詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

折り合い

2007年10月30日 | うたかた 2007

この闇この暗さ   
なんて落ち着くことだろう         
ふいに動かなくなった体はただ横たえておく以外為す術がなく         
お陰で本来のわたしに最も似つかわしい光源の無い部屋で自分を見た   

社会とは一線を画したわたしが浮き上がる          
生業を持てないわたしが底に寝ている               
日常も生活も拒絶したわたしの肢体は               
ゴミための中のゴミと同じだ      
ゴミはいずれ捨てられても         
それ自体極めて常識的出来事だろう                  

わたしが少しでも生きようと思ったら
決して自分を出さないことだ      
少しでも自分を続けようと思ったら
決して言ってはいけない          
言ってはいけない
貝に徹することだ
あらゆる関係とのそれがバランス   
生きることへのそれが折り合い    
ひび割れのひびは人知れず         
深くなるしかないだろう          
人に言ってはいけないと          
学習を増すばかり
自分を見せてはいけないと         
経験は確立している               
それがどういうことかって人に言っても埒は開かない
試しに言ってみたってこれ以上の絶望を増やすことに
意味はない      

わたしの人生の全てが            
言ってはいけないと言っている    
四十六年分の全てが言うなと言っている            
自分の人生でしか考えることが出来ないから         
そうするだけだ   
生き長らえたかったら            
捨てることだ    
自分なんて。   

2007.10.30 pm7 31


真夜中の太陽

2007年10月02日 | こころ寄り

P9250352

そう君のことだよ
眩しすぎて昼間にカーテンの中でしか暮らせない僕の
君は優しい太陽なんだよ

君は自覚してる?
君の光は唯一僕を刺さないって
君の光は僕そのものを抉る(えぐる)銀色の香りさえ漂わせないって

君の呼吸は青色なんだね
深い深い真夜中の水気を帯びた爽やかなblue
無意識にも無邪気な幼心の愛くるしい寝息の音

夜中(よるじゅう)に響くよ
僕に沁みるよ
魂の揺りかごだよ

僕を救うよ
そして掬(すく)うよ
君の優しい光の手のひらで陽だまりの暖かな胸の深さで

僕は包まれ抱かれ揺られて心地良さに漂う
君の優しい光の中その真夜中の奥深くに沈み込み安堵の暗闇に横たわる
君の呼吸が僕の心も体も精神も満たして君の音がどんなメロディーより僕は好きだ

こんなにも明るく時空を照らし光降り注いでいるのにね
君が優しいから
僕がいられる。

2007.10.2 am4:31
b氏のphoto『呼吸』に寄せて