心と体を通して見えてきたもの

個人的な生まれ変わりの体験談。心とは?カルマとは?人間の本質や使命とは?
といったことを考えてます。

第3章 光とともに ナンバー1777

2019-05-28 21:09:58 | Weblog
ナンバー1777 2019.05.28 空間の構造を知るために虚数を知る
実数は数直線上のゼロから右に向かうと、プラスの数が増え、ゼロから左に行くとマイナスの数が増えるように表すことができます。
虚数は数直線上のどこにもないのであれば、ゼロから上に垂直方向に線を伸ばした先にあると考えたのが、デンマークの測量技師カスパー・ヴェッセルです。
同じころ、フランスの会計士ジャン・ロベールと、ドイツの数学者カール・フリードリッヒ・ガウスも同様の考えにたどり着きました。
ゼロから水平に引いた数直線によって実数を表し、ゼロから垂直に引いた線によって虚数を表せば、二つの座標軸を持つ複素数を含んだ平面図ができます。
この複素平面図によって、虚数は目に見える形で描けることになります。
こうして、マイナスの数や虚数が数学の世界で認められることになりました。
この複素平面図でプラス1とマイナス1をかけ合わせると、プラス1から原点0を右から左に180度回転してマイナス1になります。
マイナス1にもう一度マイナス1をかけると、今度はマイナス1から180度回転してプラス1に戻ってきます。
虚数iは2乗してマイナス1になる数のことですから、4回かけるとプラス1に戻ります。
つまり1回の虚数iのかけ算は、360度の4等分、すなわち90度の回転に対応していることになります。
1750年頃に数学者オイラーによって書かれたオイラーの公式は、増加や減少を表す指数関数と回転や振動を表す三角関数が虚数iを仲立ちとして美しくシンプルに結びついています。
この公式を立体的なグラフにすると、複素数空間で、ラセンを描くようになります。
このラセンを実数平面、虚数平面に投影すると、三角関数の波のグラフになります。
原子などのミクロの世界の現象は、この三次元世界で起こる現象とは違った不可解なものが多くあります。
このミクロの世界の不可解な動きを説明しようとすると、虚数iを使うことになります。
量子力学によって、量子真空の存在が明らかとなりました。
量子真空では一瞬のうちに次々と生まれては消えているプラスの電荷をもつ粒子と、マイナスの電荷をもつ仮想粒子があります。
プラスの電荷をもつ粒子と、マイナスの電荷をもつ粒子が次々に生まれては消えていますから、量子真空には電場と磁場があり、電流が流れるとその周囲には磁場が現われ、この磁場が強くなると電場が生まれ電流が流れます。
この電流の周囲に磁場が発生することが延々と繰り返されて電磁波になります。
回転運動が繰り返されることを数学的に表すのが複素数であり、この虚数の場である量子真空で、電磁波の光が大爆発することで、この宇宙が誕生しました。
ナンバー1778 2019.06.02につづくでしょう
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第3章 光とともに ナンバー1776

2019-05-24 20:59:08 | Weblog
ナンバー1776 2019.05.24 空間の構造を知るために虚数を知る
『統一された真空はすべてを満たしており、それは超高密度で超流動的であり、局所宇宙の構成要素を作る素粒子を生み出し、その進化サイクルの最後には素粒子をふたたび引き受け、重力、電磁力、そして強い核力・弱い核力の力場はもちろん、素粒子や原子を瞬時に相互結合し、その結合を永続させるホログラムのフィールドと、その素粒子や原子によって構築される空間と時間のなかに存在するすべてのものを生成する』とアーヴィン・ラズローは言います。
このような量子真空を発見した量子力学によって、原子内部の運動法則が正確に理解できたり、化学反応を原子や電子のレベルで説明ができるようになったり、超電導や超流動、レーザー光線などの技術の基礎理論が導かれたり様々な物理現象が解明されました。
その一方で、不思議な現実も知ることになりました。
エネルギー、長さ、速度、時間にはそれ以上分割できない最小単位があることや、ミクロの世界の物質の位置と速度、エネルギーと時間をそれぞれ同時に正確な値で決めることができないという(不確定性原理)こともわかりました。
電子一つであっても、その位置は確率的にしか計算ができなかったり、1つの電子が同時に複数の場所に存在することができたりします。
また、1つの粒子の変化が瞬時に離れた空間にあるもう1つの粒子に伝わったり、あるいは粒子のテレポーテーションも可能になったりもします。
ミクロの世界でこのようなことが次々と解明できるようになったのは、虚数i があったからです。
粒子の回転の状態は、パウリが考案したパウリ行列という式を使いますが、この式では虚数iが使われています。
電子の運動の状態を、行列を使って計算したハイゼンベルクの行列力学と呼ばれるものにも虚数iが登場します。
シュレディンガーの波動方程式にも虚数iが出てきます。虚数は16世紀のイタリアで、2乗してマイナスになる数として、登場しました。
マイナス1の平方根を虚数単位と定め、その記号をi としたのは、オイラーです。
オイラーは長い研究の末に、「世界で一番美しい数式」と呼ばれるオイラーの等式にたどり着きます。
オイラーは虚数の重要性を示しましたが、視覚的にプラスの数はリンゴ3個とか、長さ5センチメートルの棒など、個数や線の長さとしてイメージできます。
ところが、マイナス3個のリンゴなどイメージできませんから、なかなか受け入れられなかったため虚数の存在を認めない人が多くいました。
ナンバー1777 2019.05.28 につづくでしょう
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第3章 光とともに ナンバー1775

2019-05-20 20:56:57 | Weblog
ナンバー1775 2019.05.20 空間の構造について
『生ける宇宙』(アーヴィン・ラズロー著 日本教文社発行)の続きです。
『――すべての空間を満たし、すべての時間にわたって持続する。
――超高密度で、揺らいでいるゼロ・ポイント・エネルギーで満たされている。
――超流動的で、素粒子や素粒子で構築された物体は、見かけ上摩擦を受けずにそのなかを運動する。
――観察可能な宇宙を形成する素粒子を生み出す基盤である。
――素粒子がブラックホールのなかで「蒸発」するとき、素粒子の受け入れ先となる。

宇宙真空はまた、次に挙げるものの原因である。 

――素粒子や素粒子で構築された物体のあいだに働く重力 
――荷電粒子にともなう電磁波 
――原子核内部で働く短距離の引力と斥力 
――ほぼ瞬時に、かつ永続的に、素粒子や原子をはじめ、すべてのものを宇宙の全域を通して結びつけている、相互作用する波  ゼロ・ポイント・エネルギー、G‐フィールド、EM‐フィールド、核力場、そしてA‐フィールドは、「統一された真空」が別々の形に具現化したものである。
大統一理論や超対称統一理論はまだ発展の途上にあるが、統一された真空はすべてを満たしており、それは超高密度で超流動的であり、局所宇宙の構成要素を作る素粒子を生み出し、その進化サイクルの最後には素粒子をふたたび引き受け、重力、電磁力、そして強い核力・弱い核力の力場はもちろん、素粒子や原子を瞬時に相互結合し、その結合を永続させるホログラムのフィールドと、その素粒子や原子によって構築される空間と時間のなかに存在するすべてのものを生成する。
以上のことは、現時点で断言することができる。
今出現しつつあるリアリティに関する科学のヴィジョンは、相互結合し、全一的なリアリティのヴィジョンである――
言い換えれば、リアリティの包括的ヴィジョンなのである。』
私たちが目にしている様々な物質はすべて、実は物質ではなく「物質のように見えるすべてのものは、量子真空のなかの複雑な波」だと量子力学はいいます。
そしてこの宇宙の量子真空はすべてを満たしていて、超高密度で超流動的であり、局所宇宙の構成要素を作る素粒子を生み出し、その進化のサイクルの最後には素粒子をふたたび引き受けて、すべての力の場はもちろん、空間と時間のなかに存在するすべてのものを生成する、といいます。
ナンバー1776 2019.05.24につづく
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第3章 光とともに ナンバー1774

2019-05-16 20:40:53 | Weblog
ナンバー1774 2019.05.16 空間の構造について
『生ける宇宙』(アーヴィン・ラズロー著 日本教文社発行)の続きです。
『ソリトンという現象が英国科学振興協会に初めて報告されたのは、1845年のことだ。
それは、J・スコット・ラッセルによるもので、幅の狭い運河をものすごいスピードで波が動いていくのを、運河沿いに馬で追いかけながら観察したという内容であった。
その波は、「大きく盛り上がり、その形は滑らかな丸みを帯び、くっきりとしており、形を変えたり速度を落としたりする様子もなく、運河に沿って進み続けた」という。
それ以来、さまざまな条件の下でソリトンが観察されている。ソリトンは、個別の物体のように振舞う。
はっきり定義された軌道に沿って運動し、二つのソリトンが出会ったときには、互いに進行方向を変える。
ソリトンは水のみならず、神経系、複雑な電気回路、大津波、気圧波、そして固体の熱対流においても、インパルスとしても現れる。
超流動性の媒体のなかにも現れる。
したがって、超流動宇宙媒体である量子真空のなかにも現れるのである。
真空のなかに出現するソリトンは、観察可能な宇宙の物質や、力を媒介する仮想粒子である。
素粒子が無垢な状態――観察されたことも、干渉を受けたこともない状態――にあるとき、それはある意味、真空のいたるところに存在する。
つまり、無垢な素粒子は、ホログラムのなかの情報のように、あらゆる場所に「分布されている」のである。
ところが、素粒子が擾乱されて干渉を受けると、素粒子は分布した波としての性質を失い、孤立した、物質からなる物体のような存在となる。
こうして素粒子は、古典的な物体の形をとるようになる。
量子物理学では、このことを「波動関数が崩壊する」と表現する。
わたしたちが感覚によって認識するのは、空虚な空間のなかを運動する堅固な物質なのだが、物理的リアリティはこれとは違っている。
粒子、恒星、惑星、岩、そして生物を含む物質宇宙は、実は物質ではない。
これら、物質のように見えるすべてのものは、量子真空のなかの複雑な波なのである。
最新の諸発見に照らし合わせると、真空――物理的リアリティの本質的な要素である空間を満たす媒質――の核心にある性質を特定することができる。
この媒質は、次のような性質を持っている。』
ナンバー1775 2019.05.20につづくでしょう
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第3章 光とともに ナンバー1773

2019-05-12 21:06:41 | Weblog
ナンバー1773 2019.05.12 空間の構造について アーヴィン・ラズロー
『生ける宇宙』(アーヴィン・ラズロー著 日本教文社発行)の続きです。
『太陽表面の3億倍もの温度においてさえも真空が液体の性質を持った高密度な場であることが証明されたことには大きな意味がある。
このことは、現在宇宙を支配している極めて低い背景温度のもとでは、真空場は超流体――そのなかでは、素粒子、原子、そしてその他の物体が、水のなかの魚のように、微妙で、認められるような効果をほとんど起こさずに運動するような媒体――の性質を持っていることを示唆している。
これよりもさらに重要なことに、新しい発見は、素粒子、原子、その他の物体がこの超流動体の媒体のなかで運動するとき、それらの運動は、普通の流体のなかでの運動と同じように、波を作り出すということを指し示している。
真空が宇宙の基本的な媒体で、しかもそれは超流体で、その中に存在するすべてのものが波を生み出すのなら、粒子を定義する二つの性質、すなわち、粒子性と波動性のうち、本質的なのは波動性のほうだと期待すべきである。
実際にそうだと信ずる理由が存在する。
若きイラン系アメリカ人の物理学者シャーリアー・アフシャーの独創的な実験によって、素粒子の粒子性が観察されているときでさえも、素粒子の波動性も存在していることが示された。
(古典的な「ビーム分割実験」では、光子――一見離散的と思える実体――がスリットを一個ずつ通過する場合でさえも、スクリーン上の干渉パターンが消えることはない)。
ボーアの名高い「相補性原理」は成り立たない。
つまり、確かに素粒子の粒子性と波動性の両方が観察されるが、それらが同時に現れることはけっしてないというのは正しくない。
素粒子の波動性が問われているときには粒子性は現れないが、粒子性が現われるように実験の条件が設定されている場合には、波動性も存在するのである。
クリフォード、アインシュタイン、シュレディンガーは正しかった。
かつてMITに所属していた物理学者のミロ・ウルフによれば、波の媒体、すなわち、その波が出現する宇宙的真空は、宇宙の物質と自然法則を生み出す唯一の源である。ウルフはこのように結論した。
「個々の素粒子の波動が、ほかの物質の波動と交じり合っており、すべてが媒体の密度に寄与していることから、すべての荷電粒子は宇宙の一部であり、そして宇宙は個々の荷電粒子の一部であるということになる」
だとすると、実際には真空のなかの波動であるはずなのに、わたしたちに堅固な物質からなる物体が見えるのはどうしてなのだろう? 
その答えはこうだ。
「真空波は『ソリトン』(いわゆる孤独波)のようなものなので、実際には媒体のなかの波動であるにもかかわらず、離散的で孤立した物体のように見えるのである」』
ナンバー1774 2019.05.16 につづく

ちょっとお知らせします
今年も シェア・インターナショナルより、石川道子特別講演会のお知らせが届きました。
ご興味のある方はご参加ください。

5月21日 名古屋市 ウインクあいち 2F 大ホール 先着800名
18:00~21:30  問い合わせ 052-891-6625

5月25日 大阪市中央公会堂 大集会室       先着1161名
14:00~18:00  問い合わせ 06-6773-1231

6月2日  東京・有楽町朝日ホール (有楽町マリオン11F) 先着636名
14:00~18:00  問い合わせ 03-3309-3020


現代社会は気候変動による自然災害、環境破壊、戦争やテロ、格差、貧困などがまん延していて危機的状況にあります。
このような状況をつくり出している商業至上主義や物質主義の社会構造の中で、ある抗しがたい変化が人々を目覚めさせています。
この変化によって奉仕の仕事や、ボランティア活動、分かち合いなどを積極的におこなう人々が現われています。
人類の背後からこのような変化を起こしておられる方がいます。
それは世界教師マイトレーヤと知恵の覚者と呼ばれる方です。
過去にもこのような方がおられました。
クリシュナ、仏陀、キリストといった優れた霊的教師たちでした。
彼らは、未来にも、自分と同じような救世主が現れることを予言しています。
そして今回、人類の未曽有の危機を救い、人類を不安や恐怖から救い、さらに人類が進化するための方法などを教え導いて下さる方として、マイトレーヤはすでに、この地上で、私たちとともにおられますが、このことを知っている人はごくわずかのようです。
マイトレーヤの出現という希望のメッセージを人々に伝えるべく活動をしておられた方がベンジャミン・クレーム氏と石川道子氏です。
2016年10月にベンジャミン・クレーム氏が亡くなられてからは、石川道子氏が活動を行っています。マイトレーヤの出現が世界中で公式のものとなれば、すべての人々にとって、不自由な暮らしを終わらせると同時に、素晴らしい進化の機会となるでしょう。
今回の講演会で
世界教師マイトレーヤの出現とその教えとは、
彼とともにこの世界に出現される知恵の覚者とは、
そして今、私たちがしなければならない決断とは、
といったことが、わかることでしょう。

私はマイトレーヤが出現されるまで、おられた場所を物理学で言うと量子真空ではないか?と思って、量子真空について、書いているところです。^^; 真実やいかに?
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第3章 光とともに ナンバー1772

2019-05-08 21:05:13 | Weblog
ナンバー1772 2019.05.08 空間の構造について
『生ける宇宙』(アーヴィン・ラズロー著 日本教文社発行)の続きです。
『わたしたちはさらに、「真空の形状やバリエーション」は波であるという点でもクリフォードに合意できる。
真空のなかには、光を運ぶ光子や、力を運ぶボゾンのように、伝播する波が存在する。
そしてまた、わたしたちが物質と呼ぶ、一見堅固に見えるじつにさまざまな実体を形成する定在波も存在する。
空間そのもの――より厳密な言い方をすれば、空間を満たしている真空――は、物質の運動の単なる背景、もしくは容れ物ではなく、空間と時間のなかに存在する物質がそこから出現し、それを通して絶えず相互作用を続ける「もの」もしくは「実体」そのものなのである。
真空は、複雑で、極めて高密度で、しかも強く相互作用する場であるという新たな証拠が出現しようとしている。……
ブルックヘブン国立研究所の相対論的重イオン衝突型加速器(RHIC)の実験で、物理学者たちは、クオークとクオークを結びつけ、クオークに質量を与える「グルーオン・プラズマ」とも解釈できるものを発見した。
彼らは、金の原子核をビーム状にし、全長4キロメートルの円周上で加速して1000億電子ボルト――太陽の表面の3億倍の温度――の温度を実現した。
(これはビッグバン直後の10ミリ秒間の温度に相当すると考えられている)。
物理学者たちは、このとき形成されたグルーオン場がとてつもなく高密度――予測よりも30から50倍であることを見出した。
この場に存在するクオークは、高度に同期化された集団として振る舞い、互いに、そして周囲のグルーオンと、強い相互作用を行なっていた。
このことから、ビッグバン直後の初期真空は、気体よりむしろ液体に近かったに違いないと考えられている。
わたしたちの宇宙が誕生したころ、真空は現在の水の10から20倍の流動性を持っていたようだ。
(訳注:ブルックヘブン国立研究所が2005年4月の米国物理学会で発表した内容によると、RHICの重イオン衝突実験で形成されたクオークとグルーオンから作り出された高温高密度の新たな物質状態は、クオークとグルーオンの自由気体のように振舞うという予想に反して、むしろ「液体」のように見えることが確認されたということだ。)』
ナンバー1773 2019.05.12に続く予定です
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第3章 光とともに ナンバー1771

2019-05-04 20:59:02 | Weblog
ナンバー1771 2019.05.04 空間の構造について、アーヴィン・ラズローより
『生ける宇宙』(アーヴィン・ラズロー著 日本教文社発行)の125ページには次のように書いてあります。
『今やますます多くの物理学者たちが、物理的リアリティの性質を総合的に理解するためには新たな根本的概念が必要だと考え始めている。
だが、それはわたしたちの目の前にあり、しかもまったく新しいものではない。
それは空間を宇宙の基本的な媒体だと見なすことである。
近代物理学の偉大な先駆者たちが、すでにこのような考えを抱いていた。
19世紀に近代数学の重要な一分野であるクリフォード代数を確立したウイリアム・クリフォードは、空間の微小部分は、平均的には平坦な面にある小さな突起のようなものと見なせると主張した。
普通の幾何学法則はそのようなものには適応できない。
彼は次のように考えた。
湾曲したり歪んだりする空間の性質は、空間のある部分から別の部分へと、波の形で常に伝播されている。物質の運動とは、じつは、この空間の曲率の振動なのだ。
物理的世界のなかでは、この波状の振動のほかには何も起こっていない、というのが彼の主張である。
その50年後、アインシュタインは「空間の概念」という題の論文のなかで、次のように記した。
「今わたしたちは、空間こそが一義的な存在であり、物質は二義的なものにすぎないという結論に到達した。
空間は、それまで低い地位に眨められていたことへの復讐として、今や物質を食いつくそうとしていると言ってもいいかもしれない」。
このアインシュタインの意見が出版された二、三年後、その基本的な洞察をシュレディンガーが別の言葉で表明した。
「わたしたちが物体や力として観察するものは、空間の構造の形状やバリエーションにすぎない」と。
空間の構造に「バリエーション」があり得るのだろうか? 
確かにあり得る。
というのも、現在私たちが知っているように、空間は空虚でも平坦でもないからだ。
20世紀後半、空間は、仮想エネルギーが乱れた状態にある超高密度な場(あるいは、より専門的な用語で言えば、エネルギーを生み出す作用量の場)であるということを示す経験的な証拠が得られるようになった。
それは「量子真空」によって満たされているというか、どう見ても「量子真空」そのものである。
こうした次第で、今日わたしたちは、クリフォード、アインシュタイン、そしてシュレディンガーが生きていたなら疑いなくそう言うように、「物体や力は、量子真空の構造の形状やバリエーションにすぎない」と言うことができるのだ。』
ナンバー1772 2019.05.08 につづくでしょう
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