あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

不戦の誓いを新たに

2019-08-15 11:04:55 | 日記
 74年間 戦火を交えることなく、終戦記念日を迎えることとなりました。
 改めて、未来永劫に渡って平和な日本であり、テロや紛争がなくなり、国や民族、宗教の対立を超え、
平和な世界が実現することを 心から願います。
 日本国憲法の前文には、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚することによって、平和を
愛する諸国民の公正と信義によって平和がつくられていくことの大切さが語られています。
 それは、たくさんの尊い命が犠牲となった戦争を繰り返すことなく、武力に頼らず人間としての相互
の信頼関係を築きながらつくりあげていく平和を 希求する決意でもあったのだと思います。

           日本国憲法前文
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの
子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす
恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを
決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
 そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その
権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の
原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
 われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚する
のであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよ
うと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去し
ようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
 われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利
を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないので
あつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を
維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

  
 武力によって保たれる平和ではなく、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚し、平和を
愛する諸国民の公正と信義に信頼して培われていく平和こそ、世界の平和を実現するための礎なのだ
と考えます。
 一方では、それは一つの理想であり空論であり、軍事力のバランスによって今の平和は保たれている
のであり、その現実を直視すべきだという考え方もあります。
 しかし、その考えに立つ限り、軍事力増強と軍拡競争に歯止めはかからず、核兵器の新たな開発も
進められていくのではないでしょうか。それに費やす膨大な軍事予算を、飢えや貧困で苦しんでいる
国の支援、国民の生活や福祉の向上に役立てることで、どれだけたくさんの人々の苦難を救うことが
できるのでしょうか。
 戦争は、人間同士が殺し合うことで、新たな悲しみや憎しみをつくり、その繰り返しの中で人間の
心の内まで荒廃させてしまい、公正と信義への信頼まで奪ってしまうのではないでしょうか。
 銃を手に取ることよりも、人間としての公正と信義に信頼を寄せ、国や民族の境界を越えて平和を
希求する道こそ、真の平和をつくる道につながっていくように思います。
 戦争を知らない世代が国民全体の83.6%を占める現在、戦争の悲惨さを風化させないためにも、
体験した方々の貴重な証言に耳を傾け、二度と戦争を繰り返してはならないという思いに心を寄せる
ことが必要なのではないでしょうか。
 東日本大震災の折に、世界中から物心両面でたくさんの支援が寄せられました。私自身もボランテ
ィアとして支援物資の整理や分別のお手伝いをさせていただく中で、物資に添えられた励ましの手紙
に強く心を打たれました。同じ人間としてのあたたかい心遣いに、深く感謝の思いを抱いたものです。
 いざとなった時に、困難な状況にある人に進んで手を差し伸べようとする優しさ・あたたかさ。
 その思いは、世界の人々が持っている崇高で尊い人間としての思いであり、人間としての公正や信
義への信頼につながる思いでもあるように感じます。
 憲法の前文は、過去の戦争の反省の上に立った 武力に頼らず、人間としての信頼を大切にした 
平和への道を 日本が進んでいくことを示したものです。
 その74年間の歩みが、これからも続いていくことを心から祈りたいものです。