詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

母の死に顔

2021年04月21日 | 認知症になった母の、

とぼけ顔
今ユーモアたっぷりに冗談を言ったばかり
すぐまた言いそう
本当に死んでるの?
ちょっとすねちゃった?
穏やかの遥か上をゆくハイクオリティな
2021年1月28日の母の死に顔
命の期限を切られ長い入院生活を終えたばかりの
不出来なわたしのただ一つの慰め
あっぱれな母の有難過ぎる
子供孝行

2021.4.21


消滅

2019年10月01日 | 認知症になった母の、

ガラン
と消滅する部屋
あの人を益々死の時間軸に追い込む

今日
あの人の痕跡の跡形もなく
完膚無きまでに消えた
二度とその鍵を回して
入ることは出来ない

ゴミの一つも落ちてやしないよ
もう帰る部屋などどこにもない
あなたが人生の最後をわたしの傍でのんき気ままユーモアも顕在に送っていた部屋は
あなたが何一つ関わることも出来ない厳しい現実の流れに負けて
あなたが知らないままに
この世から消去されてしまったよ

わたしは
申し訳なさで一杯だ

ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい

お母さん。

2019.10.1


絶望

2019年10月01日 | 認知症になった母の、

ボケ悪化のスタンプを毎日押されその都度押され
あの足の傷は何だ
お前達の完全なる手抜きじゃないか
緩やかな終の棲家になるはずのその施設
無事に居たのは僅か二週間ちょっと
その後のあんたらのいい加減さがこんな大事に
なったんだよ!

人の親だと思って
よくもやってくれたな

あの絶望的な傷
87歳の老人の枯れきった足が
回復するのか!

回復して施設に戻って
穏やかな余生とやらがやってくるのか!

一生
一日中ベッドに拘束されたまま
何でそこに居るのかも
何で拘束されているのかも解らず24時間
まともな人間的会話さえ絶たれたも同然の人情のにの字も無い病室で
くたばればお前達はお荷物が無くなっていいんだろう

孤独
絶望
怒り

それはわたしの心情であり
母の心情そのものだ!

わたしはお前らの手抜きを
決して許すことなど出来ない
たとえ母が死んだあとにも

くそが!!

すみません
精一杯罵ってみました。

2019.10.1


悪化

2019年09月21日 | 認知症になった母の、

母をいろいろなカタチいろいろな人に人質に取られてる思いのわたしは
どんなに憤慨しても
怒りで一杯になっても
一日中イライラしても
言えない
言うわけにはいかない

母にはただ
申し訳ない

その、
感情
一日続くイライラ
忍耐
怒り
そして、絶望

無いとでも
お思いか???

何の役にもたたない儲けもないボケ老人は
どうせ死へのカウントダウン
そんなことより私共の体裁が
名誉が
ルールが
予定が
何より大事でございます

異口同音
どれだけ母のメンタルを
感情を
心を
押し潰し
踏みにじれば
皆さんはご都合がよろしいのでしょうか

これじゃ不必要に
理不尽に
ボケも進むね

その方が
やりやすくて良いのでしょ?



わたしの経験による個人的感慨

2019年09月18日 | 認知症になった母の、

死臭漂う一歩手前の
動きも、声も、音も、時間も、陽の光りも最早断ち切られたに等しい
命の喜びのないくぐもった
何十人かの二次元的な曇った人々

空に浮かぶ雲の
ホンのちょっと下に居る
多勢の終わりを待たされる人々
まだ死臭はないけど
あとはそれを待つのみ

個性も
クウォリテイも
ほんのちょっとはじける程度の
喜びも
嬉しさも
人間性を閉じ込められて
すぐそこの次元にはすでに死臭が待っている

笑う
笑い合う
ユーモア
冗談を言う
言い合う
幼子のようなちょっとしたいたずらをしてキャッキャする
悲しいニュースに胸を詰まらせる
涙さえ流して

そんな顕在する人足らしめる能力は一切無視されて
一歩手前の死臭の淀みに閉じ込められる

蠢きさえない
話し声のノイズにさえならない

ただ淀みに
固定されている

墓場の
一歩手前。

ある見学にて。

2019.9.18






公に踏みにじられるとしか感じない母の人生の五行

2019年07月18日 | 認知症になった母の、

暗澹たる虚無しか感じない公

審査入力数値化若僧の判断

絶望を深く胸に刻まざるを得ないわたし

市町国にとって何の役にもたたない厄介なだけのボケ老人は隅へ隅へそれがリアリティー

母の一生、人生、その最期、優しい笑顔で踏みにじられる。

2019.7.18

 


公的なものに押し潰される母の人としてのクオリティーの五行

2019年07月18日 | 認知症になった母の、

認知症ながらあんっなにも穏やか静かににユーモアも健在に自分の部屋でわたしのお膳立ての上に乗っかって機嫌良く暮らしてい母

骨折を機に一旦行政やら公的やら法令やらに乗っかった途端

人生の何たるかなんて想像も及ばないと言える専門家なるお子ちゃまな若僧らに判断を委ねなければならない個として感じざるを得ない理不尽

認知症の老人87歳に忍耐我慢自己を押し殺すことを求める公的なものに

個として希望は感じない。

2019.7.18


痒み止めを塗る母の五行

2019年06月23日 | 認知症になった母の、

認知症真っ只中なもうすぐ87歳の母に58歳もうすぐ還暦の娘は今
 日面倒を、見てもらいました

蚊に食われに痒み止め、塗ってもらいました

真剣な顔して真剣に心配して眉間に皺寄せて

丁寧に丁寧に一生懸命痒み止め塗る母が可愛くて微笑ましくて

ただただ、可愛くて。嬉しくて。

2019.6:23


母のユーモアの五行

2019年06月20日 | 認知症になった母の、

人の百倍ユーモアに長けていた母。ただ今認知症。もうすぐ87歳

日毎埋もれてゆく彼女のユーモアを

隙あらば顕在化させるべくわたしは懸命に彼女のセンスを揺さぶり
 起こす

ユーモアは人間の高度な素晴らしい脳機能

母のエスプリが続きますように。細々とでも。長く。長く。笑みを。

2019.6.20 am3:05


ありがたい五行

2017年09月16日 | 認知症になった母の、

わたしが珍しくざっくばらんに話せるかかりつけのお医者に母のこと
 でちょっと愚痴をこぼした

思いがけずいろいろなアドバイスをもらえて多少気分が軽くなった

沢山の手作りのおかずを持って娘が母に顔を見せに来てくれた

久しぶりに普通の人間とまともに会話した気分で息せき切って話した

娘の明るさや爽やかさや随分な大人っぷりに気が軽くなってお小遣
 いまでもらって、感謝。

2017,9,15


可愛いい母の五行

2017年08月24日 | 認知症になった母の、

まだ完全にはボケてないから!記憶力が人の百倍悪くなっただけ!

56年以上の人生経験を経ても尚意味不明な発言をし意固地に認めたくなかったわたし

挙句娘にも耳タコに言われ怒涛に押し寄せる母の現実に観念

そして初めて事が前へそして丸くなって優しくなれて

そして、脳はさながら三歳児に戻っていく可愛い母です。

2017.8.24