ちょうど一週間前の日曜日、AtoZに行ったその足で青森に向かいました。
青森県立美術館に行くためです。
さて、青森駅についてタクシーの乗り込みました。
行き先は青森県立美術館だったので、タクシーの運転手さんとお話しててびっくりしたのは50くらいのおじさんだったのですが、「ならよしともさんのですごく人が来てるようですよ」と言ってたこと。
すごく、うれしかった!
だって、奈良さんでも怖いおんなのこの絵を描くひとでもなくって、フルネームでならよしとも、って言えたのですから。
やっぱり、それだけ皆さんこの青森県立美術館に関心があるのでしょうね。
今回、開館記念展として、「シャガール『アレコ』とアメリカ亡命時代」が開催されています。
前情報でバレエの背景のでっかい作品が見られるらしいということは知ってたのです。
タクシーを降りて少し歩いて、青森県立美術館に着きました。
やはり、いいですね新しい美術館は。
白い壁、シンプルな線を使っていながら、全体として見た時にオリジナルだなあと印象に残るのです。
単にこんなのが出来てしまいました的なものでなく、ちゃんとプロセスを経て結果としてここの最良のものがあるという感じでした。
さて、通常の美術館だと大抵は特別展のチケットを購入すると、常設展は一緒に見られるようになってるものです。
しかし、ここでは別なんですよね。
シャガールと常設展を見ようとおもったら、この2つが一緒に見られるチケットを購入する必要があるのです。
シャガール展のみなら、大人1500円。常設展示も一緒にみるのなら大人1800円。
当然、1800円を支払いました。
まず、展示室に足を踏み入れた印象。
でかい!!!!!
最初の部屋はアレコホールといい、その名のとおりバレエ「アレコ」の背景画が展示されています。
一枚だとしても相当な大きさです。縦は約9メートル、横は約15メートル。
<ing src="http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/55/8317eb5fc120e1c285cbb82a6d7ecf94.jpg">
これはチラシの裏に載ってたCGイメージですが、まさにこの通りでした。
でも実際に見てみた時のインパクトはこれは伝えられませんね。
箱状の部屋の4面に全て、第1幕から第4幕までの背景画が展示されています。
こんな巨大な絵4点に囲まれる機会などそうそうあるものではありません。
アレコホールの見せ方でよかったなと思ったのがイスの使い方。
この巨大な部屋にはイスが10脚くらい置かれてて自由に座ることが出来るのです。
でも、普通の美術館とちょっと違うのはこのイスが乗ったままで自由に動けるところ。
ちょうど、イスの足の下に車輪orボールが入ってて、あまりチカラを入れずに動くことが出来るのです。
ここの展示は360度を4つに区切ってるので、方向を変えてみるのにはこのイスらくちんでした。
1幕見たら90度回転して、2幕を鑑賞なんてことが出来るわけです。
さて、第1幕から第4幕まで個別の感想です。
第1幕 月光のアレコとゼンフィラ
これが一番シャガールっぽいなと思いました。
というのはきっとバックの青と男女が抱き合ってるイメージが強いってところでしょうかね。
第2幕 カーニヴァル
これ、謎なんですよ。本当はこの「アレコ」の舞台をフルで通して見ないと分からないものなんでしょうが、これはほんとそのことを差し引いても謎なのです。
耳付き全身タイツおじさんは道化でしょうか?バイオリンを高々と掲げています。
そしてその上には黒い猿が逆さにぶら下がってる。
それに左に見える大地と空の境目が斜めにカーブを描いてる。
全体の色使いもこういうのなかなか思いつかないんではないでしょうか。
すごく、不思議な作品です。
第3幕のための習作 ある午後の麦畑
この作品だけは青森県立美術館の収蔵品ではなく、ニューヨーク近代美術館のものだということ。
チラシの裏をみると、この作品だけ習作と書かれています。
でも、習作という割には本気モード全開の出来でした。大きさもなんら変わりません。
謎なのは太陽です。左の放射状に光を放つ赤いのと右の丸いのはどちらも太陽に見えるのです。
右下に船が見えるので水辺ということが分かります。で、水辺に写った太陽だとしたら。。。
いや、それにしては位置的にも大きさ的にも本当はおかしいんです。
でも、シャガールはイメージを盛り込んで描いちゃうので、右のは水に写り込んだ太陽なんじゃないかと思うのです。
見た時に太陽が強烈な印象として残りますね。
第4幕 サントペテルブルグの幻想
車を引いた白馬が天に駆け上がってく。その先には何故か、室内の灯りが。
背景の黒い雲のわき上がるような描き込みが素晴らしいです。
この画面の大半を締める黒、画面左の青みがかったグレー、さらに画面下の街の赤。
色のバランスがいいのです。
とまあ、でっかいだけだったらどうしようと思ってたのですが、かなり楽しむことが出来ました。
この他にはバレエの衣装の下絵などが展示されていました。
その中で一番すごいなと思ったのが「アレコ」の衣装。
なんと1942年の舞台で使用されたものがちゃんと残ってるのです。
60年以上前にこんなに豊かな感性で作成された衣装があったんですね。
全部で34点が展示sれていますが、作品保護の為だと思いますが黒い紗幕の向こうの衣装を鑑賞するようになります。
入場時にもらった2枚折りのモノクロパンフがここで役に立ちます。
34点の衣装に番号がふられてて、位置と対応してるのでどれがどれか分かるのです。
わたしの印象に残ったもの。
29 燭台を持つ人
パンツがどくろを染めた柄になってます。
23 コウモリ
え!これは蝶だよ、どうみても。コウモリには見えないなあ。
33 ジプシーアレコ
ベストに目とクチビルのデザイン。シュール。
11 クマ
真っ黒な毛皮だけ。こういうシンプルな方法もありってのがいいところ。
20 魚
このデザイン秀逸でした。腰からつま先までヒレがついてたり、シャツの左右に点けられた目の位置がおかっしかったりして鮮烈な印象でした。
とまあ、こんな感じでシャガールの知られざるアメリカ亡命時代の作品を見て来られて満足でした。
出来れば「アレコ」の背景画はもうちょっと見ていたかったなあ。あの部屋の雰囲気、かなり落ち着くんですよ。
さて、これは番外編。
シャガールのパンフの図面に位置図があるのですがそこに描かれてた「あおもり犬」!
単にそこに作品があるってだけでなくって、この美術館のシンボル的な存在としてそこに平然と書かれてるという事実がすごく感慨深いのです。
奈良さんの作品!
それが自身の出身県の美術館にこうやって飾られてる。きっと「あおもり犬」はずーっとここで見に来る観客をじーっと見つめ続けててくのでしょう。
この先何十年、いや100年とか、もっと。。。
青森県立美術館に行くためです。
さて、青森駅についてタクシーの乗り込みました。
行き先は青森県立美術館だったので、タクシーの運転手さんとお話しててびっくりしたのは50くらいのおじさんだったのですが、「ならよしともさんのですごく人が来てるようですよ」と言ってたこと。
すごく、うれしかった!
だって、奈良さんでも怖いおんなのこの絵を描くひとでもなくって、フルネームでならよしとも、って言えたのですから。
やっぱり、それだけ皆さんこの青森県立美術館に関心があるのでしょうね。
今回、開館記念展として、「シャガール『アレコ』とアメリカ亡命時代」が開催されています。
前情報でバレエの背景のでっかい作品が見られるらしいということは知ってたのです。
タクシーを降りて少し歩いて、青森県立美術館に着きました。
やはり、いいですね新しい美術館は。
白い壁、シンプルな線を使っていながら、全体として見た時にオリジナルだなあと印象に残るのです。
単にこんなのが出来てしまいました的なものでなく、ちゃんとプロセスを経て結果としてここの最良のものがあるという感じでした。
さて、通常の美術館だと大抵は特別展のチケットを購入すると、常設展は一緒に見られるようになってるものです。
しかし、ここでは別なんですよね。
シャガールと常設展を見ようとおもったら、この2つが一緒に見られるチケットを購入する必要があるのです。
シャガール展のみなら、大人1500円。常設展示も一緒にみるのなら大人1800円。
当然、1800円を支払いました。
まず、展示室に足を踏み入れた印象。
でかい!!!!!
最初の部屋はアレコホールといい、その名のとおりバレエ「アレコ」の背景画が展示されています。
一枚だとしても相当な大きさです。縦は約9メートル、横は約15メートル。
<ing src="http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/55/8317eb5fc120e1c285cbb82a6d7ecf94.jpg">
これはチラシの裏に載ってたCGイメージですが、まさにこの通りでした。
でも実際に見てみた時のインパクトはこれは伝えられませんね。
箱状の部屋の4面に全て、第1幕から第4幕までの背景画が展示されています。
こんな巨大な絵4点に囲まれる機会などそうそうあるものではありません。
アレコホールの見せ方でよかったなと思ったのがイスの使い方。
この巨大な部屋にはイスが10脚くらい置かれてて自由に座ることが出来るのです。
でも、普通の美術館とちょっと違うのはこのイスが乗ったままで自由に動けるところ。
ちょうど、イスの足の下に車輪orボールが入ってて、あまりチカラを入れずに動くことが出来るのです。
ここの展示は360度を4つに区切ってるので、方向を変えてみるのにはこのイスらくちんでした。
1幕見たら90度回転して、2幕を鑑賞なんてことが出来るわけです。
さて、第1幕から第4幕まで個別の感想です。
第1幕 月光のアレコとゼンフィラ
これが一番シャガールっぽいなと思いました。
というのはきっとバックの青と男女が抱き合ってるイメージが強いってところでしょうかね。
第2幕 カーニヴァル
これ、謎なんですよ。本当はこの「アレコ」の舞台をフルで通して見ないと分からないものなんでしょうが、これはほんとそのことを差し引いても謎なのです。
耳付き全身タイツおじさんは道化でしょうか?バイオリンを高々と掲げています。
そしてその上には黒い猿が逆さにぶら下がってる。
それに左に見える大地と空の境目が斜めにカーブを描いてる。
全体の色使いもこういうのなかなか思いつかないんではないでしょうか。
すごく、不思議な作品です。
第3幕のための習作 ある午後の麦畑
この作品だけは青森県立美術館の収蔵品ではなく、ニューヨーク近代美術館のものだということ。
チラシの裏をみると、この作品だけ習作と書かれています。
でも、習作という割には本気モード全開の出来でした。大きさもなんら変わりません。
謎なのは太陽です。左の放射状に光を放つ赤いのと右の丸いのはどちらも太陽に見えるのです。
右下に船が見えるので水辺ということが分かります。で、水辺に写った太陽だとしたら。。。
いや、それにしては位置的にも大きさ的にも本当はおかしいんです。
でも、シャガールはイメージを盛り込んで描いちゃうので、右のは水に写り込んだ太陽なんじゃないかと思うのです。
見た時に太陽が強烈な印象として残りますね。
第4幕 サントペテルブルグの幻想
車を引いた白馬が天に駆け上がってく。その先には何故か、室内の灯りが。
背景の黒い雲のわき上がるような描き込みが素晴らしいです。
この画面の大半を締める黒、画面左の青みがかったグレー、さらに画面下の街の赤。
色のバランスがいいのです。
とまあ、でっかいだけだったらどうしようと思ってたのですが、かなり楽しむことが出来ました。
この他にはバレエの衣装の下絵などが展示されていました。
その中で一番すごいなと思ったのが「アレコ」の衣装。
なんと1942年の舞台で使用されたものがちゃんと残ってるのです。
60年以上前にこんなに豊かな感性で作成された衣装があったんですね。
全部で34点が展示sれていますが、作品保護の為だと思いますが黒い紗幕の向こうの衣装を鑑賞するようになります。
入場時にもらった2枚折りのモノクロパンフがここで役に立ちます。
34点の衣装に番号がふられてて、位置と対応してるのでどれがどれか分かるのです。
わたしの印象に残ったもの。
29 燭台を持つ人
パンツがどくろを染めた柄になってます。
23 コウモリ
え!これは蝶だよ、どうみても。コウモリには見えないなあ。
33 ジプシーアレコ
ベストに目とクチビルのデザイン。シュール。
11 クマ
真っ黒な毛皮だけ。こういうシンプルな方法もありってのがいいところ。
20 魚
このデザイン秀逸でした。腰からつま先までヒレがついてたり、シャツの左右に点けられた目の位置がおかっしかったりして鮮烈な印象でした。
とまあ、こんな感じでシャガールの知られざるアメリカ亡命時代の作品を見て来られて満足でした。
出来れば「アレコ」の背景画はもうちょっと見ていたかったなあ。あの部屋の雰囲気、かなり落ち着くんですよ。
さて、これは番外編。
シャガールのパンフの図面に位置図があるのですがそこに描かれてた「あおもり犬」!
単にそこに作品があるってだけでなくって、この美術館のシンボル的な存在としてそこに平然と書かれてるという事実がすごく感慨深いのです。
奈良さんの作品!
それが自身の出身県の美術館にこうやって飾られてる。きっと「あおもり犬」はずーっとここで見に来る観客をじーっと見つめ続けててくのでしょう。
この先何十年、いや100年とか、もっと。。。
私は9月中旬に行ったので、かなり涼しかったですよ
雪の時期のあおもり犬を見てみたいなぁと思っているのです
首くらいまで埋まっちゃうかな??
雪に埋もれるあおもり犬!風流ですね~。是非見てみたいものの、冬の青森は寒そうですなあ。