またまたSCAI THE BATHHOUSEに行ってきました。
先日の「横尾忠則の壺」に引き続いて、今回は新作中心の展示です。
上のDMは前回切れててなかったのですが、今回はちゃんとあったので頂いてきました。
この絵は「宇宙的狂気愛」。前回の展示で見られました。
さてさて、新作がどうなるのかすごく気になっておりました。
実はこの日、西村画廊に行って横尾さんの「温泉主義」を見てきたばかり。
同時に二つの展覧会を開催出来るのってすごいことですよ。しかも、新しい作品ばかりで。
さて、今回も印象に残った作品の感想を。
酔いどれ舟
珍しく黒の太い線で描かれた作品。
全体は赤のトーン。でも、その補色である緑が微妙にのっかってる。
男の操るボートの舵は男性自身。白い液を吐き出してる。
ほんと温泉主義といい性的なモチーフが出てきます。
ほとばしるエネルギーの現れでしょうか。
花巻温泉
赤い画面。
手前は左右に分かれてて、左には人体模型、右には温泉に裸の女性達。
さらに人体模型の奥にはお墓があって死を予兆させる。
右の温泉の女性たちは描かれた線が妙な曲線で面白い。ポーズと表情もコミカル。
横尾さんてこういうタッチでも描けるんですね。
画面上方にはコートに帽子の男。
そして、画面に貼付けられたモノクロの写真(だか切り抜き)を見るとこのひとに間違いありません。
宮沢賢治です。
作品の持つパワーが拮抗してるのでこういう有名なひとをモチーフにあててもぜんぜん負けることがありません。
美の盗賊
怪人20面相がモチーフ。もう一点、20面相の登場する作品がありました。
これぞ横尾ワールドといった感のあるカオティックなイメージ。
家の窓から斧をもった男がぶら下がる男を殺そうとしてる。
Nと書かれた赤い旗。銀河のような黄色な楕円の丸。
これらは同じ会場にある他の絵のモチーフが取り込まれてしまってる。
気になったのは20面相の左手。青、赤、黄の3色に塗り分けられていた。
妙な手です。
横尾さんの個展を連続で見るとものずごく密度が濃いなあと感じました。
さあ、4/19から始まる世田谷美術館の個展も楽しみです。
「横尾忠則のふたつめの壺」は4/5まで。
西村画廊での温泉主義は4/12まで。
<関連記事>
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・横尾忠則「横尾忠則の壺」(SCAI THE BATHHOUSE)