終わっているのに現状を維持してゆく
終わっているのに
微塵の漏れもなく知り尽くしている
終わっていることを
鉛に同化して
重い
手も、足も、身も、心も
圏内も
外も
時間も
身も
心も
もう
終わっている
ただ経過を重ねて
カレンダーの日かずを消化してゆく
永く先の見えない
消耗
死ぬまでの緩慢な
道行き
その中での
一日の中のほんの少しの時間
コンバスを弾いている
座っているだけのわたしの元へ勝手に寄って来る猫たちとそれぞれに小競り合いをして
触って
一緒に寝る
思い返せば三つの頃には
終わっていた
それからの50年以上でわたしは疲れた
人生ということに
三つの頃に既に
今と変わらないわたしが居た
終わっているのに続けて来た
終わっているけど続けて来た
随分とやってきた
50年以上も
わたしという個においての
浮き草のような
人生
という泡沫を
終わっているということと子供時代が始まる前にしっかりと脳で感受して
そのまま今日のこの時点まで
飽きた
もう
うんざりも百乗だ
悔いなどという立派なものはわたしの辞書には無い
始まる前に終わっている者に
プロセスもピリオドも無い
全てはテレビ画面を横切る走査線上の一点にしか過ぎず
延々と
繰り返す
糞みたいな
果ての無い
ループだ。
2015.9.15. pm6:15