詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

離反

2017年01月26日 | 深い海 2016

今わたしはコンバスの練習をすること以外まともには何も出来ない
亀の歩みの如く
何もする気にならず何もしたくない
時に未だ終を夢見る

戦争を否定する
高慢な嘲りは侮蔑する
人のものを盗んではいけないよ

たとえ100パーセントの正しさに裏打ちされたことでも
それを所以に公然と愚弄する人々の神経も下品も溢れ過ぎる毅然にも
離反する

直感の不変は
芯である

人類に於いて真の不変を確認できるのは
皆死んだ後だ

それほどの不確定にもかかわらず宗教チックに寄って
依って
酔って

真実は人の数程
真実は事実に及ばず
真実はオンリーワンにあらず

今わたしが何とかしていることはコンバスの練習をすることだけ
チンタラチンタラ

戦争は嫌いだ
公然と愚弄するやからも等しく
搾取する者も等しく
わたしは離反する

2016.12.17 am1:24


生命線

2016年09月03日 | 深い海 2016

歳をとっての
良い事

覚醒時に止まることなく垂れ流し的に自我が流失しても絶望と伴に哀しい程冷静でいられる事
破滅的に行動が漏れ流れても冷徹に客観視を保持出きる事

10年前わたしは出来なかった
清濁併せた勢いにおいて

一点
老いの巧妙

今これを失ったらOUT
アイデンティティも失くなるだろうボーダーだ

生命線引き締めて
危な過ぎるわたしだから。

2016.9.3 am4:24


雨露(うろ)の部屋

2016年08月01日 | 深い海 2016

尖った稜線に座っている
寝ている
薄氷の地盤
水沫(みなわ)のなりわい
雨露(うろ)の部屋

その中で
猫が三匹
共に居る
渾然一体の
道連れ

生きる術を持たないわたしが
全てを賭して
思念一つで対峙する

端から100パーセント負けているのに
100パーセントで向かっていく
あるのは100パーセントの
意地だけ
ハードな心魂のサバイバル
温もりは
無い

決壊後は飛べばいいと思えば
撤退の必要はなく
譲歩もない
心魂は
最後の一線だから

いつだって
窮鼠は猫を噛みます
いつだって心で泣きながら
命懸け

つぶしが効かない甲斐性なしは
此処に居るだけで命懸け

笑えるアホ臭さ
シャレにならない必死さ
世に浮くうたかた
延命の巣篭もり。

2016.7.28 am7:58


クサクサ

2016年06月28日 | 深い海 2016
何なら老化も進むわたしひとりがよすがの猫三匹を引き連れてオサラバしたいくらい
この世と
此処と
あれと

ほっんとうにクサクサ
クサクサ
腐腐

この継続の恒久に思いを馳せれば
それは鈍臭い嫌悪に満ち満ち溢れた圧縮する悪寒の中の精神と魂の陵辱
その陵辱へのパラサイト

なまじにある種機能し過ぎる脳みそを持っているが故の絶望
孤独に馴染みすぎた人生の退廃

辛うじて切れ切れに持続する本能が好むのはやはり肥えた豚より痩せたソクラテス
痩せた
ソクラテス

飢餓が生むのは
羨望の痩せた
ソクラテス

あなたはとても欲張りだと宣ったかつての専門家
違うよ

飢えているだけ
飢えが発生させる幻

飢えには入れないと
飢えは収まらない

埋めないと
肥大する

肥大した飢餓は
我を持て余し我を飛び出て我を侵食しながら暴走する

そしてテンションマックスのまま張り詰めて
弾力を失い
伸びきって
何年もあるいは何十年も強引に張り詰め続けた糸が
耐え切れず
突如切れた時人は
自らの終わりを夢想する

夢想にも慣れ過ぎて飽き過ぎて逝ってしまって
孤独も絶望も最早犬の糞ほどの意味もなさなくなった時人は
本気になるのだ
終わることに

真面目は残酷だ
生真面目は煉獄だ

自分を終わらせることすら出来ないまま
延々と終わりが続いてゆく。

2016.6.27 am12:36

・・・雨・・・

2016年06月05日 | 深い海 2016

雨の音が聞こえてくる
心にいっ時の安堵をもたらす天然の蠢き
通年閉め切りの溶けたゴムで塞がったままの胸の蓋を開け
雨に濡れそぼつ冷えきった清涼な空気を胸から直に吸いたくなる

世の音も
人の念も
万遍なく容積を満たし途切れることなく地面にまで押しやり
有無を言わさず個々人を箱の中に閉じ込める雨の条痕

錆びた脳も
斃る胸も
萎れた体も
役立たずの足も

鈍くくぐもった薄いグレーの生々しい霞に充てられて
賑わいを寄せ付けない凛然たる暗さに孤独を開放し
クスッと微笑み
わたしは雨と仲良し

雨は優しい
毒々しく銀色めいた鋭利な晴れのフィールドより
押し付けがましく見え見えの露骨に逞しい晴れの青空より
雨は優しい

月の仄かほどではないけれど。

2016.6.4 am10:55





コンタクト

2016年06月02日 | 深い海 2016

夢のような夢を見た

自分ではどうする術も持たず
混乱の渦に翻弄されリピートの中をぐるぐるぐるぐるただ溺れているだけの顕在意識を
寄せ集め、拾い集め、継ぎ接ぎし、掬い上げ
無秩序に切り張りされた真意の断片が
そのストーリーを無理矢理こじつけるように組み立てて
苦し紛れも必死な本能がもがいてもがいて哀しい程懸命に映像を結び
色も形もコトバもニュアンスの芽さえ醸すことも出来ない意識の最下層の
日常の中では感情がほんのちょっと横を見ることも許さずに意識の届かぬ無意識の底に沈みかけている一番端の一角に
ほんの一瞬
浮き上がって

無意識からの
コンタクト

意識はさらにスーパーエゴに塗りつぶされて何一つの動きも無い自身に
毎日毎日本来何の謂われもない罰を止まることなく延々と人生分垂れ流し続けて
わたしはわたしに呪われて
眠りの中でさえ自分を律し戒め
夢に思うことさえ禁止して
抑圧は人の心なんていとも簡単に抹殺します

ありがとう見えないくらいに小さな微々たる無意識のわたし
その夢の尻尾を辛うじて感じた
すかさず切れないように消えないように現実の顕在にまで手繰り寄せ照らし合わせ祈るように分析し
罪の真相と
罰の善し悪しを
危険なく意識に滲ませることが出来ました

わたしはただ自然の範疇に生まれ出て
単に人である事実は万物と同じ

夜見る夢はいつも
あまりにも現実離れした架空のストーリーが幾重にも混ざり合い取り留めのない支離滅裂な混濁だけど

その夢のような夢は
初めて
わたしの無意識がわたしに見せてくれた汗一滴分の優しさ
わたしがわたしから差し出された
綺麗にたたまれた一枚の白いハンカチ

あなたは今までずうっと
わたしに気付かれることなく
わたしを見ていてくれたのですか?

2016.6.2 am2:32



衝動

2016年06月01日 | 深い海 2016

壊したくなるのは子供の頃から
人生折り返した今もその衝動とは常時対峙している

治めることに数え切れない多くの時間を無益にただ眺め
治まったと思う尻からまたぶり返す

そうして詩を書くことが出来るあなたはまだいい
ある時知らない専門家に宣われた

いいですか何十年も人生を無駄にして
肥えた豚より痩せたソクラテスは生き様の魅力

あなたが看ているそのクライアントが羨ましかったよ
そんなに思ってもらえて

死ねる人が羨ましいなんてね
死んだように生きていく重労働をポイッと捨てられて

始まりさえ壊れて無かった
鍵もドアも部屋も人も

愛は人の御話
小さな箱の中のフィクション

荒漠に居て
寂寥だけを見ていたから。

2016.5.31 am11:26




ハレルヤ

2016年05月31日 | 深い海 2016

ハレルヤ ハレルヤ
天気が良けりゃハレるんだよ

アーメン
まだそんなコトバに丸投げして

祈りが通じるんじゃない
行動の成果がラッキーを伴いつつ実を結ぶのだよ

どれだけ快感物質にしがみついて
脳をたらし込んで

例えば一日に何人も何人も客を取らされエイズや暴力で死んでいくような世界の多くの幼い子供達を
ハレルヤは助けもしないのに

その子供たちの為に祈りましょう・・・
脳が満たされ満足ですか

救われない

世界も
あんたらも。

2016.5.30 am5:45


三つ児の弥終(いやはて)

2016年05月27日 | 深い海 2016

昔音楽を苦しみにしてはいけないと雲の上のある人に言われた
それをわたしに言うの?とわたしは思っていた

己の不可知が己の限度を超えて針を遥か上空の彼方にまで吹っ切ってしまった時
音楽どころじゃない
それどころじゃなくなってきます

仕事でも義務でも責任でも誰に言われた訳でも頼まれた訳でも何でもなく生業の極々微細な一助にも成り得ず何の役にも立たないただの個人的趣味趣向の範疇でしか在り得ない穀潰しの異名のものなどは
情の存在しないフィールドにあっては真っ先に切って捨てられる立場に在るのですよ

殺されるの?と思う恐怖に対峙し萎縮しきったペチャンコのただの薄い薄い一枚のプレスされた紙になってしまった情念は
刻印されたのではなく
変形

元のカタチはありません
全く別個の肉の塊りに
変化

マジックではありません
変身です

異なる者に
なります

音楽何それ
人生?関係ない
夢?希望?将来、計画、愛?自分???
知らない

知らないの、そういうもんのことは

それらはね
薄い薄い
地面に同化した輪郭を持たないちっちゃなぼろぼろの溶けそうなシールの上には
乗らないの

心を搾取され虐待された幼き魂の
悲しみや寂しさや虚しさが
やがて苦しみや憎しみや嫌悪や恨みや辛みになって
自己内へ向かうか自己外へ向かうか
晴れるか晴れないか
それだけの違いでしょう

ただその時そこで受精卵になり
その時そこへ生まれてきたというだけ

天と地の違いがあるのに
天から地は見えないの
人間ごときには
地からは知る術が
無いの
それだけのこと

それである時辛うじて音楽に引っ掛かって
細ぉく細ぉくそのほとんどが切れたまま極極稀に音楽に触れて

そんなものはね
内なる巨大な無慈悲冷酷の前にあっては
何の力も無い
種の概念さえ無いのに
幸せや期待は
人間一人をぺチャッと押し潰すに余り有る
単なるプレス機の巨大な鉄の塊りにほかならない

そんなことも解らない人達の中で生きていかなきゃならないのは
本当に疲れます死にたくなる程に

内へ向かうか外へ向かうか
晴れるか、晴れないか。


2016.5.27.pm7:40


今を。

2016年04月21日 | 深い海 2016

     わずかでも光りは射す
     小さくても希望は来る
     生きていれば

     五年後の私は見えない
     十年後の私は見えない
     その先の私も
     今は

     五年後の私は居る
     必ず
     十年後の私は居る
     必ず
     生きていれば

     場所が変わり
     人が変わり
     状況は激変し
     業わいの辛さに途方に暮れ
     いっそ死んでしまいたいとの思いに
     取りつかれる日々が続いたとしても

     五年後私は笑い、くちずさむ
     十年後私は明日を思い、今日の日を振り返る
     どこかに出かけ誰かに会い
     飲み、食い、眠り、
     風呂に入り
     将来という次の朝を迎えるだろう
     何度も。何度も。
何度も。

     生きていれば
     死なず
     生きていれば

     今を。 

      2016.4.21 am3:00



                                         innocence


虚空

2016年03月22日 | 深い海 2016

君を頼らずとも独りで行けばいい
君に寄らずとも

虚空は元より独りのもの
仲良しこよしは在り得ない

虚空は見れば見るほど吸い寄せられて行くから
人様には話しすらすることもないけど

こちら側のどこかその一点に立った時
わたしは自由だ

呪いなんて
自分のものですよ。

2016.3.22 am3:45


Blue Amber

2016年01月26日 | 深い海 2016

           琥珀になりたい
           青
           の
           琥珀に

           fossil を跨ぎ
           青い
           琥珀
           に

           重力をスルーした
           無い
           かの如くの
           凛とした漂いに

           深い深い
           空の向こうの
           海の底の
           色に

           地の奥遠い時間からの
           青
           の贈り物
           になりたい

           拙い歌も
           それより遥かに拙い、音も
           切れぎれの
           詩も

           歩みの無いに等しい
           心も
           体も
           行く先の道のりも

           全て
           Amber
           Blue
           Amberに

           だってこれから
           歩きたい
           全て
           に間に合うことはないけど


           空の人に問いたい
           地の人に問いたい
           しどろもどろの白く細い結実の無いあぜ道
           行ってもいいよね。


           2016.1.19 am6:26