詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

コンタクト

2016年06月02日 | 深い海 2016

夢のような夢を見た

自分ではどうする術も持たず
混乱の渦に翻弄されリピートの中をぐるぐるぐるぐるただ溺れているだけの顕在意識を
寄せ集め、拾い集め、継ぎ接ぎし、掬い上げ
無秩序に切り張りされた真意の断片が
そのストーリーを無理矢理こじつけるように組み立てて
苦し紛れも必死な本能がもがいてもがいて哀しい程懸命に映像を結び
色も形もコトバもニュアンスの芽さえ醸すことも出来ない意識の最下層の
日常の中では感情がほんのちょっと横を見ることも許さずに意識の届かぬ無意識の底に沈みかけている一番端の一角に
ほんの一瞬
浮き上がって

無意識からの
コンタクト

意識はさらにスーパーエゴに塗りつぶされて何一つの動きも無い自身に
毎日毎日本来何の謂われもない罰を止まることなく延々と人生分垂れ流し続けて
わたしはわたしに呪われて
眠りの中でさえ自分を律し戒め
夢に思うことさえ禁止して
抑圧は人の心なんていとも簡単に抹殺します

ありがとう見えないくらいに小さな微々たる無意識のわたし
その夢の尻尾を辛うじて感じた
すかさず切れないように消えないように現実の顕在にまで手繰り寄せ照らし合わせ祈るように分析し
罪の真相と
罰の善し悪しを
危険なく意識に滲ませることが出来ました

わたしはただ自然の範疇に生まれ出て
単に人である事実は万物と同じ

夜見る夢はいつも
あまりにも現実離れした架空のストーリーが幾重にも混ざり合い取り留めのない支離滅裂な混濁だけど

その夢のような夢は
初めて
わたしの無意識がわたしに見せてくれた汗一滴分の優しさ
わたしがわたしから差し出された
綺麗にたたまれた一枚の白いハンカチ

あなたは今までずうっと
わたしに気付かれることなく
わたしを見ていてくれたのですか?

2016.6.2 am2:32




コメントを投稿