詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

ずっと、

2012年11月22日 | 白い小石-M君の。
君が心の中に、
今も居る

何につけても、
君を思う

死者との会話はできないから、
一方的に君に、
話しかけている

世の中の、
良いことも
悪いことも
何だって、
もう知りえない君に、
教えてあげるの

一緒に、
居たかったよ
もっと、
会って、
話して、
どこへだって、
一緒に行って
もっと歩きたかったね
一緒に

此処へ君を、
呼びたかった

もっと早く準備を、
しなきゃいけなかった。

どうして君を、
わたしの胸の中から
手放すことができよう

放す必要が
あろう

そんなものは、
何一つ、ない
どこにも、
ない

わたしは君を、
これからだってずっとずっと
わたしの胸の中
心の奥そのかいなで
抱きしめていくよ

手を繋げばよかった
手を繋いで
繋いだまま
眠ってあげればよかった

わたしは、
そうしたかった、
そうしたかったよ

そう、
手を繋いで、
抱きしめてあげたかった

君がわたしにとって
どんなに大事な人か
愛おしい人か
ちゃんと、
伝えなければいけなかった

君は単体としてどんなに価値ある存在か
鬱陶しがられても鬱陶しがられても
何回も何回も君が呆れ果て改めて珍しい生き物を見る目でわたしを客観的に違う視点で見つめ直すまで、
言わなきゃいけなかった

わたしは自分の人生が終わるまで
君を放したりはしない
もう
決して、
決して、
独りにはしない

君にはわたしがいる
わたしがいる
君の心を抱き続ける
わたしがいる

もう決して手放さい
君の手を

これからも、
ずっと
ずっと

『繋いでいるよ』。

だから、
安心して。

て、
言わなきゃいけなかった
わたし。

2012.11.20 am10:40



展望・・

2012年11月14日 | 空の森 2012
僅かな僅かな外とのコンタクトで
にわかに現れる
症状
という名の最早怨念だ

わたしの生存そのものが所以の
怨念だ

愕然と
する

思い
知らされる

楽しい
嬉しい
明るい
屈託のない
笑顔の
ものであってさえ

脳は
人知れず誰の目にも触れずわたしにさえ気付かれることなく
独走する
時間が消えてゆく

わたしの
喜びとは何だろう

わたしはわたしの安定の為に
ここにいつまでも、いつまでも、延々とただ座って
スクリーンに
時間を捧げ
人生を
終えろと、

やっぱり
脳は
停止かもしれない
元来の、孤独で情けなくも憐れな絶望的寂寥感だけが暴走をして
時間を停めて

いったい幼子の頃からどれだけの時を無駄に、無益に、脳は漂い流れわたしをも置き去りにして走ってきたのだろう
人生丸々だ
わたしのポーカーフェイスも人生丸々だから
誰にも知られることもないけど

天より
何より
自分が知っている

そしてその先に
展望はないことも。

2012.11.14 am5:43



水色のソファ

2012年11月09日 | 空の森 2012

020

好きだったの
水色のソファ
四年前に何の断わりもなく捨てられてしまいました
何で?

わたしが買ったの
水色のソファ
丹念に丹念に調べて探して選んで
わたしが、買ったの

欲しかったの
水色のソファ
眺めるだけでも嬉しかった
わたしの拠り所だった

猫たちがね
そのソファで寛いだり、眠ったり、遊んだり、
それを眺めているのも
とても好きだった

何で?
僅か三年ぐらいで
捨てる?

猫が爪研ぎしたから?
それもわたしには
ただ愛おしいだけだった

好きだったの
あの光景が
水色のソファと
その周りの
景色が

そこにわたしも居て
猫たちも居て
水色のカーペットがあって
自分で作ったオモチャのような丸い小さいサイドテーブルがあって
大きな籠に沢山の葉っぱの観葉を花束のようにたわわに挿して
角にも観葉を置いて
フェイクだけど充分に嬉しかった
充分過ぎるほどに、好きだった
窓に白いレースと青いカーテン

好きだった
その全部が
好きだった
とてもとても
好きだった

わたしがそれを好きじゃいけない
わたしが好きなものをあなたは自動的に嫌いだから

チャーリーが死んだ時
わたしはそのソファの上で
チャーリーの骸を抱いて一晩泣きながら一緒に寝た
M君が逝った時
わたしはそのソファの上で
散々泣いた
何日も何日も
泣いた

愛しさの
拠り所

捨てる理由が
今でもわたしには何一つ
見つからない

わたしの好きな
水色のソファ。

2012.11.9 am5:31

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