goo blog サービス終了のお知らせ 

詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

瞬間

2004年10月31日 | 10代の頃
~17才

わたしは山ほどのチャンスの後を
す通りしてきた
過去いくつかあったその瞬間に
書いて創って動いていれば
今までにないわたしの所有(もの)が
それを思っただけで
目覚めることのできるようなわたしの分身(もの)が
できていたかもしれないというのに

わたしは自分の間抜けに気付きながらも
ヌーボーとしていた


若いわたしは
ひらめいたその瞬間に動かなければ
そうしなければ何も生むことは出来ない
生きている証拠を示すことはできない

チャンスは毎日毎日の中に
見えないけれど
埋もれてひしめきあっている
それらはわたしの方から手を出して
十本の指を突き出して
無造作に鷲掴みにしなければ
顔をみせることはない

今よりもっと髪を振り乱して生活(い)きたい
汗だくになって
心までも汗だくになって
生活(い)きたい

瞬間は永久に連続して
空気のメロディーのように
流れているというのに

瞬間にむさぼりついて生きなければ
何も生むことはできない
でもまた今のように
停滞する時がくるのだろう・・・

78.5.8


2004年10月31日 | 10代の頃
~17才

鳥が飛んでいる
空に大きく輪を書いて
長い線を死ぬまで引いて
鳥が飛んでいる

わたしは何て行動力のない女
鳥は空を飛んでいる
あんなに広く高いところを
わたしには手の届かないあこがれの
宇宙に続く
真っ青な空間を
鳥は飛んでいる・・・

鳥が飛んでいる
わたしも飛べるだろうか
飛んでみたい

わたしの空を
宇宙を
人生を 鳥のように

78.9.15


わたしと二人

2004年10月31日 | 10代の頃
~17才

夢を捨てないで下さい
鳥は大きな空を
―僕たちにはこの空より大きな夢があるんだ
と言わんばかりに飛んでいます
あなたも、鳥になってください
そして死ぬまで飛び続けてほしい
生きがいの中を
人生を
苦しさの中を・・・
わたしと二人

78.9.12


山の中

2004年10月31日 | 10代の頃
~17才

山の中に入ると
人間を忘れてしまう
周りには生命の息遣いが聞こえる
みんな呼吸をしている

最中や顔に感じる視線
背中や顔に感じる微笑

人間の存在は無いのに
人間以上のぬくもりや
触れあいを痛感する

山の中の空気はいつも新しい
いつも濡れて光っている

洗ったばかりのハンカチを水に濡らして
適当にしぼって
口に当てた時のような
瑞々しい刺激が得られる

山の中の住人はみな
利口で心豊か
木々や緑や土や

わたしはそういう友と触れ合う時
生きる喜びに満たされる
わたしの人生にとって貴重な体験

山の中に入ると人間を忘れて
真の生命体に戻れる

78.3.24


ハトに魅せられて

2004年10月31日 | 10代の頃
~17才

わたしはにぎやかな街の灯りよりも
ハトを見ていたい
あでやかなダンスパーティーよりも
ハトが飛ぶのを見ていたい

ハトは太っていておなかが出てて
翼は短くて丸まっこくて
低くて鈍い声をだす

それに珍しくもないし
集団でしか扱われない

でもハトは心が広そうだし
土の匂いがする

何の予告も無しにカクッと
世の中から抜け出た時
夢中でハトを心に描いた
ハトは幸せそうに空を飛んでいた
自由という名のころもを付けて

空を飛ぶ
それ自体なんて素晴らしいことだろう

ハトが 空を飛ぶ
あの空間を あの無限大を
わたしも

78.10.27




ハトは白くて

2004年10月31日 | 10代の頃
~17才

あの娘の心にいたハトはどこへ行ったの?
― ハトは広い空へ飛んで行った

何故?幸せじゃなかったの?
― 幸せは不幸の上に浮かんでいた

ハトはどんな顔してた?
― 悲しげだけどハトは笑っていたよ

ハトは広い空へ行って何をするの?
― わからない 多分ハト自身分からないだろう

ハトは何か言ってた?
― 一言も喋らなかったよ

何故?自分の意思を伝えようとしなかったの?
― ハトは疲れていたんだ そしてあまりにも悲し過ぎた。悲しみが
   過ぎたんだよ

悲しかった?ハトは悲しみを知っていたんじゃなかたの?
― 確かに知っていたが これはショックを伴っていたんだよ。ハトは      
   白過ぎたんだ 悲しみを知っているわりには

ハトは?
― わからない それは空が決めることなんだよ
  ハトは
  白過ぎたんだ

78.10.27



異次元

2004年10月06日 | 10代の頃
あの人はたった一日で
遠く離れてしまいました

あの人の
声も
顔も
ほほえみも
しぐさも
きのうまでのものではありません

まったく違う色に塗りかえたのです
あの人は遠い宇宙のようなところに
行ってしまいました
すぐ手が届くところにいても
二人の次元は違うのです

あの人はオレンジ色の次元で
わたしはむらさき色の次元

たった一日で
こんなにも離れてしまうなんて
男の心理はつくづくわかりません

あの人は遠く異次元に移り
わたしの涙も
入りこめなくなりました

78.3.8



軽卒

2004年10月06日 | 10代の頃
軽卒という言葉を
わたしは忘れていました

わたしの軽卒な行いのいくつか
軽卒の中に没入してしまうと
軽卒も軽卒ではなくなってしまう
それは単に出来事でしかない

自分の意思は半分入っている
すると残りの半分は軽卒

軽卒という言葉の意味を
忘れようとしたに違いありません

あの罪作りが
あまりにも魅惑的だから

78.3.8


拒絶

2004年10月06日 | 10代の頃
いつもどうりではなかった
あの人の言動

わたしにほほえみもくれず
ウィンクもくれず
からかってもくれなかった

ふたりになれば雑誌を見たり
表へ出て犬と遊んだり
奥さんは今日
お化粧をして
紅を愛らしくにじませていた

いつもどうりではなかった
拒絶されたのかもしれない

拒絶
いやな響き
冷たいナイフの光り

わたしはきっと
拒絶されたのだ

78.3.8


星空の向こうに

2004年10月06日 | 10代の頃
星明りがきれいよ
真っ黒な空がドキドキするわ

あなた知ってる?
あのはるかなはるかな
星空の向こうに何があるのか
多分わかんないでしょうね

ほら星明りがステキ
真っ黒な空は胸がうずくわ

見えた
見えたわよ
あのはるかなはるかな星空の向こう

あなたの顔 あなたの顔 
あなたの顔

78.3.6


なんとなく伝えて

2004年10月06日 | 10代の頃
愛している
という言葉がいるというのなら
わたしは愛をつたえられない

偽りでも真実でも
恋愛している恋人達のような
愛の言葉が必要だというのなら
わたしの愛は悩んでしまう

お互いが充分に純粋でなくても
精神的に認め合いたい

大げさな言葉はいらない
今はただ
対人間の会話の中で
なんとなく愛を伝えたい

78.1.19


あなたに逢いたい

2004年10月06日 | 10代の頃
今すぐあなたに逢いたい
あなたは今
働いてる?
頑張って!
眠ってる?
安らかにね・・・

もしあなたがひとり身だったら
あなたに電話したい
もしわたしが自由だったら
あなたの部屋に行くのに

夜中だって何だって
かまいはしない
あなたに逢いたい
ただそれだけ

78.7.4


あなたの指ゆえ

2004年10月06日 | 10代の頃
ひとさし指噛んだ
苦し紛れに
一度離してまた噛んだ

悲しみが重たかった
気がついたら口の中
あなたを強く感じていたかった

ひとさし指噛んだ
本当は
血の滲むほど噛んでやりたかった
引きちぎれるほど
噛んでやりたかった

あなたの指ゆえ
あなとの指ゆえ

78.6.30


2004年10月06日 | 10代の頃
恋は苦しむということ
時には楽しいことがあっても
恋をしている限り
終始苦しみとの葛藤

恋は涙するということ
強い女で通っていても
泣きぬれて瞳が腫れる
そして泣き寝入り

恋は愚かになるということ
片方の眼は無いも同然
片方の耳は聞こえないも同然
感情の一切はその人ひとりに向けられる

恋は自分を放棄すること
恋は耐えるということ
恋は奴隷のようになること

友も親も周りの人間全てを
だまし、裏切り、傷つけ
場合によっては
強盗も殺人も
死ぬことさえも
できるということ
あなたが好き、ただそれだけで

78.8.23