部屋の燈が絞られ薄暗くなった中に、秋川雅史の歌声が静かに静かに流れた。
♪ 千の風になって 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています
あの大きな空を 吹きわたっています ♪
千の風になっての最後のフレーズの間の、通常より長い黙祷だったが、嘗て金陽会員だった父、母、夫、先輩、同級生の亡くなった人のことが、次々と浮かんでは消えていった。
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当地にある猫塚古墳、岡峯古墳、南阿田大塚古墳からの出土品に見られる渡来文化や、法隆寺の藤ノ木古墳埋葬品、また、御霊神社の話と井上内親王内親王稜など、興味深いお話だった。
猪熊先生は、毎年2月11日に毎日放送が行っている、毎日カルチャースペシャル ラジオウォークの講師として出演され、毎回分かりやすい古代の大和のお話をお聞きしているので、こういう機会に吉野川との係わり合いのある古代文化のお話を拝聴できふるさと再発見の時でもあった。
懇親会の時間帯だが、会場全体に鳴り響く太鼓のリズムに皆耳を傾け、演奏の後惜しみなく拍手を送った。
旧制中学の校歌は、歌詞も、曲も剛健な感じであり、高等女学校の校歌は、優美な中に、背筋を伸ばしたくなるような凛としたものがある。
三つの校歌に見られる故郷の山、金剛山と町の中央を流れる吉野川を歌ったフレーズを抜き出してみた。
高尚幽微の思索の玉を
金剛山の緑に探り
淬礪陶冶(さいれいとうや)の試練の水を
吉野の川の青史に汲みて
栄えある母校 五中の我等
金剛山の尊さよ
アアこれやがてわが操
吉野の川のうるわしさ
アアこれやがてわが鑑(かがみ)
尋ぬるは真理の扉
求むるは個性の泉
吉野川流れに映えて
うちたてよ 栄光の旗
金剛の空高らかに
こだませよ 興国の歌
前後に珠玉のような言葉があるのだが、今回は故郷の山と川を読み込んだフレーズの切り取りとなったので、ご勘弁願いたい。
今年の総会の運営の全てを担当された中和支部の皆さんに、心から感謝したい。