詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

変らずの

2009年09月24日 | 空の森 2010
わたしの二つの肩には三つの頃から住み着いてしまったもう一人のわたしが今も尚固く硬く難く頑なに内臓に筋肉に血に神経に脳に心に混ざり合って一体化し住み着いている

自由になりたい
自分から

死ねず
生きられず

相変わらずの
日毎。

・・・
人も風の遥か。

09.9.11 am9:15



ヌクモリノ

2009年09月21日 | 空の森 2010
とても弱っている時小さな猫の体をきつくきつく抱きしめる
かつて幼かった我が子をわたしがそうしたように

猫の体に顔をくっつけてスリスリする
かつて幼かった我が子がわたしにそうしたように

ああ人ひとりのなんと弱く脆く儚いことか
自分の弱さが真っ逆さまにどこまでも空っぽな井戸のように地の底遥かまで貫いて見えてくる

そして生きものの肌触りのなんと柔らかく温かく心苦しいほどに祈りにも似た情けであることか
ありがとう猫たち

君たちの存在が
泣くほど嬉しい。

09.9.21 am5:21




僕の見るもの

2009年09月02日 | 空の森 2010

どこへ帰るの
西、東
冬、山
家、それともホテル?

どこ行くの
空、車
雪、道
椅子、そしていつもの服。

君が毎日通る道の
僕は石ころにでもなればいい

君が通り過ぎた後の風景を
ただの風になって漂う

落ちた涙が一滴その土にまみれ
消えてしまってそれでいい

空はなんて残酷だろう
明け方も
夕方も
真夜中も
昼間も
そこには何も無いじゃないか
何も

雨も風も太陽も
何も無い
何も
見えない

僕には目なんていらないのか
ただ心に
体積を持たない君の面影が刹那
恋しい

09.9.2 am5:33