洞窟の
岩から染み出た僅かな水滴を舐めて嗅いで
少しでも多く、多く、知りたくて躍起になって
解らない見えない聞こえない何も
解らない
此処は
外界の時間は曲がり縮み伸びきって
雨も陽射しも関係ない
座っては萎えて疲れて横になり
うずくまって、萎えて疲れて
横になる
何時間も、何日も、何年も
空は心の中で
月は絵の中に
緑は回想の中
祈りの青い絵は箱の中で白けて
想いは
日ごと萎縮して
歩かない足も使わない体も年々退化し
山への憧憬にテレビのチャンネルは駆け巡り
ホラ今西表のマングローブの森、
昼間は利尻と礼文を見たよ
先だっては屋久島を見た
想いは
萎縮
ひび割れて、錆びて、萎縮
心は
どんどん
小さく、いびつになっていく。
09.6.21 am4:44