巡り続ける血が無ければ腐敗するただの肉の塊なのに
嗚呼なんて温かく柔らかく愛しい体なのだろう
小ちゃいだけの丸い肉なのに
抱いた瞬間誰よりもわたしを心底温めてくれる
その温かさに触れている時は思考も要らず
思い煩いも感情の軋轢も確執もトグロが絡まりあって石化した自身の圧力に押しつぶされてペチャンコに潰れたカタチの無い時の止まった自分という一枚の紙も
悩みも迷いも苦悩も絶望も暗黒も
要らない
要らない
なんにも要らない
ただ温かく
柔らかく
無垢な体と魂が確かに存在している
血が巡っているというだけで
わたしは抱きながらいだかれる
触れ合う皮膚を介在して伝わるのは本能の慰めだ
言葉も要らず
眼を見つめ合い感じ合い了解し合う
わたしを拠り所にするその小さな命に
わたしが依る
わたしはいつだって
抱くものが欲しいらしい
自分がいだかれたいが為に
温かく
柔らかく
無償の
魂だ。
2015.11.13 am4:16