ウラ写真・稽古の日々＜裏役の宿命＞

「裏役」って書いてみたものの、

なんか、
アウトローな雰囲気が漂う感じがしますな。

「顔役」とか「裏の顔」とか「裏稼業」とか、
・・・「裏」が悪いんだな～。


あ、でも、ぜんぜん違う話ですから　


ダブルキャストで２役やる場合、

出番の多い役の方を「本役」
少ない方の役を「裏役」

と呼ぶんです。

といっても、
チョイ役の方が面白かったり、
チョイ役で場をさらう快感があったり、

出番や台詞が多けりゃ目立つ、
なんて、
とんでもない勘違いなんですけどね。

・・・と、ここでまた語り出すと、
止まらなくなるので、やめておきますが



今回、キャストの一部が、
ダブルキャスト、または２役、

という、かなり複雑なことになっていました。


これ、ちょっとややこしいんですが、

ダブルキャスト、というのは、
２人で同じひとつの役をやります。
だから、反対（裏）のチームのときには出演しません。


そして２役というのが、上に書いたとおり、
本役でひとつ、大きな役があり、
裏のチームのときには軽い役で出演する、

・・・というパターンが一般的です。


ところが今回、
その常識を覆すような、とんでもない２役がありました。


２つとも役が重すぎだろ！
という、助手の純平と、過去シーンに登場する公則。

実は最後の最後にもう一つ、別の役でも登場するのですが、
これはまぁ、いいとして、

で、これが、鈴木顕吉くん、久住ヒデトくんの２人。
　

彼らは本当に厳しかったと思います。

それでも顕吉くんは、
演出助手もやってくれて、


本当にお疲れさま・・・でした。



しかし、彼らの厳しさとは別に、

違う厳しさを、抱えざるを得なくなったのが、

あとの２組の、４人の女性たち。


完全なダブルキャストの、
オバちゃんトリオの１人、芳江役。
　
瀬戸川未空さんと清水明子さん。


そして、片方がワンシーンのみの出演、
という２役、家政婦の早苗役。
　
池田奈美子さんと三浦明日香ちゃん。


普通の稽古のときは、
出ていなくても、役者として存在できます。

裏の池田さんの演技を凝視する明日香ちゃん。


そうなんですよ。
ダブルの場合、裏の芝居がとても気になります。

最終的に全く違う形になるんですが、
絶対に無視はできないのが人情で。

やっぱり、同じことをやりたくない、
っていう感情もあったりするし。

これを超えるまでが、
自分との戦いなんですね。



しかし、通し稽古に入り、

別チームの稽古となると・・・、


　　・・・ごめんね～～

　　　　・・・悪いね～～


と言われながら、

ず―ーっと、

　椅子やテーブルの出し入れやら、
　小道具のハケやら、

芝居の間じゅう、
休みなく走りまわることに　


この日も、
この回の裏方担当の明日香ちゃんが、
むっくくんと
場面転換の打ち合わせ中。


出ずっぱりの主役でありながら、
自分もガンガン動き、
演出プランもどんどん提出するむっくくん。

本当に頼りになりましたが、

２人とも・・・疲れてるね　




　　　（つづく）





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