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詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

猫のしっぽのぬくもり

2009年11月19日 | 空の森 2010
チャーリー抱いて寝たい寂しさ
チャーリーのしっぽだけ軽く握ってわたしは寝る
チャーリーの心の許しにわたしの心は温まって
わたしの心はチャーリーのかいなに抱かれて眠る

数々の猫も皆可愛いに違いはなくても
チャーリーのかわりはいないほどに
だけどチャーリーのしっぽのかわりの猫のぬいぐるみのしっぽでも無いよりはよいかもしれず

人恋しさも寂しさも何ら変わらず
チャーリー亡きあとわたしは抱くものがない

ふとんの中なら尚のことふらふらと心は漂ってぐいっと何処に置き所もわからず
寂しいったらありゃしない。

09.11.19 am3:38



変らずの

2009年09月24日 | 空の森 2010
わたしの二つの肩には三つの頃から住み着いてしまったもう一人のわたしが今も尚固く硬く難く頑なに内臓に筋肉に血に神経に脳に心に混ざり合って一体化し住み着いている

自由になりたい
自分から

死ねず
生きられず

相変わらずの
日毎。

・・・
人も風の遥か。

09.9.11 am9:15



ヌクモリノ

2009年09月21日 | 空の森 2010
とても弱っている時小さな猫の体をきつくきつく抱きしめる
かつて幼かった我が子をわたしがそうしたように

猫の体に顔をくっつけてスリスリする
かつて幼かった我が子がわたしにそうしたように

ああ人ひとりのなんと弱く脆く儚いことか
自分の弱さが真っ逆さまにどこまでも空っぽな井戸のように地の底遥かまで貫いて見えてくる

そして生きものの肌触りのなんと柔らかく温かく心苦しいほどに祈りにも似た情けであることか
ありがとう猫たち

君たちの存在が
泣くほど嬉しい。

09.9.21 am5:21




僕の見るもの

2009年09月02日 | 空の森 2010

どこへ帰るの
西、東
冬、山
家、それともホテル?

どこ行くの
空、車
雪、道
椅子、そしていつもの服。

君が毎日通る道の
僕は石ころにでもなればいい

君が通り過ぎた後の風景を
ただの風になって漂う

落ちた涙が一滴その土にまみれ
消えてしまってそれでいい

空はなんて残酷だろう
明け方も
夕方も
真夜中も
昼間も
そこには何も無いじゃないか
何も

雨も風も太陽も
何も無い
何も
見えない

僕には目なんていらないのか
ただ心に
体積を持たない君の面影が刹那
恋しい

09.9.2 am5:33


月の子守唄

2009年06月21日 | 空の森 2010
僕は、君の家になりたい
君の愛用するペンに
シューズに
なりたい

僕は
君を潤す水になりたい
疲れをいっ時忘れさせる
風になりたい

そして僕は空になって
僕のことなんかおよそ知らない君をただ
眺めていたい
存在する君の存在を
知る喜び

でももしも君がその空に気付いて
イヤと思った時には
まごうことなく僕は
僕を壊すよ

仕方ないんだ僕は
バランスを知らない生き物だから
なんてこともないさ誰も気付きさえしないから

やがて年月が過ぎたら
空のその先で逢おう
甘く優しい月の歌を歌って
君をそっと
寝かせてあげる。

09.6.21 pm9:53


歪み

2009年06月21日 | 空の森 2010
洞窟の
岩から染み出た僅かな水滴を舐めて嗅いで
少しでも多く、多く、知りたくて躍起になって
解らない見えない聞こえない何も
解らない

此処は
外界の時間は曲がり縮み伸びきって
雨も陽射しも関係ない

座っては萎えて疲れて横になり
うずくまって、萎えて疲れて
横になる
何時間も、何日も、何年も

空は心の中で
月は絵の中に
緑は回想の中
祈りの青い絵は箱の中で白けて
想いは
日ごと萎縮して
歩かない足も使わない体も年々退化し
山への憧憬にテレビのチャンネルは駆け巡り

ホラ今西表のマングローブの森、
昼間は利尻と礼文を見たよ
先だっては屋久島を見た

想いは
萎縮
ひび割れて、錆びて、萎縮

心は
どんどん
小さく、いびつになっていく。

09.6.21 am4:44






外気にて

2009年05月27日 | 空の森 2010
北も南も開け放した窓から流れる早朝の冷気が一瞬
わたしを森に置いた

一瞬
ここはどこだろう
森だ
わたしは自分が今散歩してるのかと思った
こんなに自由に軽く動く足でわたしが歩いている

木々の匂い
朝露に濡れそぼった葉の匂い
草いきれ
湿った土
立ち込める土の匂い
簡単なサンダル履きの素足に伝わる
土の冷たさとざっくりとした土を踏む感触と音

陽はまだ遠くにあって
ここにはその影だけが薄っすらとミストになって漂うだけ
近くにはつかず離れず木々の間に間に静かな君の姿必ず
薄暗い外気の世界
一瞬の気のワープ

愛とはこうにも
死ぬことでしか成就しないものなのだろう。

09.5.27 am5:38




居る

2009年05月22日 | 空の森 2010
ピエロになれるほどの思いやりなんてないので
せめて
せめて
黙ります

ピエロになれるほどの破壊力もないので
せめて
限度はとっくに超えつつも
耐えます

ピエロが道化るみたいな心的体力使ってしまったら本当に一瞬にして全てを切ってしまいかねないので
一所懸命
一生懸命
薄ら笑い浮かべます

ヘラヘラ
ヘラヘラ
意味もなく浮かべます

でも時としてどうしても自分の眼の中に冷酷が出てきてしまうのは
押さえられない
鋭い矢のような
冷たいナイフのような

視線一つで致命的なメンタルの打撃を与えられるって解かっているので
なるべくに早々に逸らすようにしてはいます

ごめんなさい
母親

配偶者
せっかくわたしなんかとお友達になってくれたのに勝手に不義理して縁を切ってしまったかつてのお友達の人達
音楽の先生メンタルの先生フィジカルの先生
可愛い可愛い猫達

でも
黙ってるわたしは本当は凄く頑張ってるわたしです
ヘラヘラしているわたしはすでに心の中で悲鳴上げてます
疲労で泣いています
でも
耐えますそれしか人並みに出来ることがないので

居る為に
居られるように。

2009.5.22 am6:07




天国の花

2009年03月04日 | 空の森 2010
天国の花は白いので
誰でも好きな色をつけられます
もちろん白いままでもよいのです
透き通って透明になってもよいのです

天国の花は形も大きさも好きに思い描いて
なんとなくでももちろんよいです
桜のような美しいピンク色の
大きな花に

乗せてあげます
そこにはわたしの知り合いの可愛い猫達がいます
きっと仲良くなれます
わたしの友達もいます

きっと仲良しになれます
だから
寂しいことはないのです
わたしもいずれそこへ行きます

きっと仲良くなりましょう
おしゃべりしたり
遊んだり
お菓子を食べたり

お昼寝しましょう
美しい花がいっぱい
やさしく
抱いてくれます

心おだやかに温かく
なりましょう
一緒に
お休みしましょう

いつでも
いつまでも
苦しむことはないので
安心して

暮しましょう
家族のように。

世の事患いも煩いも全て
無いのですから。

09.3.4 am10.49