詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

脳飛行

2005年06月25日 | うたかた 2005 blue in blue
画家の友人から買った絵を
毎日眺めている
一時の郷愁に沈む
幽かな微笑みと
遥かな子供心と
一瞬の安堵への想起をして

わたしは飛んでいるけど
わたしは沈みたい

完全なる箱のわたしは
一日中脳飛行
逃避行
シャレにならない

わたしは絵の中に入りたい
毎日毎日見る度入りたい
入りたい

脳飛行
入りたい

逃避行
それでも
入りたい

出てこられなくても
いい

その絵になりたい。

05.6.25 am3:36


タイトル未定

2005年06月25日 | 個室より
わたしは小学生の子供のように
心が閉まってしまって
開かない箱の前で
ただうつむいて立ち尽くしている

わたしは就学前の子供のように
どうしたらいいかわからなくなってしまって
家の一番奥の押入れの隅っこで
ひざをかかえてうずくまっている

わたしは人形の眼のように
焦点を失くしてしまって
たまに想起する青い空が
怖くてたまらない





その人

2005年06月25日 | 個室より
その老齢な女性は
人生の半ばで足を悪くした
それ以降
好きな男から遠ざかった
足の悪い自分の姿なんて
惚れた男に見られたくないと笑う
すでに老人の域に当に達している彼女に
ローティーンの少女心を見た
けな気というより
可愛らしいというより
バカを越して一途過ぎる哀れにも純粋な乙女心
自分が一方的に惚れただけ
男は何も知らないそれなのに
彼女は以来一度も男に会っていない一度も
男を知らない少女の想いそのまま
あっぱれ!
と思われている彼女は本当は
臆病で弱くて
惚れた男の前でだけ心は震える小鳥になる
こんな自分なんか
あの人にふさわしくない
こんな姿
あの人に見られたくない
会えない
こんなわたし
恥ずかしくて
こんなわたし
耐えられない
あの人の前で・・・




一つ

2005年06月21日 | 個室より

誰にも言わない
穢されたくないから

何も言わない
踏まれたくないから

求めない
空が青いから

教えない
必要がないから

共感はいらない
想い一つ

わたし一人
それでいい。


自死

2005年06月21日 | 個室より
自死への自由が途絶えるなんて
地獄だ

選択の自由があるから
明日もわたしは在るだろう

本当に
地獄だ

そうなる前に
どれほど逝きたいことだろう



触ること

2005年06月21日 | 個室より
誰だって抱きしめてほしいんだ
いくつになったって

男だって女だって
子供だって大人だって

触れられないなんて
死んでいるようなものだ

人が人になる最も安堵の瞬間は
触れている時だよ

―――
―――

わたしは今
触れてほしくない

いらない
気休めは

求めない
馴れ合いは

もう充分折り返したし
いずれ死ぬことに

変わりはないよ
遅かれ、早かれ。




2005年06月21日 | 個室より
わたし
今でもチェロやりたいと思っています
保育園の頃
本当はピアノが欲しいって
どうしても言えなかった
小学生の頃
作曲して遊んでいました
本ばかり読んでいました
せっせと詩を書いて遊んでいました
たまらなく
フルートがやりたかった
中学生の頃
書いてばかりいました
描いて遊んだことがあります
たまに
作曲して遊んでいました
楽しかった
まだ
フルートがやりたかった
高校に入った時
高校を止めようと思いました
そして
書いてばかりいました
まだ
フルートやりたいと思っていました
たまに絵を描いて
遊びました
10代も終わった頃
もう
フルートのことは忘れていました
書くことだけが残り
でも一貫して
歌を忘れたことは
ありません
一ヶ月経とうとしています
それに触れなくなってから

こんな時間に
わたしのオモチャの
パソコンと
遊んでいます

am3:00過ぎ



なぞなぞ

2005年06月19日 | 個室より
わたしの分離能力は日を追うごとに巧みを増し
何を見ているの
あなた方は
本当に見えないの

根幹はどんどん遠のき
上へも
下へも
距離が見えない

自分が箱であることさえも
あまりに現実に根付いて
わたしはあれから何年
過ぎた気がしている

なのにあなた方は時を同じくして
そんなことを

足が痛いです
おこた入ります
蒲団になんか
寝ませんから。



伝達

2005年06月19日 | 個室より
何故
二人期を同じくしてそう言うの

何故

この時に

二人無関係なのに
その同じことを
思ったの

必然
偶然
思いつき

言語
非言語
わたしから発せられた全てのコミュニケーションが
それを言わせた

わたしはどうしよう

この時に

こんなことになってしまっている
この
時に

頭を
抱えてしまいます


あの世の羽根

2005年06月14日 | 個室より
分離したわたしはあちこちに飛んで
それぞれのわたしが一時顕在化する

飛ぶだけ飛んで数時間
カラの箱に返る

箱は相変わらずカラのまま
わたしはイナイ

上手くなったよ
自己の分離

乖離を根幹にわたしは在るのだから
分離にも動じなくなった

何も
感じなくなった

自己に由来する情動が
あっさり消えてゆく

なのにわたしは巧みに分離をして
それぞれのわたしの言葉は決してウソじゃない

尋常ならざる潜在の穴はどんどん深くなって
乖離したままの芯は

顕在との関係を切って
どこを浮いているのだろう

重力からも乖離して
あの世の羽根のようだ