心と体を通して見えてきたもの №３２

少女戦士エレーヌの人生
この国では王政が行われていました。
時代は戦国時代です。
父は男女差別を許さない厳格な人で、戦士でした。
私は他の兄弟と同じように育てられ、女だから…という理由で出来ないとか、やってはいけないと言われたことは、一度もありませんでした。
父が目指していたのは女らしい人ではなく、男女の性を超えた人間らしい人間だったようです。たぶん、時代が女性らしさを求めていなかったのかもしれません。
いつもどこかで戦争があり、領土の奪い合いがあり、国の形は頻繁に変わっていました。
私が1歳の頃戦争があり、国の大半を奪われ、もう少しで負けそうになりました。その時、奪われた領土に住んでいた多くの人は、捕虜として捕らえられました。
私の家族も、もう少しで捕虜になりかけ、父も殺される寸前でしたが、父の仲間の勇敢な戦士たちが助けてくれました。
いつもどこかで戦争があり、戦士はいくらでも必要でしたから、父は優秀な戦士を自分の手で育てたいと考えました。
№33につづく