ヤングの干渉実験
ヤングは一つの光源から出た光を、板に開けた二つの短冊形の
穴(スリット)という障害物を通り抜けさせて、さらに
その先のスクリーンまで届ける実験を行ないました。
光源から出た光が障害物のスリットを通り抜けてスクリーンの上に
届くと、明暗のある縞模様(干渉縞)をつくり出しました。
水面の波や音の波は複数の波が重なると、高い波の時は強め合い、
高い波と低い波の時は打ち消し合うのと同じように、この実験によって
現れた干渉は、光を波と考えれば説明できることになります。
障害物のスリットとスクリーンの距離と干渉の縞模様の間隔などから、
光の波長の数値を求めることに成功しました。
フランスのフレネル(1788~1827)は波動説から光の直進性を
説明して、回折現象の数学的な一般理論を展開しました。
また特殊な場合について計算をおこない、実験と合う結果が得られることを示しました。
こうして光の粒子説は少しずつ衰えていきます。
光の振動方向が偏る偏光という現象を発見したのはホイヘンスでしたが、
1807年に光の粒子説を認めていたマリュス(1775~1812)は、方解石という
透明の石を1本の直線を引いた紙の上に置いて、方解石を通して直線を見ると、
1本のはずの直線が2本に見える複屈折という現象を説明します。
方解石はつぶれたマッチ箱のような形に割れやすいという性質を持ちますが、
この方解石に入る光の粒が完全な球形ではなく方向を持つため、異なった
方向を持つ2つの光粒子が異なった屈折をするためだといいます。
マリュスはこのような光粒子が持つ特性を、光の偏り、偏光と名づけました。
マリュスは偏光の理由を粒子説によって説明しました。
これに対してフレネルはヤングに相談して、光の波は強く張った弦の
振動のようなものではないか、という光の横波説を提唱します。
横波であれば、弦を上下に弾けば上下に振動しますし、左右に弾けば左右に振動します。
光が複数の方向の混合波と考えれば、方解石の結晶構造にそくした光線は通常に進み、
ずれた異常な光線は屈折するために、複屈折が生まれる理由を説明できます。
弾性体の内部には縦波と横波が存在することが、当時すでに知られていましたので、
フレネルは光とは弾性個体エーテル内部の横波に違いないと結論づけました。
光が横波であると考えれば、波の振動の向きによって偏光を
考えることができて、複屈折を説明できると指摘しました。
さらに回折について様々な実験を行うことで、これまで知られていた光に関するさまざまな
現象の正当化に成功し、ニュートンの粒子説を否定して、光の波動説を確実なものにします。
№1450 につづく
ヤングは一つの光源から出た光を、板に開けた二つの短冊形の
穴(スリット)という障害物を通り抜けさせて、さらに
その先のスクリーンまで届ける実験を行ないました。
光源から出た光が障害物のスリットを通り抜けてスクリーンの上に
届くと、明暗のある縞模様(干渉縞)をつくり出しました。
水面の波や音の波は複数の波が重なると、高い波の時は強め合い、
高い波と低い波の時は打ち消し合うのと同じように、この実験によって
現れた干渉は、光を波と考えれば説明できることになります。
障害物のスリットとスクリーンの距離と干渉の縞模様の間隔などから、
光の波長の数値を求めることに成功しました。
フランスのフレネル(1788~1827)は波動説から光の直進性を
説明して、回折現象の数学的な一般理論を展開しました。
また特殊な場合について計算をおこない、実験と合う結果が得られることを示しました。
こうして光の粒子説は少しずつ衰えていきます。
光の振動方向が偏る偏光という現象を発見したのはホイヘンスでしたが、
1807年に光の粒子説を認めていたマリュス(1775~1812)は、方解石という
透明の石を1本の直線を引いた紙の上に置いて、方解石を通して直線を見ると、
1本のはずの直線が2本に見える複屈折という現象を説明します。
方解石はつぶれたマッチ箱のような形に割れやすいという性質を持ちますが、
この方解石に入る光の粒が完全な球形ではなく方向を持つため、異なった
方向を持つ2つの光粒子が異なった屈折をするためだといいます。
マリュスはこのような光粒子が持つ特性を、光の偏り、偏光と名づけました。
マリュスは偏光の理由を粒子説によって説明しました。
これに対してフレネルはヤングに相談して、光の波は強く張った弦の
振動のようなものではないか、という光の横波説を提唱します。
横波であれば、弦を上下に弾けば上下に振動しますし、左右に弾けば左右に振動します。
光が複数の方向の混合波と考えれば、方解石の結晶構造にそくした光線は通常に進み、
ずれた異常な光線は屈折するために、複屈折が生まれる理由を説明できます。
弾性体の内部には縦波と横波が存在することが、当時すでに知られていましたので、
フレネルは光とは弾性個体エーテル内部の横波に違いないと結論づけました。
光が横波であると考えれば、波の振動の向きによって偏光を
考えることができて、複屈折を説明できると指摘しました。
さらに回折について様々な実験を行うことで、これまで知られていた光に関するさまざまな
現象の正当化に成功し、ニュートンの粒子説を否定して、光の波動説を確実なものにします。
№1450 につづく