先に、アメリカ・大リーグへの挑戦を表明した花巻東高校の大谷投手に対して、日本ハム球団がドラフト会議で1位指名することを事前に明言し、実際に指名しました。事前に獲得の意志を発表したのは、本人に動揺がないようにという配慮だったようですが、とても残念に思いました。そんな心遣いができるのなら、夢を追って渡米する決断をした若者の思いを大切に受け止め、温かく見守ってほしかったなあと思いました。
日本ハムは、他球団に比べチームとして若手選手の育成システムが充実しており、大谷選手もその能力を十分に引き出しプロ選手として活躍できるように育てることができるという確信の思いがあったのかもしれません。また、レンジャーズで活躍するダルビッシュ投手のように、日本のプロ野球界で実績をつくり、それから本人の願いどおりに大リーグへと進んでいくプロセスを想定しているのかもしれません。そして、じっくり時間をかけて交渉すれば、本人や家族も説得できると考えているのではないかと思います。
しかし、たとえそうであっても、一人の若者が自分の意志で将来を決めたという 決断の重さに比較すれば、やはり軽率な判断だったのではないかと思えるのです。大谷選手は、悩み抜いた上で、自分で自分の未来を決断したのだと思います。未来は自分の手で切り開く 開拓者精神ともいえるその心意気と、夢にかける 純粋で若々しい決断力。その思いをまっすぐに受け止め、先輩の野球人として 前途を温かく見守り 応援することこそ、求められる大人としての対応だったのではないかと思うのです。
今後は、来年の3月までの指名権を獲得した日本ハムが、大谷選手と粘り強く交渉を続け入団を説得することになることと思います。その中で、彼はどんな判断をすることになるのでしょうか。
渡米した大谷選手を通して、私も一緒になって夢をみたいと思っていたのですが……私の夢が叶うかどうかは、来年の3月まで待たなければならないようです。
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