詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

その音。

2014年03月28日 | 音の前 contrablue

弓に
松脂を塗り

まず
コンバスと
共に立つ

チューニングを終えて
構え
弦に
弓を当て
引く

ロングトーンの
低い低い
音が出る

出続ける
出し続ける
出し続けられる

聞く
聞き続ける
聞き続けられる

幸せが
オートマチックに笑みを連れて来る

弦上にただ弓を
Up Down させる
繰り返し 繰り返し 繰り返し・・・

幸せが
胸の中広がる
笑顔が
戻せなくなる

誰もいないのに
一人笑っているわたし

この八ヶ月、教わったこと、感覚
気が急いでしまうので、瞬時に
出きる限り想起し

注意深く
意識して
集中して
調整して
制御して
操作して

聞く
その
低い

幸せが
わたし一杯に満ちて
溢れて
胸が熱くなる

拙い
でも

やめられるわけない
この音。
初めて知った
こんな、幸せ

笑顔が
わたしになる

充実感
心って
充実するのね

自分が弓を弾けば
コンバスの音を聴くことが出来る

なんて
しあわせなんだろう。

2014.3.27 am11:25


白い天井

2014年03月21日 | 音の前 contrablue

視界の先の揺らめく曇天
意識の中に肥大した錆だらけの巨大な空洞
前後左右上下さえも定まりも果ても無い絶望の薄いもやの漂うだけの絶無さながらの景色、空域に

俄かに色が着き
形が現れ
白い天井として
浮かび始める

柱も無く壁も無く部屋も無く
ただ天井だけが
浮いている

それはわたしが入る箱ではなく
わたし一人が座るだけのイスではなく
まごうことなき建造物

何も落ちてはこない
わたしの上に屋根がある

レッスンの帰り道
旧国の、松の緑の一本道で。

2014.2.10


せめてもの

2014年03月21日 | 深い海 2014

いつかそのまま終が来て
一つの結実も見なくても

芯も心も意に反し
変えることなど出来ない

生きるということの中にいる
一滴の雫にも満たないわたしの
粗末な

識と
覚。

2013.12.28 am9:53


2014年03月21日 | 深い海 2014

わたしが生きていることは本当にチンケな偶然に過ぎない
いつか死ぬ不変にして当然の時まで
偶然を頂き続ける

だから
ニュートラルに360度を見続けたい

どんなに美しい音楽も
理智に富んだ言葉も
100パーセント正しい事由も

街ほどの大きな瓦礫に身体を壊されつつ死んで行った人には
遅い

わたしに出来ることなんて無いに等しいが
思い 痛み 記憶し 言うことは出来る

世の中の浮かれ騒ぎには乗れない
それがどんなに正しい筋のことであっても
どんなに本質を言い当てたことであっても
それを高らかに朗々と
得意満面に掲げて揶揄し嘲笑しつつ
正しさに連むのは
嫌だ

今日食べるものが其処にあって
それを自発に食べることが出来るって
それだけでわたしには有り難く
こうして今日ここに身を置くことが出来る

残酷な死で意に反し閉じられてしまった数多の人達
アッサリと死を決行して完遂してしまった取り返しのつかない人達

わたしは今
生きています
あなた方には何の意味もなさず
こんなものをチマチマ書くことしか出来ないのに。

2014.3.4 am 3:52


2014年03月21日 | 深い海 2014

歌は
鼻歌でいい
たとえ一瞬のさえずりでも
身の先10センチの空間にしか伝わらなくても

歌は
つぶやきでいい
誰にも届かず
冷た過ぎる風に消されてしまっても
それを
失わない限り

歌は
それでいい

心を
失わない限り
いつでも
其処にいる

いつでも
続きに届く

思いを
失わない限り。

2014.3.4 am5:18