goo blog サービス終了のお知らせ 

あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

河口龍夫展 言葉・時間・生命(国立近代美術館)

2009-11-07 23:55:28 | アート系

河口龍夫展 言葉・時間・生命のブロガー特別内覧会にお邪魔させていただきました。

正直、あまり予備知識も入れずにチラシで見たベッドにいろいろ刺さってるのくらいしかイメージがありませんでした。

※写真は許可を戴いて掲載しています。


足を踏み入れるとこんな光景が。


・DARK BOX

真っ暗闇の中でその闇を封じ込めた鉄の箱。

刻まれた年の闇を閉じ込めてあります。

2009は先日、ここで真っ暗な中ボルトを閉められて完成したもの。

2010は来年、闇を閉じ込めて完成。だから、真新しいボルトがまた未使用の状態で並んでいます。

そのとなりのはなんと3000!!

1000年後に誰かがこれを完成させてくれたら。

遥か先の我々は絶対に死んでしまってる世界。その想いだけで意識が一瞬くらくらとします。素敵です。


・光(電球)

これ、猛烈にツボでした。

光る電球なのに、鉄のケースで拘束されてその光は見えない。

これはもうプレイです。すごすぎる。

あとこの部屋の奥には暗い部屋がありました。

その中に入り、真っ暗な状態で紙に絵を描くというもの。

ということで早速チャレンジです。

で、出来上がったのがこれ↓


確認というプロセスなしでいけるのが楽しい。無心に取り組めますね。でも、不安もあってそう長い時間取り組むには訓練が必要みたい。

暗い部屋がもうひとつあって、そには河口さんが実際に暗闇の中で描いたドローイングが展示されていました。

真っ暗な中でペンライトで照らして鑑賞するというもの。色の使い方、構図はさすがです。よく出来るなあ、ほんとに。


・関係-光になった言葉

さて、部屋を進むと真っ暗な中に光る文字が。

天井からつるされたプレートに切り抜かれた「光」、「人生」などの文字。

心地よかったです、この空間は。


・関係-英知・鉛の百貨辞典

着色された蜜蝋で固められた黄色の上に鉛でコーティングされた百貨辞典。

その下には地図のコピーを銅でサンドしたもの。

流用した什器が液体を上から流して下へ流れるという構造。

紙である百貨辞典を鉛の質感で包んでいるのがいいですね。


・関係-地中からのボーダーライン

八角形の部屋に張り巡らせた銅線。電球がともってるので実際に電気が流れてる。

銅線の途中に紙が貼られ、そこには都市の名前が。

ああ、なるほど!この銅線の形作るラインが世界地図になってたのです。

この外にあった立体になった日本地図の黒板もよかったです。


・関係-エネルギー

これは壮観でした。

電流の流れでライトが点いてたり、水を沸かしたり、ベルを鳴らしたり。

折りたたんだ布はなんだろうと思ってたら、ベルの音を小さくするために巻いているそう。


・関係-鉛の花時計

132個の植木鉢が並んでいます。この植木鉢の中には鉛の蓋がしてあって、何の種子が中にあるか刻まれています。

この種子の花が開く時間も計算されて配置されているとのこと。


・ラベンダーのプール

鉛に包まれたラベンダー種子がプールに浮いてて仄かにラベンダーの香り。

こういう室内の会場で水を使った展示をやるのって大変そう。

この横で寝転がったら気持ちいいだろうに。


・睡眠からの発芽

これです!広告のイメージで見てたのは。

ベッドなのですが、人体の形になっててそのまわりには伸びた針金の先に鉛にくるまれた種子。

河口さんがその場で説明してくださったのですが、寝ている間にもひとは生きててエネルギーを出しているのだと。

なるほど。だからこそ、このタイトル。


・7000粒の命

これは圧巻でした。鉛コーティングされた種子が7000個!

これだけの数並ぶと永遠とか無限とかそういうイメージにたどり着きますね。


・木馬から天馬へ

こちらもさきほどのベッドと同様に蓮の種子がぴょいと飛び出ています。

なんかエネルギーに満ち満ちているのですよ。この黄色という色もいいです。

たいとるにある木馬は舟の船首の後ろに取り付けられていますが、もともとは河口さんがお孫さんにプレゼントするつもりで買ったものだそう。

この木馬ですが、ちゃんと翼がついています。舟ごと飛んじゃえ!

って、ほんとはワイヤーで吊るしたかったそうですが、600kgという重さと会場の都合で願いは叶わず。いつか、そんな状態での展示が見てみたいものです。


・蜂がパイロットの偵察機

黄色い舟ののその先の上空にあるのがこの蜂がパイロットの偵察機。

ほんとにスズメバチが操縦席に座っててびっくり。

河口さんの作品には蜜蝋が登場するのでそのつながりで蜂なのでしょうか。

見終わってきてよかった~という展示でした。

河口さんの作品、ブレがありません。すっと未来を見てるのです。その先の希望を。

鉛のコーティングを最初に見たときには生を殺すイメージだったのですが、展示を見ていくにつれて、時を超える為に封じ込めて未来へとつなげるというものだと認識が変わっていきました。

この日、ちょうど会場にいらしてでお話を伺うことが出来た河口さん、解説していただいた大谷さん、ありがとうございました。

12/13まで。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バスから見た夜の景色 | トップ | ううむ »
最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (lysander)
2009-11-08 22:56:47
あおひーさん
こんばんは

なんか元気が出てくる展示でしたね!
返信する
Unknown (あおひー)
2009-11-09 21:50:09
こんばんは。
なんか見てて、どんどん消化出来てくのが気持ちよかったです。
作品に託すものが一貫してて素晴らしいなあと思いました。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アート系」カテゴリの最新記事