エロゥルの人生
眼下には美しい山の尾根が見えます。
その尾根を、一人の少年が歩いて頂上から遠ざかっています。
その山の頂上で、一人の10歳くらいの少年が「エロール」と叫んでいます。
頂上の少年が何度も「エロール」と呼ぶのに、少年(私)はどんどん彼に背を向けて遠ざかっていきます。
私は心の中でこの映像を何度か見たことがあったのですが、つい最近過去世の記憶の一つであることを知りました。
私はとても貧しい家に生まれました。私が2歳の時に兄がいましたが、あまりの貧しさに両親は食料を買うお金欲しさから、そのとき5歳だった兄を売り飛ばしてしまいました。
そのとき私は、家の中で遊んでいました。兄は外で遊んでいました。
知らない男の人がやって来て、玄関から声を掛けると、両親が家の外へ出ました。
三人は少し話をすると、父は男の人からお金の詰まった布の袋を受け取りました。
母が兄を呼ぶと、遊んでいた兄が母のそばに来ました。すると、その男の人は兄を抱き上げて去っていきました。兄は男の人に抱かれて、泣き叫んでいたのを覚えています。
それっきり兄は、家に戻ってきませんでした。自分もいつか売り飛ばされるかもしれない、もう二度と両親と会えない日が来るかもしれない、と思うと恐ろしかったです。
両親はあまり仕事をしていなかったようです。
№46につづく
眼下には美しい山の尾根が見えます。
その尾根を、一人の少年が歩いて頂上から遠ざかっています。
その山の頂上で、一人の10歳くらいの少年が「エロール」と叫んでいます。
頂上の少年が何度も「エロール」と呼ぶのに、少年(私)はどんどん彼に背を向けて遠ざかっていきます。
私は心の中でこの映像を何度か見たことがあったのですが、つい最近過去世の記憶の一つであることを知りました。
私はとても貧しい家に生まれました。私が2歳の時に兄がいましたが、あまりの貧しさに両親は食料を買うお金欲しさから、そのとき5歳だった兄を売り飛ばしてしまいました。
そのとき私は、家の中で遊んでいました。兄は外で遊んでいました。
知らない男の人がやって来て、玄関から声を掛けると、両親が家の外へ出ました。
三人は少し話をすると、父は男の人からお金の詰まった布の袋を受け取りました。
母が兄を呼ぶと、遊んでいた兄が母のそばに来ました。すると、その男の人は兄を抱き上げて去っていきました。兄は男の人に抱かれて、泣き叫んでいたのを覚えています。
それっきり兄は、家に戻ってきませんでした。自分もいつか売り飛ばされるかもしれない、もう二度と両親と会えない日が来るかもしれない、と思うと恐ろしかったです。
両親はあまり仕事をしていなかったようです。
№46につづく