奥の院の御廟橋から向こうは聖域で、荘厳な静寂に包まれている。
その御廟橋までの参道には、どっしりと天を突くように伸びた大きな杉の木が林立している。
今までお参りしたときには気がつかなかったが、小さいプレートに「特別母樹林 ○○○」と数字が書いてある。
その御廟橋までの参道には、どっしりと天を突くように伸びた大きな杉の木が林立している。
今までお参りしたときには気がつかなかったが、小さいプレートに「特別母樹林 ○○○」と数字が書いてある。
杉の根の 緑に光る 苔にさえ 御仏の声 聴ける大木
「山のこと、木のこと」についてあまり知らなかったのでこのような「特別母樹林」という言葉さえ初めてこの説明を読んで知った。
高野山は杉だが、クヌギ ナラ カラマツ アカマツ・・・など、現在全国に130ヶ所余り指定されているそうである。
優れた種を保存、採捕するために伐採などを制限する親木の林のことで、林業育苗法に基づき農林水産大臣が指定するのだと調べているうちに一つ木についての知識が増えた。
二本の木が根方でまるで最初から1本のようになっている。
この左の木も名札をつけてもらっている。
きっと立派な子孫を残し育てるための種を、数知れずいどこかで命を繋いでいっている親の木なのだ。
杉の木に興味を持ってみていると、この木は3本がまるで頑丈な要塞のように連なっている。
全山が杉の木の持つ不思議な霊気に満ちているようである。
そしてそれは私には多くのみ仏の声として、彼の岸に渡る新仏を迎え入れ導いてくれているような気がするのである。