三位一体と万物の創造
グノーシス神話の一つである、ヘルメス文書の
『ポイマンドレース』を振り返ってみます。
トリツメギストスは体全体の感覚がすっかり
停止したときに、ポイマンドレースと出会い、
「存在の本質を識り、神を認識したいのです(№1028)」と質問しました。
これに対して、ポイマンドレースは姿を変えて、
超感覚的な世界を現出させました。それは
トリツメギストスの周囲も内部も、すべてが
一変し、超感覚的な光に充たされ、その光景は
計り知れぬほどに美しく、喜ばしいものだったといいます。
すべてのものは輝き、甘美で、とても晴れやかで、
その眺めにトリツメギストスはすばらしく喜びました。
しばらくすると、もうもうと煙を吐くように
暗黒があらわれて、湿ったどろどろの
自然物(フュシス)となります。
すると光からある神聖な言葉(ロゴス)が
やってきて、自然物(フュシス)と
結びつき、万物の構成要素である
四大(地・水・風・火)が発生(№1031)しました。
そしてポイマンドレースは『わたしはあの光なのだ。
すなわち叡智であり、おまえの神であるともいえる。
あの、暗黒からあらわれた、しめったどろどろの
自然よりもまえから在る者で、叡智よりいでし
輝くひかりのことばは、神の息子なのだ。』と説明します。
この万物創造の最初に超感覚的な光の世界が
現れて、次に自然物(フュシス)と言葉が
現れたことで、万物の構成要素が生まれました。
光の世界と自然物(フュシス)と言葉の三つに
よって万物が創造される、三位一体になっています。
また、たいていの宗教が神を三位一体とした教えであり、
この三位一体が基本的な形であるといいます。
世界の様々な宗教にも、光から万物が
つくられたという教えがありましたし、
ビッグバン理論も光の爆発から宇宙が始まったといいます。
そして光と暗黒と神聖な言葉(ロゴス)という
三位一体の中の純粋なエネルギーが、しだいに
濃縮することで質料となり、万物の構成要素
である四大(地・水・風・火)が発生し、
上位の界層から下位の界層に向かって万物が
創造されたと、ポイマンドレースは言いました。
次にこの質料が形態を形づくり、生命活動が行われます。
そしてこの形態の中に霊、あるいは魂、または意識が生まれます。
この「エネルギーと質料」、「生命と形態」
「霊と魂」の三つがそろうことで、これも三位一体となります。
質料の中にエネルギーがあることで形態を
維持しますし、形態を持つものの中に生命が
あることで生物学的な活動があり、生物学的な
活動から霊的な意識が育ち精神活動が可能となります。
こうして生命を持つものの、形態と
意識の両方の進化ができることになります。
これは宇宙万物すべてについて、あてはめることができるものです。
№1292につづく
グノーシス神話の一つである、ヘルメス文書の
『ポイマンドレース』を振り返ってみます。
トリツメギストスは体全体の感覚がすっかり
停止したときに、ポイマンドレースと出会い、
「存在の本質を識り、神を認識したいのです(№1028)」と質問しました。
これに対して、ポイマンドレースは姿を変えて、
超感覚的な世界を現出させました。それは
トリツメギストスの周囲も内部も、すべてが
一変し、超感覚的な光に充たされ、その光景は
計り知れぬほどに美しく、喜ばしいものだったといいます。
すべてのものは輝き、甘美で、とても晴れやかで、
その眺めにトリツメギストスはすばらしく喜びました。
しばらくすると、もうもうと煙を吐くように
暗黒があらわれて、湿ったどろどろの
自然物(フュシス)となります。
すると光からある神聖な言葉(ロゴス)が
やってきて、自然物(フュシス)と
結びつき、万物の構成要素である
四大(地・水・風・火)が発生(№1031)しました。
そしてポイマンドレースは『わたしはあの光なのだ。
すなわち叡智であり、おまえの神であるともいえる。
あの、暗黒からあらわれた、しめったどろどろの
自然よりもまえから在る者で、叡智よりいでし
輝くひかりのことばは、神の息子なのだ。』と説明します。
この万物創造の最初に超感覚的な光の世界が
現れて、次に自然物(フュシス)と言葉が
現れたことで、万物の構成要素が生まれました。
光の世界と自然物(フュシス)と言葉の三つに
よって万物が創造される、三位一体になっています。
また、たいていの宗教が神を三位一体とした教えであり、
この三位一体が基本的な形であるといいます。
世界の様々な宗教にも、光から万物が
つくられたという教えがありましたし、
ビッグバン理論も光の爆発から宇宙が始まったといいます。
そして光と暗黒と神聖な言葉(ロゴス)という
三位一体の中の純粋なエネルギーが、しだいに
濃縮することで質料となり、万物の構成要素
である四大(地・水・風・火)が発生し、
上位の界層から下位の界層に向かって万物が
創造されたと、ポイマンドレースは言いました。
次にこの質料が形態を形づくり、生命活動が行われます。
そしてこの形態の中に霊、あるいは魂、または意識が生まれます。
この「エネルギーと質料」、「生命と形態」
「霊と魂」の三つがそろうことで、これも三位一体となります。
質料の中にエネルギーがあることで形態を
維持しますし、形態を持つものの中に生命が
あることで生物学的な活動があり、生物学的な
活動から霊的な意識が育ち精神活動が可能となります。
こうして生命を持つものの、形態と
意識の両方の進化ができることになります。
これは宇宙万物すべてについて、あてはめることができるものです。
№1292につづく