荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

糸瓜忌に墓参する。

2020年09月20日 | 散文

時々小雨の正岡子規葬送の道です。子規庵から大龍寺の途中の踏み切りで遮断機に捕まりました。

 

この天気なので誰も居ません。

 

人間国宝の板谷波山と同じ墓地です。

 

やって来ました。竹薮の下の正岡子規と母と正岡家の墓所です。

 

風が強く吹きます。雨を呼ぶのでしょうか?

 

真ん中に子規が居て、右に母八重、左に正岡家の墓です。正岡家は妹律が養子を取って継ぎました。

 

しゃがんで眺めます。語りかけます。

 

ずっと前に芽生えた小さな花が、コンクリートの割れ目で数を増やしてきました。墓参の人は誰も抜こうとはしなかったようです。供花のように左右に有ります。花の名前は分かりません。

 

左奥に糸瓜と竹薮を配した墓碑があります。

 

「正岡常規又ノ名ハ虎之助又ノ名ハ升又ノ名ハ子規又ノ名ハ獺祭書屋主人又ノ名ハ竹の里人伊豫松山ニ生レ東京根岸ニ住ス父隼太松山藩御馬廻り加番タリ卒ス母大原氏ニ養ハル日本新聞社員タリ明治三十▢年▢月▢日没ス享年三十▢月給四十円」 己の死を見つめ続けた俳人です。

 

再び三つの墓石を眺めます。新しく活けられた花が目を引きます。

 

奥には新しい卒塔婆がありました。118回忌です。

 

竹薮が揺れます。今にも降りそうな空です。

こんな天気なので誰も居ません。

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糸瓜忌/2020年は休庵

2020年09月20日 | 散文

毎年、糸瓜忌は根岸の子規庵を訪問します。

 

えっ!? 門が閉まっています! 途中小雨に降られてもやって来たのに・・・

 

門の戸に貼り紙がありました。そうです、コロナ禍を承知で来ました。いくらコロナ禍でも糸瓜忌は開庵しているだろうと考えていました。ガッカリです。

 

隣のアパートの外階段から眺めますが、成す術はありませんません。

 

隣家の玄関口の壁です。

 

子規の句があります。椎の実と、隣に住む恩人陸羯南の子供の句です。

 

説明書きも貼られています。

 

ちょっと歩きます。この家にも子規の句があります。

 

「垣低し春傘通る春の雨」、「冬こもる人の多さよ上根岸」

 

路地の先に子規庵が見えます。隣りにラブホテル・リオンが在ります。子規庵周辺は有名なラブホテル街です。

 

リオンの前の家にも句があります。

 

「古澤や家居の中に水鶏鳴く」、「蛙鳴く水や上野の台の下」 

 

説明書きも貼られています。正岡子規が住んだ時代の界隈の様子が窺えます。

 

台の上を見ます。ラブホテルのコンクリートの向こうの土手にJRの線路が走っていて、その向こうが上野台地です。

 

子規庵に戻ります。

 

118年前の今日(19日)の11時ころ正岡子規は亡くなりました。

 

今日は子規の机に座って彼を偲びながら、糸瓜棚越しに、鶏頭や曼珠沙華や萩など「ゴテゴテと植し」庭を眺めたかったです。

 

子規は朱い花が好きでした。

命日です。「子規も来て朱花咲きたり糸瓜忌に」 荒川三歩 才能無し!

コメント (6)
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