三井記念美術館の「道教の美術」を見に行ってきました。
仏教は身近でなんとなくわかっていますが、道教となるとどのあたりがその範疇なのかが正直分かりま
せん。
今回の展示を見てそのあたりが判然とするかなあと思ってたのですが、こうやって見てみるとますます
区分が難しいなあと。
道教といういわばマイナーなタームで果たして、お客さんが来てるのか?なんて思ってたのですが、け
っこうお客さんが入っていました。
見にいったひとの口コミでしょうか。確かに見て面白いなあというものが多かったなあと思います。
今回も気になったものについてピックアップ。
○仙人像[羽人]
耳が異常にでかくて、動物というよりもエイリアンちっく。小さいのですが、同じ展示ケースの中で存
在感は一番でしたね。
○荘子図 三井高就筆
名前から分かるとおり、北三井家の当主が描かれてものですが、これはよかったです。
円形の窓に肘をついて、目を閉じている荘子。
瞑想に入ってる表情が穏やか。安らぎすね。
○焔口餓鬼図[面然大士]
これが今回、一番脳裏にやきついています。
画面中央に鎮座まします、青い河童みたいなのが焔口餓鬼。
これが信仰の対象をいうことに驚きます。
逆立った赤い髪の毛、青いまだらの皮膚、首の辺りから青い火炎が出ています。
ただただ、そのいでたちの異様さに圧倒されます。
でも、この焔口餓鬼は仏教では観音菩薩の化身だそう。この絵にも上方に観音菩薩が描かれえています。
○琴高・群仙図 雪村周継筆
3幅の水墨の掛け軸。中央の鯉に乗って水のなかから出現した仙人がいい。
馬の手綱よろしく、鯉のひげをつかんで乗りこなしてる。
このポーズといい、鯉のびっくりした表情は飽きませんね。
○妙見菩薩立像 [伊勢常明寺伝来] 院命作
えもいわれぬ風情。この表情がなんともよいのです。
顔は稚児ですが、身体は大人。左手の指の組み方がVサインに近い。人差指と中指がVにみならず平行に
くっついてる。
こういう無理があるはずのものが存在としてそこにあるというのはやはり製作した院命の技量と信仰によるものなのでしょう。
○群仙星祭図 河村若芝筆
鶴に乗った寿老人を下から見上げてる仙人たち。あっ、蛙を手にしてるので蝦蟇仙人だけはわかります。
この仙人たちの顔がひしゃげててすごく妙なのです。
どうしてそうしたのか、その意図はちょっと分かりかねますね。
内容的にかなり充実していますが、展示期間によって見られるものが違いするのはやはりどうかなあと。
リピート割引とかの案内はありましたが、そう何度も同じ美術館に行けるものではありません。
出来る限り、展示替えは少なくしていただきたいものです。
9/6まで。
道教って、私たちのかなり身近にあるということを
知りました。
七夕だとかそういう風習が道教と繋がっているとは思いもよりませんでした。
道教、意外と普段の生活と近い部分にあることが分かりました。
願わくばもう少し大きな箱で見たかったですね。
道教という名前だとどうしても個別の宗教っぽく感じるのですが、風習としていきづいていますね。
>願わくばもう少し大きな箱で見たかったですね。
同感です。展示替えは少なくしてもらいたいですね。
この展覧会は面白かったですね。
次々に現れる「異人」「異形」そして名を知らぬ神々。
見ていて気合が入りましたが、大阪では更にグレードアップするそうなので、想像するだけでメマイものです。
行くまではもっと難しい内容だと思ってたのですが、そういうことでもなくすんなりと入っていくことが出来ました。
あと、今回の展示に限らずなんですが、神の像というのはどうしてもこうも人の像と代わり映えしないのだろうと。
仏像はひとを超越した姿をしていることに比べてみると、そう変わりないことに驚きます。