詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

鉱物になってしまった心

2004年11月02日 | 重い系
ああ表情ほどあてにならないものはないのですよ
表情なんて石の心を持ってしまった人間にとって
どうにでも
なるものなのですよ
たとえ誰が何十人束になってかかってきたって
石の心のその人は
いとも容易く跳ね返してしまうことなんて造作もないこと
むしろそういう時
石の心は鉄の心に成長するのです
ポーカーフェイスなんて
二つか三つの頃から始まっているのですから
長い長いキャリアがあるのです
石の心を崩すには
それを崩せる程のさらに頑強な確かなものがなければ無理なのです
鉄の心を熔かすには
鉄を熔かせるほどの熱が無ければ無理なのです
それ以下のものは受付ないのですよ
だって石なんですから
鉄なんですから
もはや生まれようのない
鉱物なのですから
鉱物になってしまったものを
再生しようがないじゃありませんか
彫刻でもしてみますか?
オブジェでも 
作ってみますか?
そんなわけのわからないこと
できる人なんていませんよ
人々よ
さっさと眠っておしまいなさい
わたしも眠ります。

95.8.23 am5:55


タイトル未定

2004年11月02日 | 重い系
頭が回りません
考えが浮かびません
組み立てが出来ません
あなたの顔が思い出せません
会った次の日
もう一ヶ月経ってる気がしてゾッとした
家へ帰ると顔が分からなくなるから
あなたの写真がほしい
カメラを持ってって
一枚撮りたい
いいでしょ。

物の影に脅える
視界のスミが一番イヤだ
とても怖い
そういう時
とても怖い
現実のあなたなんて
わたしの心の中には居ない
現実なんて有り得ない
だから
現実のあなたなんて
わたしの中には居ない
観念の、白日夢の、思いの、夢の、幻の、あなたが何人もいる。

わたしには
消すか消されるか
ひとつしかない
やるかやられるか
それしかない
消すか消されるか
捨てるか捨てられるか
殺すか殺されるか
それしかない。

夢だけじゃない
白日夢だけじゃない
無意識だけじゃない
現実が
気が付きはじめている
意識が
起きようとしている
わたしには耐えられない
耐えられないことが
始まろうと
目を開ける
時々
意識が起きようとしている
わたしには重すぎて
何もかもが
わからない。

嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ

黒い雲のりたい。
そして消えたい。

95.12.11 am1:20


血の陶酔

2004年11月02日 | 重い系
血が必要だ
愛なんて今はいらない
血が必要だ
血を流さなきゃ
そうしなきゃ
血が見たい
赤い血が見たい
血の陶酔
ああドキドキする
ワクワクする
血を思うだけで
胸が高鳴るよ
君たちの気持ちは充分分かるよ
いつになったらその日がくるのか

95.12.13


深淵

2004年08月20日 | 重い系
どうしようもない憂鬱
"人" の "言葉" の
何も可もが
わたしの中に入って
黒い渦巻きになってしまう
"わたし" は
外も内も
笑顔でありたいと願っている
何に対しても誰に対しても
神がもたらした全てのものを
愛したいと
神の子であるわたしの
最も当たり前のことと

なのに

ひとたび人間関係が生じると
外では笑顔で受けたものが
人知れず内では
深い渦になって
果てしなく落ちてゆく
見事に
キラキラと
割れたガラスが加速を増しながら
舞い落ちてゆくように
深淵と
深淵の中に吸い込まれてゆく

誰と話しをするの
何を話せばいいの

心的ブラックホール
フワフワと遊ばせておくことができなくて
周りと同じように
浮かばせておくことができなくて
全てのものを内へ入れて
完全に咀嚼、吸収、分析、追及
そして飲み込んで
飲み込んで
受容できずに
わたしは壊れる

深淵の中は
何もない
ただ黒い穴が
途方もなく続く
光りは
遠い遠い宇宙の果て
        1987.2.28 pm7:30


見えない枠

2004年08月20日 | 重い系
タバコを吸っていると
泣きたくなってしまう
苦くてまずい煙が
病理的感情的に
気持ちが悪くなる

子供の頃からタバコを気嫌いしていたわたしが
アルコールの脱神経さにもたれかかって
二~三本遊び

胸がいたたまれなくなって
四~五本
煙といっしょに
溜息を吸って
吐いて

胸は粉々
精神も緊張の境界を越えるか否か
アルコールに寄っかかった中での
猛ヘビースモーカー

そして今
しらふでタバコを吸っている

心を
どうすればいいの

アンテナがいっぱいあり過ぎて
意地悪にあやとりしていて
感じかたがひど過ぎて
入り過ぎて
からまって
わたしの心は
一枚も着ていない
いつも
ヒリヒリ
晒している

全てを
全てで受けてしまう

タバコを吸っているわたしの心は
沈む黒い月
光りも反射しない
全ては通り抜ける
見えない異次元の枠
            1987.2.26 pm9:00


死神のオモチャ

2004年08月19日 | 重い系
両肩の力が抜けない
いつになっても抜けない
今日も抜けない
今も抜けない
お酒を飲んでも駄目
ストレートでも駄目
普通の性格って何
普通の人ってどうやればいい
楽にって何故
まあまあってどうして
深あく考える
深あく思う
深あく悩む
深く深あく深くみる
思い悩む心
事の真理
意味
根本
深淵
緑の
青の
行き着いた魂の場所
それを言ったらわたしはどうなる
あなたたちはどうする
あなたは?
わたしに自然なことが
いつもナンセンス
誰にも彼にもナンセンス
わたしにはわからない
今まで会った人たち見たひとたち
相容れない心
わたしは意識する
心は硬くなる
魂は押しつぶされる
体は異になる
内のわたしも外のわたしも変化する
故障
そして力が抜けない
寝ている時でさえ
わたしはまるで、死神のオモチャ。
             1988.3.7


アリア

2004年08月18日 | 重い系
BACHを小さくB.G.Mにして
あなたが話す声を聞きながら
静かに 静かに
眠りにつけたらいい

あなたのおだやかな声を
子守唄のように感じながら
何も付属物のない
違和のない
純粋そのものの
安堵の
焦がれの声を
聞きながら
あの、アリアのような
心の母のような
大地に静かに浸透するやさしい雨のような
祈りのような
凪いだ声を聞きながら
何も考えず
たおやかな面持ちになって
あなたの声のたおやかさに抱かれながら
眠りにつきたい

そして二度と
目覚めることがないように
" わたし" をもう
誰も起こさないで
" わたし" はもう
誰も嫌です
人間であることが
つらくてつらくてしかたないので
心を閉じたまま
そのまま・・・・・
         1989.2.4 pm1:37



タバコ

2004年08月18日 | 重い系
溜息をつきたいとき
タバコに火をつける

大きな大きな溜息を
何回も何回も
つくことができる
極めてナチュラルに
何の意識もなく

そこへ多少のアルコールが入って
血が体中を駆け巡り
神経が和らぐのを
感じ始めた時
束の間の
虚無の中のリラックスを
追う

もちろんひとり
心通わせる人間が皆無なので
タバコを借りる

わたしの溜息は
打ちのめされたあきらめ
それを煙に変えて
ただ
消え入る
     1989.1.17 


死慕

2004年08月14日 | 重い系
こうしてわたしは死んでゆく
精神が黒く
塗られてゆく

通わないヒューマニティの地獄に窒息し
日常の持続に圧死し
時間の不毛を予見して
内奧のパーツがひとつづつ
確実に
終わってゆく

黒い空の下で
未来永劫に広がる
心の黒は
石になり
砂になり
砂漠の底に
埋もれてゆく

死に続けている
現在進行形の緩慢な死の堆積
生きるほどに
わたしの死体がほかされる
      1999.2.2 am5:05


緩慢な完(まったい)

2004年08月14日 | 重い系
見ての通りわたしは歩いている
人生を歩いている
その目的が終りにある場合

できる限り
社会や生産や対人を拒絶した活きない生の
日常の
なだらかではあるけど連続的な
緩慢な
終りへの逃避
と傾斜
と希求

小さなことを少しづつ
少しづつ殺していって
内なるものの
少しづつの死
の蓄積
やがて完


        1998.9.26 am5:25



小人(しょうじん)

2004年08月14日 | 重い系
自分を歩く足を切って捨てたわたしが
こんなに早い流れの中を走る
心の中に道はないのに
自分を運んでいる
風を切って 移動する
メカの護衛におもねって

護衛付きでなければ
未だ
どこえも
行けず
決まりきったルートを
ただ往復するだけの
安堵を持たない
おののくも者

ハンドルとウィンカーとワイパーとブレーキとアクセルだけを知ってて
自分で金を出しているわけでもなく
動く歩道のような
わたしの世界
                 1998.9.5 am4:46


心のかわり

2004年08月12日 | 重い系
食べないと落ち着かない
何がって心が
胃にドーンと重石が沈み込まないと
心は空無で溢れて
自我が飛ぶ

心の穴がぐいっと広がる度に
憑りつかれた妖怪と化して脳が食べ物を口に運ぶ
何の自尊心も無い
見栄も
外聞も

アイデンティティ-はいつもにも増して飛散し薄れてゆく
胃の膨満感を得て心は
引力の線をかろうじて引っ掛けて
地に着いたことなどない日常から乖離した足の
その裏側が地に向かって垂直になる

そうやって一時浮いてはいるが眼下に土の茶色を確認し
紙ふうせんのような自我は
束の間の砂のイスに腰掛ける

砂は少しづつ落ちていってイスの形も無くなり
心は再び空無に押し負かされて
脳は胃に詰め込む石を探して動き出し
何度でも、自我は飛ぶ
                 1997.7.7 pm6:30


グレード4

2004年08月12日 | 重い系
気分はグレード4
なんせわたしのたっての願いは
やることやってトットと死ぬこと

我が子の生存のためだけにわたしはここにいる
あとは何がどうだってどうでもいい
グレード4を人生分もやってれば
こんなもん

だから個人的には○○大歓迎だよ
大義名分ができるからね
わたしひとりだったら
治療も手術もしないで放っといたっていい
○○の好きにさせるさ

なんとでも批判してくれていいよ
精神科医でも心理療法家でも心理学者でも内科医でも外科医でも無知で間の抜けた素人でもなんでも

心の拠り所が死なわけ
心の逃げ場が死しかないわけ
他に選択肢は存在しないわけ
この世に居る限り
                       1997.4.28 pm7:00