あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

ITの進歩によって失われるもの

2011-12-04 18:37:23 | インポート

夕方のラジオで、ITの進歩によって便利になった反面失われるものもあるのだということを指摘する声を耳にしました。IT企業の社長さんの語る言葉でした。

 ◆ I T ~ コンピュータやデータ通信に関する技術を総称的に表す語

本来ITは、人間にゆとりある時間を生みだすために、発達してきたものだ。求める情報を速く的確に獲得することで、それに要する時間を短縮することができる。そしてそこで生まれた余剰の時間を人間的な営みに活用できるはずであったが、今はITを使うことにその時間の大半が奪われてしまう傾向にある。一日の中で、パソコンや携帯電話に向き合うことにどれだけ時間が浪費されていることだろう。道具として使うのではなく、人間の方が道具に使われているという状況はないのだろうか。生み出された時間は、人や自然とふれあったり、読書や音楽といった趣味に活用したりといった、潤いのある人間的な生活を営む時間として使うべきなのでは……

多分に私見の入ったまとめ方だと思いますが、おおよそ上記のような内容の話だったように記憶しています。現代社会で活用されるITとの関わりをどう進めていったらいいのか、考える視点を与えてもらったような気がしました。

ミハエル・エンデの描いた『モモ』という作品の世界でも、時間泥棒たちが登場し、人々のゆとりある時間を奪い取っていきます。効率だけが優先され、ゆったりとくつろぐ時間も、子どもたちの貴重な遊びの時間も奪われてしまったら、どんなにこの世界は暗い荒涼とした世界になることでしょう。

レオ・レオニの描いた『フレデリック』で、フレデリックが集めた色や光や言葉も、無駄な時間をかけて集めたもので、時間泥棒たちにとってはのどから手が出るほど欲しい時間だったのではないかと思います。

無駄な時間ほど貴重な時間なのだと思います。ゆったりとした時の流れを肌で感じながら過ごすひととき。人間本来の自由な時間を生みだすために、ITは進歩してきたという 前提を、忘れてはいけないように思います。

ITからほどよい距離をとりながら、本当に自分が必要することに時を使っていきたいものです。


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