詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

arioso 片足は墓穴にありて我は立つ

2014年07月16日 | 深い海 2014

                           詞 ao
                          曲 bach

   A   既にもう 超えているから
       帰る場所はいらない
       身も心も 絶えて消えつつ
       わたしは誰も求めない
       独りでゆくわ

   A’   もう全て 遅いわ
        一人 この手 何も持てない
       横たわり 目を閉じ 沈んで
       心は割れて戻らない
       独りでゆくわ

   B   ああ 現し世の
       空は地平に囚われて
       風さえ胸をすり抜け
       思いは浮いたまま

   C   彼の時も 人も 
       夢さえ 潰えてゆき
       重く 乱れ 壊れ なのに前を見ている
       青い星の先の虚空を

   D   言わないで 声は哀しい
       流れるそのメロディ
       落ちる海の底
       音叉一つ 涙で抱きしめ 眠るわ