望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ささやかななことだけど

2016-11-02 23:46:13 | 暮らし・花・趣味

今日と明日は、学生たちの落語会の本番。

お客さん、入ってくれるかな、
 お客さん、笑ってくれるかな、と、

自分の舞台よりも、ずっと緊張します。


もちろん学生落語なので、
所詮、素人芸でしかないんですが、

いくら素人芸といっても、
大勢の部員たちの中には、

センスのある子、地道に努力をする子、ノリのいい子など、
実にさまざまな子がいます。


そして、やっぱり、
もう一つ、伸びない子もいるんですよね。

ものすごく努力をして、ちゃんと形にはなってるのに、
なにかしら足りないな~、っていう女の子がいました。

人一倍頑張ってるのに、だけどもう一つ、何かが足りない。

こんなに頑張ってるのになぁと思いながら、
1年のときから、ずっと見てきて、気がつけばもう4年。


やはり4年間やってくれば、
難しい落語にもチャレンジしたくなるもので、

今回、彼女が選んだのは非常に難しい廓噺。

こんな難しい噺を、どの程度までこなせるだろう、と、
はっきり言って、不安の方が大きいスタートでした。

もちろん、ずっと続けてきているので、
1、2年に比べれば圧倒的にうまいのですが、

予想通り、それでもやっぱり何かが足りない。


いいアドバイスが浮かばないまま、ついに最終稽古の日。

これが彼女の個性と思うしかないかな~、
と思いながら、

聞き始めた彼女の落語が、


え? どうしたんだ? 化けたぞ!


急に上手くなることを、化けると言うのですが、
最後の稽古で突然、彼女が化けたのです。

理由なんか、ぜんぜんわかりません。

ただ、突然、がらっと変わったんです。

ずっとこれまで蓄えてきたものが、
ここにきて突然、爆発した、という感じでした。



そして、今日の本番も、
大勢の登場人物を、みごとに演じ分けて、

しっかりお客さんをつかんでいる姿に、
客席で笑いながらも泣きそうでした。


こんなことって、あるんだなぁ。


来春にはもう社会人になって、
これだけ頑張ってきた落語からも、
完全に離れてしまうだろうけど、

そしてたぶん、
社会ではなんの役にも立たないだろうけど、


でも、やったじゃん!

この難しい噺で爆笑をとれたじゃん!


ささやかなことだけど、
学生たちといると、たまにこういう経験をさせてもらえて、

オバサンまで青春のおすそ分けをもらえます。

これでやめられなくなって、

忙しいーーーっと言いながら、また明日も行ってきまーす 






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