あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

あの子は 元気です!

2011-06-22 09:46:29 | インポート

震災に関連した新聞記事の中で,その後のことが気がかりだった子どもたちを,紹介する記事がありました。それぞれがそれぞれの環境の中で精いっぱい生きている様子に,安堵した思いと込み上げてくる感動がありました。その中の一人の子を紹介します。

以前の記事には,その子の言葉が見出しのような形で掲載されていました。

  ぱぱへ あわびとか うにとか たことか こんぶとか いろんのをとてね

  ままへ いきているといいね おりがみと あやとりと ほんよんでくれて ありがと

昆 愛海(まなみ)ちゃん(5歳)は,津波で両親と妹が行方不明になり,祖母の幸子さん(63)と二人で宮古市の半島に在る集落の小さな家で暮らしています。震災当日,高台の自宅の庭にいた家族4人は一瞬に黒いうねりにのみ込まれ,愛海ちゃんだけが奇跡的に庭にあった使い古しの刺し網に包まれ,引き潮にも流されませんでした。同居していた幸子さんは,病院に出かけていて助かりました。

愛海(まなみ)ちゃんは,5月から5歳になったのを機に,隣の集落の児童館にバスで通うようになり,今はお弁当づくりのお手伝いをしたり,児童館の出来事を幸子さんに話すのを楽しみにしているそうです。大雨でバスが走らず児童館に行けない時には,幸子さんに寄り添うようにしておもちゃのピアノをひいたり文字の練習をしたりします。幸子さんはもっぱら聞き役で,「パパはまなと一緒で猫舌だったね。ピーマン嫌いだったよね。」「おばぁやん,ママからもらったリボンだよ。」と語りかける言葉に目を細めてうなずくと,愛海ちゃんは喜ぶそうです。

「パパとママとアオ(二つ下の妹の蒼葉<あおば>ちゃん)がいたらなぁ。5人で家にいたのに,2人になったね。」 居間には3人の写真が並ぶが,蒼葉ちゃんだけ裏返されています。「かわいそうで見ていられない」と幸子さん。

幸子さんには,二つの心配があります。

一つは,新聞で紹介されて,全国から手紙や絵本,文房具が届くようになり,感謝しながらも「マナが特別扱いされていいのだろうか」という戸惑い。もう一つは,毎夜「マナを育てていけるんだろうか」という不安に襲われること。でも,毎日添い寝をせがむ愛海ちゃんが,小さな腕をきゅっと首に巻きつける時が,窮屈だが大切な時間になっているとのこと。

今幸子さんは,元気なおばぁやんであるために,愛海ちゃんを見送った後,ひざの治療に出かけているそうです。

愛する家族を失った悲しみ,その悲しみの中に取り残された愛海ちゃんの寂しさを,幸子さん自身も深く感じておられることと思います。

幸子さんにはこれからも元気で,愛海ちゃんの成長をいつもそばで見守っていただけたらと思います。小さな愛海ちゃんにとって抱えきれない寂しさや悲しみを感じる時,一番の支えとなりしっかりと受け止めてくれる最愛の人が,幸子さんなのだと思います。

二人で過ごす日々が,健やかで幸多い穏やかな日々でありますようにと心から祈ります。

妹の蒼葉ちゃんが一日も早く見つかるといいですね。


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