脆弱の変わらない皮一枚の薄い薄いキャパシティは
いつもそこに立っているコンバスが
コンバスに思いを馳せることにより
小さく小さく
発生する
劣化の身体、欠損な心
思うように練習が出来ないと思い知る
それでもコンバスが
ただ、居てくれている
人ではなく
心ではなく
こんなわたしの
ただの
音こそ。
2013.12.11 am8:04
初めて
正味1時間を歩く
それは確かな
奇跡
過去20年近くに及ぶ隠遁厭世引篭り生活の
足も身体も心も何も可も寝たきりの老人のようになってしまったわたしの
まごうことなく
奇跡
黙々と
視線は下に
亀のごとく
誰よりも遅い
不安定な身体
もっと不安定な
足
攣りそうな
足
痛い痛い、足
汗ばむ額
汗ばむ上体
暖まっていく
左手
冷たい空気の
絵のような気持ち良さ
吸い込まれるような
夜の公園の
冷たい
快感
初めて帰りに買った缶ビールの350ml
美味しい
心に染み渡る
快感
歩くことで得ることのできた
わたしの、快感
20年越しの
快感
動くということの
奇跡
心が動いた
もらった
勇気
気づかされた
わたしにも自信というものが
有るということ
歩く
奇跡
わたしの
奇跡
感謝
しています。
2013.12.5 pm10:04
初めて
外周だけを歩く
テニスの人等の声や
サッカーの人等の声や
わたしを追い越す人の靴音や
車の行き交う音や
その
音だけをただ聞きながら
黙々とうつ向いて
歩く
本当に、ゆっくりと
一歩一歩噛み締めるように
歩く
そのベンチの一点を目指して
歩く
休んでいる間
吐く息の白く
眼鏡の曇ることに
気付く
汗は冷たい空気に紛れ
なんて心地のいい
攻撃の西日もとっくに終わり
外灯に薄ぼんやり浮き上がった夜の公園
次に休んでいる時
ああ此処にコンバスを置いた絵を描きたい
と思う
構図をイメージしてみる
色をイメージしてみる
いらないものはカットして・・・
何回目かの外周の後は
ベンチに座らずそのまま帰る
その人に
貰った自信をお守りとして胸に固く握り締め
わたしは今日も
歩くことを
しています。
2013.12.3 pm7:31
夕以降
夜に押し潰されつつも地平ギリギリの猛々しく露わな西空の緋色
星一つ大いに輝く
黒が覆う木々の傘々
無風の芝の上の
こんな季節でも草いきれの匂う
ウォーキングの男
子犬の散歩の女
頭の中のピアソラの
コントラバヒシモ
刺す光戦の皆無
わたしの安堵
好んで歩く
芝の上土の上
くねくねとよろよろと
のろのろと
何回目かの
草いきれ
匂い立つ
こんな季節なのに
毎日毎日多くの人等に踏まれ疲れているだろうに
カサカサと鳴る枯れ草の
わたしの胸に楽しい
音
それは
歩くわたしの足が敢えてさせている
音
カサカサ カサカサ
何回も
何回も
そして最後の草いきれの匂う
健気
夜の
公園。
2013.11.30 pm11:09