくまなくチェック。
奥の方に利き酒コーナーがありました。
さっそく500円でお猪口を購入。
専用のコイン3枚が付いてきて、この中から好きな日本酒を3杯飲めます。
まずはエールフランス ビジネスクラスで提供されている真野鶴 大吟醸。
専用コインを入れ、サーバーの下にお猪口をセット。
ボタンを押して、注ぎ終わるのを待ちます。
うーん、思ったほどワタス好みでなないな。
次に北雪純米大吟醸 NOBU TK40、北雪純米大吟醸 越端麗と3種をチョイス。
ほぼ30mlでしたが、高いお酒は20ml。
ワタスの3杯は全て少ない方の20mlでした。
強いて言うなら北雪純米大吟醸 NOBU TK40がいいかな。
帰った後のひとり打上げ用に小瓶を買っちゃいました。
そしてお隣の土産物屋で「いごねり」発見!
いごねりの素が売ってるじゃありませんか。
ホテルで食べたあのいごねりの正体がようやくわかりましたよ。
このいご草という海藻を煮溶かし、よく練ったものを冷やして固め、きしめん状に切り完成。
醤油をかけて食べるのが一般的とのことで、ワタスの食べ方は正解でした。
最後に謎が解けてよかった。
ターミナルに行くと、トキが迎えてくれました。
本物には会えなかったけど、キミで満足さ。
帰りは時間の関係で16:05発のカーフェリーにしました。
行きのジェットホイルよりずっと大きいおけさ丸。
こういうエントランスホールを見ると昔よく行っていた小笠原を思い出しました。
お盆の時期に似たようなおがさわら丸に乗り、3年連続でスキューバダイビングに行ってましたっけ。
2等席はジュータン敷きの大部屋なので、下から2番目の1等イス席にしてみました。
これも行きと同じ、さどまる倶楽部の割引で5,150円が4,810円に。
甲板で船の出航を知らせるドラの実演と体験を行いますとアナウンス。
さっそく行ってみました。
スタッフがドラを鳴らした後、回りで見ていた乗客も体験できたのに誰一人やらず。
思い切ってやっとけばよかったかなぁ。
船はみるみるうちに両津港を離れ、後ろには大パノラマの縦走路が見えました。
おけさ丸の周りにはカモメがたくさん。
ごめんね、エサがないのよ。
かなり近くまで来たカモメと左には金北山。
1日は雨に降られたとはいえ、充実した3泊4日の旅でした。
船内に戻り、ターミナルで買ったフルーツティーとフルーツサンドで遅めのおやつ。
TVでやっていたお相撲には興味がないのよね。
そのうちに部屋中に響く大爆音のイビキが始まり、これじゃとっても寝られない。
しかたなく船内散策にでました。
ステージと1階席・2階席があるイベントプラザ。
こんなところがあるなら、一番安い2等席にしてここに逃げればよかった。
たかだか2時間30分ですからね。
廊下にはこんなポスターが。
きょう行ったあの北沢浮遊選鉱場がライトアップですか。
それでなくても魅力的な場所なのに、また雰囲気が違う映えスポットになりますね。
18:35に新潟港に着き、待っていたバスに乗り新潟駅へ。
新潟駅発19:42の新幹線とき346号で帰京しました。
今回計画通りに旅を組むのが大変でした。
船の時間を調べ、そこから接続する新幹線を調べ、島では後続のバス、翌日の下山のバスを予約。
街中の宿は一番安いサイトで予約。
一度予約したドンデン高原ロッジに再度電話してにいがた割を適用してもらったり。
はたまた佐渡トレッキング協議会にトレッキングマップの送付を依頼し、
数日前には登山届を出したり。
そして何ヶ月も前からレンタル自転車の手配です。
このひと月後に行く大分県九重連山ひとり旅も同時進行で計画していたので、
もうなにがなんだかわからなくなり、ひと目でわかる行程表を作り時間を管理。
まあ大変でした。
それだけの思いをして終えた旅は、苦労した分の何倍もの達成感に包まれました。
ツアー代を支払い、集合場所に行けば連れて行ってもらえる旅より、ずっと充実していました。
但し、その分リスクは負わねばなりませんが。
帰宅して両津港ターミナルで買った北雪 NOBU TK40純米大吟醸で乾杯!
佐渡島、いいところでした。
4日間でこれだけ楽しめたら、もう大満足です。